霊山

765.8m
山域:布引山地
2000.1.22


木曜日の夜から金曜日にかけて、四日市市内でも積もる程の雪となったので、黒々としていた鈴鹿の山は一気に白銀の山へと変わった。その週末は、多少天気が安定していそうな霊山に久しぶりの雪踏みハイクを楽しみに向かった。

白藤渓谷への田園の中の道を走っていくと、正面にこれから登る霊山が、雪化粧をしてのんびりとした姿で横たわっていた。渓谷に沿った田代池への坂道は凍っており、チェーンの無い軽自動車は進行不能となってしまったので、野外活動センターのバス停付近に駐車した。このバス停は時刻表が付いていないので、普段は運行されていないのかもしれない。ここから雪の車道を歩くこと30分弱で田代池の堤に着く。東海自然歩道に合流し、車道と別れて湖岸に沿った杉林の道を行くこととなった。雪は5センチ前後、まだ溶けていずふかふかと楽しい。やがて先ほど別れた車道と再び出合い、これを横切って山道へと入っていった。
登山道は、階段の整備された遊歩道で、ゆっくりと植林の中をいく。しばらくすると少し下って沢を横切り、再び階段の登りとなる。植林の中の道を上り詰めると、再び緩やかな下りとなり、木々に昨日の雪が降り積もった、美しい自然林の道となった。終始5センチ前後の積雪は踏んでも地面は現れず極めて快適、気温も上がって上着は要らない程である。小沢を渡ると緩やかな登りとなり、アセビの群生の中を通っていく。クネクネとした幹に白く雪が乗っている様子も面白い。稜線に出ると道標がある。直進してそのまま下れば霊山寺のようである。山頂の方向に進むと、九合目のベンチがあり伊賀盆地が眺められる。合目石はきっと霊山寺からの道についているのだろう。稜線を緩やかに辿れば山頂直下の階段に出て、石段を登るとお椀の底のような山頂の一角に出た。石塔や仏堂があり、一帯は中世の寺院の遺跡とのこと。寺は最澄の建てた霊山寺で、霊山の名はインドの霊鷲山に形が似ているから付けられたとそうだ。遠い昔の話である。お椀の縁の様な山頂を一回りしてみる。西側には風化はしているがさすがに立派な一等三角点が埋まっている。伊賀盆地を見下ろす展望は雄大で、笠取山や経ヶ峰も見える。風が無いので意外と暖かくしばらくベンチに座っていた。下りは往路を戻る。やはり少しづつ雪は溶けてきており、車まで戻る車道は、今ならもっと上まで登れただろうという状態であった。帰路白藤の滝に立ち寄ってみた。芭蕉の故郷の町ゆえか、投句箱が設置されていた。



記録

日 程

2000年1月22日(土)

天 候

曇り時々晴れ

コース

1200 野外活動センターバス停 → 1225 田代池 → 1235 登山口 → 1310/30 霊山 → 1410 田代池 → 1435 バス停

伊賀盆地から見る雪の霊山


参考図書・地図 三重県の山
50000図 津西部
25000図