横山を歩いてから、途中で日踊山に登ってしまったので、獅子ヶ岳の登山口に着いたのは、すでに午後1時であった。せっかく来たので一歩登山道に踏み出してみると、結局はそのまま登っていってしまったのである。天気予報は曇りのち雨か雪で、すでにかなり雲が厚くなってきており、そろそろ降り出してもいいかな?と手ぐすねひいているようであった。もう少しだけ待って!という心境である。
注連指の登山口には、軽トラにたくさんの猟犬が繋がれて、主人が帰るのを待っていた。ということは、今日はここで猟をしているということである。たのむから撃たないでくれよと思いながら登山道に入っていく。
道はしばらく沢沿いに遡る。あたりは杉や檜の植林で、少し雑木林も混じったりする。20分くらい歩いただろうか。猟をしていた人たちが下ってきた。みんなお揃いのオレンジのチョッキを着ているのは、目立ちやすくして過ちを防止する為だろう。彼らは鹿を2頭担いでいたので、今夜は集落のどこかで宴が始まるのかもしれない。今日は終わりか?と聞いたら終わったとのこと。あとは安心して登れる。
しばらくすると、沢を渡る。ここから沢とは離れ、高度を上げる。木々は、松の木も多くなってきた。やがて、常緑樹の密集した森に入り、少し揺るやかに巻き気味に進んだあと、獅子ヶ岳の斜面に取り付く。ここから急に植生が常緑樹から落葉樹の森に変わるのは、なにか人の手が入ったためだろうか?
落葉樹の森になると、急斜面のジグザグの折り返しとなり、グイグイと高度を上げて行く。傾斜のわりに歩きやすく、快適に高度が稼げる道である。登りきると、平坦な美しい樹林帯に入り、やがてあと500mの標識と日ノ出の森への分岐となった。ここまで休まずにきてしまったので、腰を下ろして休憩した。休んでいるとチラチラと雪が舞い始めた。
ここからはしばらくトラバース状に進んでいく。雪は落ち葉にパラパラと音をたてて降ってくる。霰になっているのだろう。やがて弁当岩の分岐や小萩への分岐を経て、再び急な登りに変わり、少し堀割状の所を登ると展望岩の基部にでた。
この岩を登ると名前の通り展望を楽しむことができる。雪はまだ降り始めて間もないので、まだ五ヶ所湾の方を眺めることができた。眼下に伸びる尾根の先端に大きな岩が出ているのが目を惹いた。獅子ヶ岳の山頂は展望岩の背後にあり、僅かで着くことができる。丁度手頃な石があったので腰をかけていると、雪はだんだん激しくなり、山頂の土がどんどん白い物に覆われ始めた。
長居は無用だなと僅かの滞在で下山する。展望岩まで戻るともはや遠望は得られなかった。来た道を忠実に引き返すうちに道や木々がどんどん白くなっていった。
獅子ヶ岳山頂
参考図書・地図 | その他のコース |
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分県ガイド 三重県の山 アルペンガイド 名古屋周辺ワンデイハイク 25000図 脇出 50000図 伊勢 |
小萩から登るコースも整備されています。 また、交通機関の問題もありますが、七洞岳との縦走も可能です。 |