錫杖ヶ岳

676m
山域:布引山地
1999.11.27


週末は、多少疲れもあったので、ゆっくり出発しての低山ハイキングが楽しめそうな錫杖ヶ岳に決めた。居心地のいい山で、冷え込むという予想と裏腹に、ポカポカ陽気でのんびり楽しんだ1日だった。

朝日が射し込むとともに目が覚めると、今日もいい天気である。さっそく電車に乗って、亀山経由で加太に向かう。列車は、鈴鹿の山並みを南から見ながら行き、最後は加太川に沿った鉄路を走って、加太駅に着いた。
駅から少し下って車道にでると右折し、すぐ左折して、名阪国道のインターに向かって進んでいく。加太川を渡って、向井インターの取り付け道路に入り、錫杖ヶ岳の案内板に沿って、名阪国道のガードをくぐる。そしてそのまま看板に導かれて林道に入って行く。車道をゆったりと登って行き、峠状の場所を越えると、やがて地元で作った登山口の駐車場(30台ほど駐車可)があって、立派な登山口があった。
山道は沢沿いの、桟道もあるよく整備された道で、緩やかに高度を上げていく。かつての村人の通った峠道らしく、大変歩きやすい。杉の植林地の中の道を、流れにそって、左右に渡りながらすすみ、さしたる傾斜を感じず、明るい柚之木峠に着いた。北畑方面へは、道はしっかりしているようだが、歩く人は少ないらしく、笹が覆い被さっていた。峠にはベンチもあり、いままでの暗い道とは、うって変わって南面が明るく、布引山地の山並みが眺められた。
尾根筋の登りになると、道は明るくなるが、傾斜は急になり、どんどん高度を上げていく。尾根は所々痩せていたり、滑りやすくロープがあったりもする。しばらくアップダウンを繰り返し、植林の広い斜面を登り切ると、正面に樹間から、錫杖ヶ岳の尖鋒が見えてきた。まだ標高差があることをしらされつつも、登高欲を湧かせる姿であった。
小さな鞍部からは植林も無くなり、最後の登りにかかる。道は岩で阻まれ、ロープや鎖の連続する、岩場の登りになる。背後に展望を背負って楽しくよじ登って行くと、錫杖湖方面への分岐となり、すぐに山頂であった。山頂は花崗岩がゴロゴロしており、360度の展望で伊勢湾から知多半島、鎌ヶ岳や雨乞岳、そして南鈴鹿の山々と、布引山地の山並み、眼下には錫杖湖と申し分ない。ポカポカと暖かく、いい展望があり、なんとなく立ち去りがたい山頂であった。地元で作った看板など愛着が感じれ、大切にされている山だなと思った。
下山は往路を引き返し、昼下がりの陽気の中、加太駅に着くと、ちょうど関西本線の気動車が入ってくるころだった。



記録

日 程

99年11月27日(土)

天 候

晴れ

コース

0910 加太駅 → 0940 登山口 → 1000/05 柚之木峠 → 1040/1200 山頂 → 1230 柚之木峠 → 1245 登山口 → 1315 加太駅

錫杖ヶ岳の山頂部


参考図書・地図 ヤマケイアルペンガイド 名古屋周辺ワンデイハイク
50000図 津西部
25000図