高見山

1248m

山域:高見山地
2001.2.17


分県ガイドの「三重県の山」の出ている山々を順番に歩いてきたのですが、今回の高見山は霧氷で有名な山なので、是非冬に登ってみたいと思っていました。週の後半に若干の降雪があり、週末は快晴の予報で、これはまたとない日だと思って早朝出発しました。

四日市を出発したのは早朝3時30分であった。さすがにいつもより車が少なく、23号線をすいすい走って、久居駅前を通り、国道166号へと向かう。そしてひたすら飯高町を走り抜け、香肌峡への分岐を過ぎると、道が凍結した雪に覆われ始めた。ここからはスピードを落として、バスの終点の上木梶を通過し、高見トンネルへの道を上がっていく。夜だからはっきりとは見えないが、道はきっと真っ白なんだろう。しかし完全に凍っているためなのか、それほど滑らず高見トンネルに着いた。
高見峠には、三重県側からも登っていけるが、どこかで奈良県側の方が楽だという記述を読んだと思ったので、とりあえずトンネルを抜ける。そして高見峠への細い道に入ると、とたんに雪が深くなり車が登らなくなった。いよいよチェーンの出動である。チェーンをつけるのは何年ぶりだろう。久しぶりだなぁと思いながら、オーソドックスな鉄のチェーンをつけた。軽自動車のためか、意外と簡単についた。
高見峠に登って行く途中で空が白み始めた。高いところはガスの中に埋まっており、少しがっかりする。でも回りは晴れているし、いずれ天気予報通り晴れてくることを期待しよう。峠に着くと、すでに車が6〜7台停まっていた。
車の中でお茶を湧かしてから、テルモスに詰めて出発する。登山口には鳥居があり、その先は、切り通しを登る階段になっている。ちょうど太陽が出て、雪が赤く染まったところである。峠からは1時間程度の尾根の登りであり、急ぐことは無いと言い聞かせながら進んでいく。傾斜があると多少滑るので、少し登ったところで、6本歯の軽アイゼンをつけた。回りの木々はすべて落葉樹である。その枝にはすべて一様に雪がついており、これが霧氷だろうか?と思う。
そこそこの急斜面を登っていくと、ベンチのある展望台に出た。幾人かのカメラマンが、それぞれ思い思いの場所にカメラを構えていた。彼らは今のところ、ほとんど登らずに、ここで留まっているようだ。振り返ると台高の山々が一望できる場所であるが、稜線付近は絶えずガスが流れており、爽快な展望とは言えないようだ。高見山側も、中腹から上はガスがかかっている。すでに光の赤みは消えているが、まだ柔らかな光である。
展望台を過ぎて少し登ると、尾根が緩やかに開け、正面に高見山が見えそうなところがあった。しかし今はガスに隠れていた。再び樹林の中に入り、ジグザグに登って行く。真っ白な景色の中の登りは、最初は日が翳った中であったが、時折霧氷の木々の向こうに青空が見え始めた。だんだん晴れて来ているのかもしれない。
やがて、回りの木々が低くなってきた。そして、霧氷の木々の向こうは、すっかり雪の山特有の濃い青空になっていた。久しぶりに見るこれほどの空だ。4月に木曽駒に行った時以来だと思った。濃紺と白の造形の対比に感動し、なかなか足が前に進まない。良い日に来たなと思った。
木が低くなってくると、程なく山頂である。山頂には立派な祠があり、展望は360度だ。南は台高の山々と、その向こうには大峰の山。東には三峰山へと続く稜線。北には室生の特異な山々と、見渡す限りの近畿地方の名山が一望できる。また山頂付近は風もあり、霧氷も少し長めに成長しているようだ。祠の前には屋根が展望台になった避難小屋があり、中に入ると風を防ぐことができ、一息ついた。
帰路は、同じ道を下って行く。こんどは晴れ渡った中で、雄大な展望の中の下山である。ゆっくりと景色を楽しみながら降りていった。高見山の斜面一面に霧氷が付き、それを前景に三峰山や台高の山を眺めることができる。写真家の方々も少しづつ上に上がってきているようだ。そして、展望台まで下ってみると、ハイカーたちもどんどん登ってきた。そして登山口に降りてみると、駐車場は車で埋まっていた。今日はやはり大繁盛だ。

今日は本当にいい天気に恵まれて最高の高見山が楽しめました。下山してみると、峠の側溝に車輪を落とした車が助けを求めていたので、押すのを手伝いましたが、結局通りかかった4WDに引っ張り出してもらっていました。行程も短かったので、自宅に帰ったのはまだ12時半くらいでした。
「三重県の山」の本もあと6。でも高い山がたくさん残ったので、しばらくかかりそうです。

本文中の写真

  • 夜明けの登山口
  • 霧氷の中の登山道
  • 霧氷の森と濃紺の空
  • 山頂付近の成長した霧氷
  • 霧氷の梢


  • 山のスナップ:高見山の霧氷

    記録

    日 程

    2001年2月17日(土)

    天 候

    晴れ

    コース

    0645 高見峠 → 0745/0805 高見山山頂 → 0830 展望台 → 0840 高見峠

    高見山山頂を振り返る


    参考図書・地図 その他のコース
    アルペンガイド旧 大峰・台高
    アルペンガイド旧 名古屋周辺ワンデイハイク
    分県ガイド 三重県の山
    昭文社 関西の山歩き100選
    エアリアマップ 大台ヶ原
    25000図 高見山
    50000図 高見山
    高見山には四方から道が通じており、本文ルートは、途中まで車で入れるため、一部だけを歩いている。
    三重県側
     舟戸から高見峠経由高見山(本文ルート含む)
    奈良県西側から
     高見登山口から小峠経由高見山
     下平野から高見山(この2つは途中で合流する)
    奈良県北側から
     桃俣から北尾根経由高見山
     高角神社から高見山(この2つは途中で合流する)
    その他
     三峰山方面や台高主脈との縦走
    バス
    三重県側
     松阪より上木梶行き(三重交通)
    奈良県西側から
     榛原駅または大和上市駅より、途中乗り換えで杉谷行き(奈良交通)
     冬季の霧氷シーズンには臨時バスがある。
    奈良県北側から
     榛原駅より曽爾方面に乗り(奈良交通)、途中乗り換え(御杖村村営バス)で神末行き
    時刻等は三重交通奈良交通御杖村でご確認下さい。

    温泉
    三重県側は、香肌峡温泉に立ち寄ることができる。
    奈良県側はわかりません