矢頭山

731m

山域:高見山地
2000.6.24


矢頭山も役ノ小角によって開山されたという伝承をもっており、それ自体は行場のイメージのある峻険な山を思わせるところである。この日は、夏も近づき高い山を気にしながらも、天気がすっきりしないため、あまり雲のかかっていない低山に向かったのだった。

室ノ口のバス停を過ぎて小沢に沿った県道を走り、矢頭の大杉のある中宮公園キャンプ場まで車で入る。管理棟のすぐ上に登山口があり、またその小沢の対岸には不動滝経由の道も延びていた。最初はゆったりした階段の整備された道で、ゆっくりと登っていく。しばらくして道が水平になると不動滝経由の道を併せ、不動小屋の前を通過する。しばらくすると前方に車道が見え、樹林帯から出て、車道の橋のたもとに出てしまった。あれ?と思ったが少し車道を登るとすぐに再び山道に入っていく。ガイドにある椿小屋には気が付かなかったが、途中で別の道を通ってしまったのかもしれない。
雨後の蒸し暑い日で沢筋も近く、鈴鹿の方であれば蛭がたくさん出そうな日だが、このあたりは代わりによく赤っぽい蟹があらわれ、途中5匹くらいが登山道を横切っていった。だんだんと急坂になった登山道を喘ぎ登ると、伊勢平野方面が見える開けた場所に出た。たぶん大日拝展望台だと思うが、標識の書き方が今一つピンとこない。さらに、暗い樹林の中の急登を行く。登り付いたところに水場の標識があり、尾根はここで右に折れる。右手に高い2つのピークがあり、まだまだ先があることを知らされる。
再び急坂を登り、最初のピークに登ると大日拝の看板がかかっている。ここは展望がなく、ガイドブックや登山口の看板によると、牛ヶ峰ではないかとも思われる。さらに小さなアップダウンを進んでいくと、南側が伐採された稜線となり、展望が良く髯山の全貌を見ることができた。そしてかなりの急坂を大きく下り、もう一つのピークに登っていく。こんどは岩尾根もあり、さすが役の小角開山の山だと思わせるところである。これを登り切ると石の祠のある矢頭山山頂であった。山頂はそれほど広くはないが、芝生のような感じで、髯山と高見山地の稜線、反対側は、津から久居方面が眺められた。
下山は矢頭峠に下る。最初は綺麗な自然林の中の急坂を下り、やがて植林地の中の道になる。終始急な道で、最後の方は階段の下りとなった。道に沿って木々にロープが張ってあるが、ほとんどの木が成長してロープを噛み込んで節になっていた。降りたった所からは林道が分岐していたが、たぶん登りの時に通った林道ではないかと思われる。標高こそ低いが、なかなか歩きがいのある山だった。

本文中の写真(順に)

  • 矢頭山マップ
  • 稜線から髯山をのぞむ


    記録

    日 程

    2000年6月24日(日)

    天 候

    曇り

    コース

    0942 矢頭の大杉 → 0945 登山口 → 1010 大日拝展望台 → 1045 牛ヶ峰 → 1105/30 矢頭山 → 1210 矢頭峠 →1220 矢頭の大杉

    石祠のある矢頭山山頂


    参考図書・地図 その他のコース
    分県ガイド 三重県の山
    25000図 伊勢奥津
    50000図 二本木
    特になし
    バス
    津駅より室ノ口行きで終点下車。所要約1時間。さらに登山口まで徒歩1時間