子持山

 子持山 1296.1m 柳木ヶ峰 1190m
 山域:上州

記録
 山行日2012年3月25日(日)
 ルート敷島駅→子持神社→七号橋→獅子岩→子持山→小峠→寺尾バス停
 コースタイム0740 敷島駅 → 0800 伊熊北交差点 → 0825/30 空恵寺 → 0855 子持神社 → (五号橋〜七号橋車に同乗)0921/27 七号橋 → 0929 登山口 → 0933 屏風岩下 → 1010 稜線 → 1022/34 獅子岩の上の肩 → 1054 柳木ヶ峰 → 1110/40 子持山 → 1146 小峠下降点 → 1158 わらび荘分岐 → 1234 小峠 → 1245 旭開拓 → 1312 寺尾バス停
 天候晴れ時々曇り

ここしばらく、地味めの山が多かったので、久しぶりに少し有名な山に登りたくなりました。しかし、この時期困難なく登れて、まだ登っていないというとなかなか容易ではありません。その中で目に付いたのが子持山です。通常は車利用で紹介されていますが、古いガイドブックを見ていると敷島駅から歩いて、北麓のバス停に降りるコースで紹介されているではありませんか。これは行けるだろうと、コースタイムとバスの時間を見て計画しました。

1.登山口まで

明日は出勤でもあり、出来るだけ早くと、始発の新幹線で高崎駅まで行きました。高崎からの上越線の車窓は晴れ渡り、赤城・榛名が良く見えています。裾野は広いのですが、山頂部はニョキニョキとどちらも賑やかです。渋川を過ぎ敷島駅に向かう途中で、利根川を挟んで正面に子持山が見えて来ました。ゆったりとした、これも広い裾野を持つ山でした。
敷島駅から左に歩いて踏切を渡り、朝のまだ冷たい空気の中を道なりに北に向います。しばらく歩いて信号を左折。ここで利根川を渡り国道17号に出ました。右折してすぐの伊熊北の信号を左折。ここから「関東ふれあいの道」で、空恵寺から子持神社へと続く道です。 この坂道の車道は、利根川沿いからどんどん高度を上げていきます。さらに道標に導かれ細い道へと入り、人家の間を過ぎて行きますが、ウォーミングアップとはいえ、結構汗をかかされる道でした。植林地の中へと入り空恵寺が近づいてくると、路傍に次々といろいろな神様の石造が並ぶようになります。長尾氏の菩提寺である空恵寺の山門に着き、そのまま素通りしていくと、車道も回りこんで空恵寺の本堂の入口に出たので、ついでにお寺に少し寄り道しました。立派な本堂でした。
空恵寺から先は、道はアップダウンをしながら山の中へと進み、やがて左から別の車道が合流します。これを右に行くと子持神社が見えてきます。子持神社へは階段を登って行くようになっていますが、裏から林道に再び抜けられるのではと推測し、登ってみました。境内には浅間経由の登山口がありました。山中の神社にしては随分立派な神社です。そして、裏手の社務所からさらに裏に回りこむと藪の中に道があり、案の定林道の続きに降り立つことができました。
子持神社から登山口まではさらに林道を進まなければいけません。この沢沿いの林道は、やがて右岸左岸と渡り返しながら登って行くようになりますが、一号橋から順番に橋が数えられ、目指す登山口のあるのは、七号橋です。沢音を聞きながら登り、五号橋に差し掛かったところで、一台の車が横に停まり、今日もありがたく車中の人となりました。なんと今週は2回目です。六号橋にも登山口があり、数台の車が停まっています。七号橋には広い駐車場と案内板があり、乗せていただいた方にお礼を言い、準備して出発しました。ここまで、敷島駅から約2時間でした。それに、実は国道からの標高差も450m以上登っているのでした。登山口から山頂まで580mくらいなので、結構なものです。

2.子持山へ

七号橋から少し進んだ所あら登山口を入ると、しばらく戸板のような木道が続きます。その先で橋を渡ると屏風岩の基部に小さな鳥居があり、石仏が奉ってあります。ここから沢の流れに沿って登って行きますが、時折流れの中を歩いたりします。すぐに屏風岩への登り口がありますが、今日は挑戦しません。更に沢に沿って登って行き、水が無くなると植林地の中の緩やかな登りになりますが、日陰の道は雪が凍結していて滑りやすく、今日の北面の下りが思いやられました。植林地が切れると、明るい雑木林の急坂となって一気に稜線まで突き上げます。すでに雪の無くなった明るい道をじっくりつづら折に登って行きます。稜線直下で、六号橋からの道が合流、さらに登りついた稜線でも六号橋からの道が合流しました。稜線はすでに獅子岩(大黒岩)の基部のあたりでした。
獅子岩にも梯子や鎖を使って登ることができますが、今日は先を急ぐ旅でもあり、割愛しました。というのは、コースタイムを短縮していかないと、北麓の2時間に1本のバスに間に合わないのです。一般道は獅子岩のある稜線を右に巻いていき、岩を越えたところで再び稜線に出ます。その上の肩に展望のいい平地があったので、休憩をとることにしました。正面に獅子岩が見え、赤城や榛名の眺めのいい場所でした。
稜線は小さなピークを越えたあと、左に曲がり一旦下ってから、次のピークに登って行きます。南面の登山道ですので、時折雪が少し残っていても柔らかく問題にはなりません。登りついたピークは、柳木ヶ峰とあり、子持神社から登ってくる尾根道の合流するピークです。山頂へはこの先ロープもある急坂となり、木や岩角を掴んでよじ登っていく形になります。そして、これが最後の登りで、まだ雪に覆われている南北に長い山頂に到着しました。
山頂からの展望は申し分ありませんが、今日は残念ながら雲も多く、特に北の方はすっきりしませんでした。草津白根山のあたりや、武尊山は、白く輝いてはっきりと見えていました。東には皇海山が特徴ある山頂部をもたげて、かなり目だっていました。しかし、谷川周辺や日光あたりは今日は残念ながら白い稜線は雲と同化し、はっきりしませんでした。

3.下山

下山は北の小峠を目指します。北面は30センチ程度の積雪がありました。山頂から西に下ったあたりは尾根が平坦になり、雪の締まった楽しい道でした。すぐに小峠の分岐があり、硬い雪の上を下っていきます。一度車道が合流し、さわらび荘への道を分けると再び山道となりますが、このあたりは日当たりが良く、雪も柔らかく快適に歩けました。途中で、尾根を直進する道と、右に巻く道が分かれたので、植林地の巻き道をとったのですが、これが失敗。植林地の中の道は雪が薄くかつ凍っている部分が多くて、慎重に行かざるを得ません。道の上の斜面の雪の厚いところを歩いてもみたのですが、それでもつい油断して2回ほどコケてしまいました。やがて巻き道は終わり尾根から階段で降りてくる急斜面で合流しましたが、この斜面も凍っている部分が多く、慎重に降りました。そして、雪で埋まった林道に降り立ち、再び締まった雪道を歩いて車道が交差する小峠に出ました。
改めて時計を見てみると、バスの時間まで45分しかありません。コースタイムは1時間です。これは大変と慌てて出発しました。車道歩きも最初は雪があり、滑りやすく難渋しましたが、やがて雪が消え舗装路の下りになります。こういった道は足に応えるのですが、かまわず先を急ぎました。途中の旭開拓の集落は明るい裾野に作られ、意外と新しい家も何軒かあることに驚かされました。開拓地を抜けると、家もまばらになります。そして、ひたすら足を動かして、国道の寺尾バス停に出たのは発車5分前。40分で降りてきたということです。バスは時間通りに到着し、乗客のいなかったバスにたった一人の乗客となって沼田駅へと向いました。

かなり慌しい山行でしたが、変化があって楽しい山でした。獅子岩の風景や、雑木林の急登、山頂直下の急登など、とてもメリハリがあり、また美しい雑木林の多い山です。一方で北面はなだらかですが、この時期しっかり雪が残っていました。このあたりはお隣の小野子山も含め、まだまだ登っていない山がたくさんあります。春になるにつれ、登りやすくなってきますので、いろいろと訪ねてみたいと思います。

本文中の写真

  • 子持神社の広い境内
  • 尾根上から獅子岩を見おろす
  • 南北に広い山頂部
  • 山頂からの赤城山の展望

  • 参考図書・地図
    アルペンガイド奥日光・足尾・那須(1993年7月改訂第2刷)
    アルペンガイド筑波・那須・阿武隈(2001年4月第1刷)
    関東の山あるき100選(昭文社2002年1版)
    昭文社エアリアマップ 赤城・皇海・筑波(1999年版)
    25000図 鯉沢 沼田 上野中山 金井
    50000図 沼田 中之条

    利根川と子持山
    その他のコース
    子持神社の林道より、子持神社、五号橋、六号橋、七号橋、八号橋にそれぞれ登山口があり、左右の尾根に登れます。
    北面は、小峠、さわらび荘、そしてさわらび荘分岐からさらに車道で電波塔経由で登ることができます。
    交通機関
    沼田駅より関越交通 中山本宿行き「寺尾」或いは「子持山入口」下車
    詳細時刻は、関越交通をご参照ください。