福智山

900.6m

山域:福智山系
2002.11.16


金曜日の出張がかなり前から確定していましたので、あらかじめ会社の先輩に連絡をして、一緒に山に連れていってもらうことにしていました。数年前に会社を退職された女性の方です。当日は仲間を募っていただき、賑やかな豚汁山行となりました。

最近仕事の関連があって時々北九州に来るようになりましたが、それ以前はしばらく九州はご無沙汰でした。しかし、北九州は20代の時に丸2年間の時を過ごした場所ですので、来てみれば懐かしく、いろいろなことを思い出します。もちろん当時とは町並みもかなり変わってしまいましたが、前夜ぶらぶらと歩いていた時、良く行ったラーメン屋やスナックがまだあるのを見て、なんとなくほっとしたのでした。
翌日待ち合わせ場所に彼女は颯爽と外車で現れました。いやまあ綺麗なな車だねと思いつつ、乗せてもらって登山口へと向かいます。八幡西区役所の周辺は、まさにかつて住んでいた所なので、その後のこのあたりの変遷を語りながらの短いドライブでした。途中で同行者を加えつつ最終的には車2台となって、上野の登山口に着きました。
上野は陶芸の里なのですが、温泉も出るようになったとのことで、大きな温泉の施設が建設中でした。少し荷物を分担して、舗装路を歩き始めます。翠山荘を過ぎると車道も終点となり、山道に入りました。流れに沿った常緑樹の林で、この季節にしては、緑がとても多く感じます。やはり日本海側とはいえ、九州は暖かいのでしょう。虎尾桜への道を分け、美しい林を楽しみながらゆったり登ると、やがて水の音が消え、大きな堰堤を越えました。今日は意外にも気温が高く、かなり汗が噴き出しているので、このあたりで一息つきました。そしてさらに林の中を登ると、落ち葉に埋まった林道を横切りました。
林道を過ぎても美しい常緑樹の中の淡々とした登りが続きます。今日は雲っているので、茂った林の中は少々暗めです。緩やかな峠道を登り詰めていけば、やがて上野越です。広々と明るい峠には、数人の先客が休んでいました。
上野越からは尾根道となって、福智山へと進みます。常緑樹の道はやがて、落葉樹の森へと変わりました。見事な垂直分布の移り変わりです。落葉樹の森に変わったあとは急に明るくなります。道もゆったりとして、やがて小さな尾根を回り込んで行くと正面に福智山から北に延びる稜線が見えて来ました。
ここからは、意外と早く山頂直下まで着きました。車両進入禁止の看板があるのは、バイクの進入をお断りするためのものでしょうか。ここで、男性2人が昼食の準備に小屋に向かうことになりました。大変有りがたいことです。そして残った3人は山頂に向かいました。
山頂への最後の登りを行くと、八丁辻への穏やかな稜線がどんどん下になっていきます。この草原は素晴らしい眺めです。岩の林立する所を過ぎると、もう山頂でした。残念ながら雲っているので遠望は得られませんが、爽快な場所で、香春岳や平尾台などが見えます。香春岳を見ると、なぜか「織江の歌」を思い出し、青春の門が読みたくなりました。
山頂を楽しんだあと、小屋までの道は滑りやすい急斜面でした。ちょうどパラパラと雨が落ち始めて、よけいに滑るようです。そして小屋ではすっかり出来上がった豚汁が待っていました。皆さんにいろいろなものを持ってきていただいて、熱燗も入り、楽しい1時間でした。そして、その間になぜか外は本格的な雨になっていました。
帰路は雨具を付けて、小屋から巻道を通り、来た道に合流します。滑る足元に注意しながら、どんどん下ること1時間強。私がこの日飛行機で帰るので、皆さん急いでくれたようです。下山の頃には雨も小降りになり、そのまま直方駅まで送ってもらい、感謝しつつ、再会を期してお別れとなりました。そして、私は篠栗線にのり博多へと向かいました。懐かしい風景がたくさん楽しめましたし、是非また来ようと思いました。

本文中の写真(順に)

  • 開けた峠となっている上野越
  • 伸びやかな福智山山頂


  • 記録

    日 程

    2002年11月30日(土)

    天 候

    曇りのち雨

    コース

    0950 上野 → 1000 上野登山口 → 1030 林道 → 1045 上野越 → 1130/45 福智山 → 1155/1300 避難小屋 → 1410 登山口 → 1420 上野

    福智山の山頂部全景


    参考図書・地図 その他のコース
    エアリアマップ 福岡の山々
    25000図 金田
    50000図 行橋
    広く親しまれている山ですので、多数のコースが整備されています。
    尺岳・香春岳方面からの縦走路
    内ヶ磯から3コース
    上野から、本コースの他に八丁経由のコース
    鱒淵ダムからの2コース
    等々...多数です。エアリアをご参照下さい。
    バス
    内ヶ磯及び、鱒淵ダムのある頂吉、頂吉越、尺岳の登山口となる竜王峡はバスがあります。
    本数はあまり多くありませんので、西鉄バスをご参照下さい。