舟伏山

 舟伏山 1040mm 小舟伏山 973m

山域:美濃の山
2001.4.1


ここのところあまりにも低山だったり、ちょっと苦労があったりしていたので、普通の距離を歩けて、道中苦労なく、かつ登って清々しい山に行きたくなりました。どんなところがあるのかなと本を探していて、舟伏山が目に付きました。これは私の両白山地デビュー(前衛ですが)でもあります。

1.登山口へ

岐阜の方に向かうには高速道路がどれも遠回りになってしまう。ということで、R23・R258で多度を経て、長良川の土手を羽島まで行き、岐阜市内を避けて尾西から関まで高速を使ってみた。3時間弱ではあるが、右に長良川左に霊仙山という風景も楽しめ、いいドライブであった。登山口のある神崎からさらに標識に導かれて、夏坂林道を経てあいの森の駐車場まで入る。林道の入り口付近の斜面には、ショウジョウバカマが咲き乱れており、春を見て嬉しくなった。

2.舟伏山

駐車場周辺にはトイレや水場などがあり、またルートの看板なども整備されている。東コースと西コースとで、周回できるようになっており、距離は長いが、いろいろとアクセントのありそうな東コースを登りにとることにした。
登山口から少し小沢に沿って進み、木の橋で沢を渡ると、山腹のジグザグ道となってどんどん高度を上げていく。ゆったりとした傾斜でつけられたており、歩きやすく、あまり疲れを感じない道である。一帯は植林地で陽は射さないが、木の間から、舟伏山の山頂付近は青空であるのが見える。しかし、空全体としては雲が多く、あの青空が続いて欲しいと思う。
やがて道は尾根に上がり、道標に導かれて少し進むと桜峠に出る。ここは東側に展望が開け、石仏が祀ってある日溜まりである。ここで、夏坂林道入り口からの尾根通しのコースが合流してきた。桜峠の先で植林は終わり、まだ冬枯れの雑木林の明るい林となる。相変わらずジグザグのゆったりした登りが続き、足に負担がこないので快調に進む。視界の開けるところからは遙か下に車を置いた登山口が見え、また南西の方には白い山々が見えているのは、伊吹や霊仙の方向であろうか。
みのわ平付近は平坦な雑木林で、ちょっとした窪地になっている。ここからしばらくはトラバース気味に雑木林を進んでいく。このあたりで、残念ながら頭上は暗い雲に覆われてしまい、ちょっと寒々として雰囲気になってしまった。再び、高度を上げ始めると、水たまり場の標識がある。行ってみたが足場が悪く、大きな岩の下から水が滴っているところがあった。さらに先に進むと何かあったかもしれないが、道が良くないので引き返してしまった。
さすがに、ここからは伏せた舟の底に上がっていかないといけないので、斜面は急になってくる。しかし道は歩きやすくつけられ、順調に高度を上げることが出来る。再び頭上に青空が見え始め、陽が射し込んできたので楽しくなってきた。そして斜面を登りきると、平坦な山頂部である。
山頂部に出たとたんあっと驚いた。今まで全く見なかった雪が、ここでは緩い傾斜に乗って一面の雪原になっていた。そして、雑木林の根元には、それぞれ丸く雪が溶けている。いつの間にか眩しい陽光が雪に反射し、いかにも春の雪原という風情である。この景色は今日の贈り物ということで、ありがたく戴いておこう。
山頂に向かう道はトレースがあり迷うことはないが、雑木林の中の緩やかな起伏の地形で、トレースが無ければかなり戸惑うだろう。
山頂は南北が大きく刈り開かれている。北側は山々が連なっているはずだが、近くの大白木山を除いては霞んでしまって見ることができなかった。晴れていれば能郷白山が大きく見えるはずだ。南の方は、濃尾平野へ繋がる緩やかな起伏がある。金華山も良く見えていた。山頂には2組のパーティーがいたが、それぞれに準備をして発っていく。陽が射していた空も、再びすっかり雲に覆われ、今まで見えていた北の山の雪雲に包まれてしまった。雲はこちらに向かっているので、やがて雪になるのだろう。寒々とした中で、山頂を後にした。

3.下山

小舟伏山へは、樹林の急坂を下ったあと、緩やかに登り返す。ここは特にどこが高いと解らないような山頂だが、南側が一段低い平地になっているのが面白い。
小舟伏山からは、登ったときと同じ様なジグザグの下降となる。ついにあたりに雪が舞い始めた。昨日で最後だろうと思っていたら、2日続きの雪である。雑木林を淡々と下って行くと、炭焼窯の標識と、阿弥陀如来の石像がある小さな平地に出た。ここは山県郡と本巣郡の郡界との標識もある。いつの間にか雪は止み、丁度対面になる桜峠の尾根はすっかり青空になっていた。
ここからは植林の中の下りとなる。これを一気に降りると流れに沿うようになり、道はだんだん広くなって、あいの森の駐車場に出た。その間にも青空はどんどん広がり、先ほどの雪が嘘のように雲一つ無い快晴となった。神崎まで下って降り返ると、丁度奧に舟伏山の平らな山頂が見える。快晴の展望を山頂から見られなかったのは残念だが、今日はいいハイキングができたと思った。

いつもは温泉に入らずせわしなく帰るのですが、なんとなく入りやすい雰囲気だったので、瀬見峡温泉で露天風呂から渓谷を見ながらゆっくりして行きました。帰路は、岐阜市内を抜けて、穂積から1号線まで一気に長良川の土手を走りましたが、さすがに1号線に出るところで渋滞してしまいました。多度で脇にそれた方がいいみたいです。しかし一般道でも往きと所要時間は大差ありませんでした。
今日は花にはもう少しという感じですが、確実に春になっていますね。美濃の山は、今回が初めてですが、アクセスの感覚が解ったので、通ってみたいと思いました。

本文中の写真

  • 山頂の雪原は木の根元から雪解けが始まる
  • 山頂から北の大白木山方面を見る
  • 阿弥陀如来の石像と郡界の標識



  • 記録

    日 程

    2001年3月31日(土)

    天 候

    曇り時々晴れ 一時雪 のち快晴

    コース

    1120 あいの森登山口 → 1145 稜線 → 1155/1200 桜峠 → 1220 みのわ平 → 1300/25 舟伏山 → 1335 小舟伏山 → 1400/05 阿弥陀如来 → 1430 あいの森駐車場

    神崎の集落から舟伏山を振り返る


    参考図書・地図 その他のコース
    アルペンガイド 鈴鹿・美濃
    昭文社 関西の山歩き100選
    25000図 谷合
    50000図 谷汲
    夏坂林道の入り口から真っ直ぐ尾根を登っても桜峠に出ます。
    バス
    新岐阜駅より
     塩後・谷合方面 行き 谷合で神崎(口)行きに乗り換え
     朝出ると、接続の関係で神崎着が13時頃となり、かなり苦しい。
     午後の登りは神崎口発となる。
    時刻表については、岐阜バスHPを参照願います

    温泉
    谷合の少し奧に、渓流を見ながら露天風呂が楽しめる、瀬見峡温泉がありますが、2001年5月末で閉館となります。
    温泉や観光のご案内は、美山町HPでご確認下さい。