金糞岳

1317m
山域:美濃
2001.6.9.



梅雨入りしたと思ったら、幸い最初の週末に晴れ間がやってきました。これを逃す手はないと、さっそく金糞岳に向かいました。四日市勤務も残すところあと1月をきり、こちらの山にいく機会も少なくなってしまうので、とりあえずピークハントです。

1.登山口まで

金糞岳に登るには、近江高山から中津尾を登るのが正統的なコースであるが、鳥越林道が鳥越峠を越えるまでに登山道と2度交差し、上の登山口まで車で行けば2時間とかからない。さらにインターネットを見ていると、鳥越峠へは岐阜県側から入ると舗装してあること、また、岐阜県側の鳥越峠の手前から小朝の頭の先に直接登るコースもあるとの情報があった。あまり紹介は無いが、わからなければ滋賀県側に回るつもりで、とりあえず坂内村から鳥越林道をたどることにした。
鳥越林道の周辺はタニウツギが満開で、緑の谷筋を薄桃色に染めていた。林道を大きくカーブを切りながら登っていくと、意外と楽に鳥越峠に着いてしまった。少し戻りながら登り口を探してみたが、結局見つけることはできず、峠を越えて近江側の登山口に回ることにした。
少し進むと舗装が切れ、道路舗装中で通行止のバリケードがしてあったが、早朝でもあり支障は無かろうと入らせてもらう。工事は7月いっぱいやっているようだ。近江側も舗装路になるのだろう。バリケードから1キロ足らずで登山口であり、峠あたりに車を停めて歩いても15分程度で着くと思われる。登山口は丁度工事事務所が建っており、下から登ってくると少し興ざめするかもしれない。早速準備を整えて出発した。

2.金糞岳へ

山道に入るとすぐに鬱蒼とした森になる。それもそのはず、いきなり山深い所からスタートしている訳である。道自体は良く踏まれ、掘れた感じである。しかし若干草木が被っていた。わずかで連状の頭という看板のある小さな切り開きに出る。少し下ると、再びすぐに登りとなり、見通しのない道を高度を上げていく。
蜘蛛の糸と朝露が気になる。道が緩やかになると、左に小さなヌタ場が現れた。少し緩やかな道を行くと、道は直角に左に折れ、再び淡々と高度を上げるようになる。これを登り切ると、切り開かれている小朝の頭に着いた。行く手に金糞岳が大きく見える。
小朝の頭から、金糞岳に向けて稜線を緩やかに下って行く。タニウツギが多くなり、その向こうに金糞岳が見える。しかし日の当たる道は朝露も多く、ズボンが濡れてきた。蜘蛛の巣は払いながら進んだが、蜘蛛とともに芋虫毛虫の類がよくぶら下がってきており、閉口する。小朝の頭から少し進んだところで、林道を示す小さな看板と、細い踏み跡があった。やはり岐阜県側からの道もあるようである。
緩やかにアップダウンしながら鞍部に降りていくと、わずかな植林があり、その後はブナ林に入る。薄暗い林の中の方がかえって歩きやすい。少しだけ傾斜も急になり、暗い林を登りきると、再び傾斜は緩んできた。しかし、山頂はまだその先に見える。
緩やかな道に出ると、あたりの風景が広く開ける場所に出る。岐阜県側の山並みが見えるが、遠くは雲の中である。このあたりは、背の低い灌木と笹が主体になり、ちょうど胸のあたりが朝露のあたるため、結局全身が濡れてしまった。ナナカマドの花がちょうど開いたところで、清楚で美しい。だんだん濡れてきて、もういいという気分になったころ開けた山頂に着いた。
山頂は広く切り開かれているが、周囲は灌木に囲まれているため、展望はそれほど開けない。少し高めの石に乗ったり、場所を工夫したりすると、遠くが見渡せる。ここからは白山や北アルプスまでも見えるものらしいが、さすがに梅雨時のこと、雲が多く周りの山を確認することはできなかった。ただ、金糞岳から北にのびる尾根は穏やかだなと思った。朝食をとりつつしばらく休憩したが、ハエが非常に多い山頂でもあった。

3.往路を下山

下山は往路をたどる。さすがに時間がたったので朝露は少なくなっていたが、小さな芋虫や毛虫が、服やザックによくついた。首筋をさわると2度ほどそれらを捕らえた。彼らはどうして糸を引いてぶら下がるのだろう。単に早く木から降りたいから?
小朝の頭に登り返すと、日が登るにつれて、ハエやアブが増えていた。蝶も舞っていた。しかし、時間が時間とはいえ、この山は静かだ。時折鳥の声はするが、静寂の支配する時間が多い気がする。ひょいと登山者に出会っただけでもびっくりしそうである。
連状の頭の手前で、左下に林道が見えてくる。1台バンが走っていった。もう9時である。工事の人が来たのかもしれない。連状の頭の先で今日初めての登山者に会う。そして深い森から唐突に飛びだすように林道に出た。工事の車やトラックが2〜3台到着してくるところで、そそくさとその場を離れ、鳥越峠の方に戻っていった。

金糞岳はゆったりとした大きな感じの山でした。行程はそういった訳で短いものにしてしまいましたが、それでも思ったよりよく歩いたという感じがしました。朝露と虫はけっこう鬱陶しかったので、今度は虫除けスプレーでも持っていこうかと思いました。

イワハゼタニウツギ ナナカマド

本文中の写真

  • ゆったりとした金糞岳
  • 金糞岳山頂の灌木
  • 小朝の頭に向けて下山する



  • 記録

    日 程

    2001年6月9日(土)

    天 候

    晴れ時々曇り

    コース

    0540 上の登山口 → 0548 連状の頭 → 0608/15 小朝の頭 → 0700/0745 金糞岳 → 0830/35 小朝の頭 → 0852 連状の頭 → 0857 登山口

    金糞岳とタニウツギ


    参考図書・地図 その他のコース
    アルペンガイド 鈴鹿・美濃
    昭文社 関西の山歩き100選
    25000図 近江河合
    50000図 横山
    近江高山側からは、
    ・二股キャンプ場より花房尾をたどるコース
    ・追分より深谷をたどるコース
    がありますが、いずれも道ははっきりしないようです。
    バス
    湖国バス
    長浜駅より近江高山行きで約50分。終点下車。
    登山口の追分まで1時間半

    浅井町のホームページ