棒ノ折山

 棒ノ折山 969m 長久保山 689m 黒山 842.3m
 岩茸石山 793.0m 惣岳山 756m
 山域:奥多摩

記録
 山行日1999年8月22日(日)
 ルート上成木バス停→小沢峠→黒山→棒ノ折山→黒山→岩茸石山→惣岳山→御嶽駅
 コースタイム1055 上成木バス停 → 1106/10 小沢峠 → 1200 長久保山 → 1245/55 黒山 → 1310 権次入峠 → 1320/40 棒ノ折山 → 1347 権次入峠 → 1402/10 黒山 → 1425 雨沢山 → 1515 名坂峠 → 1525/30 岩茸石山 → 1610/15 惣岳山 → 1710 御嶽駅
 天候曇り

夏休みも最後なり、もう一山と考えていたが、朝出遅れてしまい、近くてまだ登っていない山を考えた。そこで気になるけれど登っていない山の一つで、ハイキングコースとしても身近な、棒ノ折山を目指すことにした。

近郊の低山はこの時期は人が少ないだろうなどと考えながら、いつもの青梅線に乗り換えた。青梅から上成木行きのバスは、成木川沿いの成木街道を進み終点で下車。すぐ先が名栗へと抜ける小沢トンネルである。バス停前の地図によれば、エアリアと違って、トンネルの手前から右に上がる様になっていたので、それに従う。トンネル手前で右の舗装路に進み、行き止まりの手前に登り口があり、山道に入る。そして樹下の峠道をゆっくり登れば程なくベンチのある小沢峠に着いた。ここまでバス停からわずか10分ほどである。
小沢峠から黒山までは、いくつかコブを越えながらの稜線通しの道で、メリハリがある。また、暗い植林が基調の尾根ではあるが、ときおり、明るく美しい雑木林が現れたり、開けた伐採地があったりして、楽しく歩くことができる。コブを登ったり巻いたりしていくと686m長久保山という看板のかかった平坦なピークを通過する。このあたりはしばらくゆったりとした植林地が続きやがて、776mのピークに向けて大きく登る。ピークのベンチで少し休んだあと、馬乗馬場と言われる植林地の広い尾根を北側を巻き気味に進むと、最後の黒山への登りである。黒山山頂はベンチのある落ち着いた所で、樹間に岩茸石山への稜線が眺められた。また、ここまでの小沢峠からの尾根道は要所要所にベンチがよく配置され、一つ一つの登りは標高差100m弱で登りやすく、すれ違ったのは1人だけという、なかなか静かでいい道であった。

黒山から棒ノ折山を往復する。急な下りのあと、鞍部からじっくり登り返して、開けたところが名栗からのメインルートを併せる権次入峠である。ここからは家族連れや、若人も多く、急に賑やかになる。峠からは階段の道が続き、登り切ると開けた明るい山頂であった。ハイカーたちで大にぎわいで、若者から高齢者までいろんな人が気軽に登れていい山だなと思った。しかし、人が多ければ、声高な話し声もあちこちから耳に入り、やはり近郊の低山だと思ってしまう。そして、喧噪から逃げる様に黒山に戻る。ここで一息ついて、棒ノ折山の後では、ここは落ちついたいい山頂だと思った。

さて、岩茸石山までは、「関東ふれあいの道」の縦走である。空は再び雲に覆われ、時間の割には暗い中を行く。黒山から大きく下ったあと、ピークをいくつか登り返して、下った分を取り返すように登る。ガイドブックには、雨沢山の名があるが、本によって場所がずれており、どこかは明確には解らなかった。展望のいい伐採地などを通って、道は何度も何度も上下する。植林帯あり、自然林ありで変化に富んだ道で、スミレの種類が多いそうだ。だいぶん岩茸石山に近づいたと思うあたりで、左に成木への分岐がでてくる。少し下って大きく登り返し、そろそろかと思ったら、ピークから正面に岩茸石山の山頂が見え、また大きく下ってしまった。そこが名坂峠で、右の大丹波に下る分岐があるが、成木の方へは通行不能らしい。最後に今まで下り気味でずっと縦走してきた分を一気に取り返すように登って、黒山と40数mしか違わない山頂の岩茸石山に立った。
岩茸石山は北の方の展望が大変良く、今日歩いてきた尾根筋が全て見通せ、今日1日の行程楽しく復習できた。ここからは、以前歩いた高水三山の縦走路。よく歩かれた平坦ないい道を、惣岳山を経て御嶽駅を目指す。「もうすぐ5時です。外で遊んでいる子供は、家に帰りましょう」という放送が山の中に響く中を駅に向けて下っていった。

棒ノ折山は明るく展望が良く、このあたりでは、ひときわ高くて目立っている山だった。そして黒山は、落ちついた山頂で、静かな一時を過ごすことができた。低山とはいえ、変化に富み、静かないい山を楽しむことができた。


参考図書・地図
アルペンガイド奥多摩・奥秩父・大菩薩(山と渓谷社1992年8月第1刷)
東京周辺の山(山と渓谷社 1994年3月)
エアリアマップ 奥多摩(1994年版)
25000図 原市場・武蔵御岳
50000図 秩父・五日市

静かな小沢峠からの尾根道
その他のコース
・川井駅〜奥茶屋〜棒ノ折山
・名栗側より、有間ダム〜白谷沢経由、河又〜尾根ルート、湯基〜湯基入経由、落合〜仙岳尾根経由の複数のルート有
交通機関
東青梅駅から上成木行き
東京都交通局を参照下さい。



Nifty FYAMA 投稿文

上成木〜棒ノ折山〜御嶽駅

No.1999-22

夏休みも最後の日になりましたが、もう一つどこか行きたいと考え、ちょっと遠くの山を計画したのですが、朝は気合いを欠いて寝過ごしてしまったので、近くのまだ登っていない山を探しました。丹沢の方ですと、たくさんあるのですが、ここは一つ久しぶりの奥多摩の一角の未踏の山ということで、棒ノ折山にしました。

【日 程】99年8月22日(日)
【目 的】初めての山を登る
【天 候】曇り
【コース】1055 上成木バス停 → 1106/10 小沢峠 → 1200 長久保山 →
     1245/55 黒山 → 1310 権次入峠 → 1320/40 棒ノ折山 →
     1347 権次入峠 → 1402/10 黒山 → 1425 雨沢山 → 1515 名坂峠 →
     1525/30 岩茸石山 → 1610/15 惣岳山 → 1710 御嶽駅
【山 名】長久保山 686m 黒山842.3m 棒ノ折山 969m 雨沢山
     岩茸石山 793.0m 惣岳山 756m
【メンバー 】単独
【山 域】奥多摩
【参考書】ヤマケイアルペンガイド 奥多摩奥秩父大菩薩
     エアリアマップ 奥多摩
     50000図 秩父 25000図 武蔵御岳

夏はみんな遠くの山に出かけて、近郊の低山はこの時期は人が少ないだろうなと考えながら、中央線を立川に向かった。とりあえず棒ノ折山に登ろうと思ったが、いろいろルートが考えられる。(中央線に乗っている以上、名栗からのルートは放棄しているが....)立川駅で、青梅線の待ち時間に都営バスと西東京バスに電話したら、清東橋へ行くバスはすでに午前は無く、上成木へのバスは青梅で3〜40分待ちで乗れるとのこと。という訳で、奥多摩の山に登る駅としては初めての青梅で下車した。
駅前のハンバーガー屋で時間をつぶし、定刻通りバスに乗る。バスは途中東青梅駅の廻りを一周するので、こちらで乗った方が、電車代もバス代も安かった。成木川沿いの成木街道をバスは進み終点で下車。すぐ先が小沢トンネルで、その向こうは埼玉県である。
エアリアは細い道を進んでトンネルの先で取り付くようになっているが、バス停前の地図によると、トンネルの手前から右に上がる様になっていたので、そちらの道を選んだ。トンネル手前に右に舗装路が分かれ、すぐに終点になるがその手前から左に登り口があり、そこから山道に入る。樹下の峠道をゆっくり登れば程なくベンチのある小沢峠に着く。ここまでバス停からわずか10分ほどである。
小沢峠から黒山までは、ずっと尾根通しの道である。但し平坦な登り一方の尾根道ではなく、いくつものコブを超えていく道になっている。それなりにメリハリがあり、コブの先が大きく下らないのがいいところである。峠から急坂をいくつか超えると、尾根の北側を巻いていくところがあり、そこは暗い植林が基調のこの尾根中で、明るい美しい自然林となった。また、一部ちょうど伐採作業中の植林地もあった。コブを登ったり巻いたりしていくと686m長久保山という看板が平坦なピークにかかっていた。このあたりはしばらくゆったりとした植林地が続きやがて、776mのピークに向けて大きく登る様になる。久しぶりのちゃんとした登りで、この時ばかりは、こういう登りが無いとなかなか登り着かないんだよね..と思った。ピークにもベンチがあり少し休んだあと、広い尾根を北側を巻き気味に進み、やっと最後の登りとなる。登りついた黒山はベンチのある落ち着いた山頂で、樹間に岩茸石山の方が望まれる。先行者が1名休んでいた。ここまでの小沢峠からの尾根道は要所要所にベンチがよく配置されており、一つ一つの登りは標高差100m弱で登りやすく、またすれ違ったのは1人だけという、なかなか静かでいいルートだった。
黒山から棒ノ折山を往復する。急な2段の下りのあと、鞍部からじっくり登り返して、開けたところが名栗からのルートを併せる権次入峠である。ここからは家族連れや、山に遊びにきたという感じの若人も見え始め少し賑やかになる。峠から山頂まではずっと階段の道が続き、登り切ると広い山頂であった。
それまで曇っていたが、頂上にいると上空が晴れて、とても暑くなったので日陰のベンチに移動する。山頂はハイカーや家族連れの人たちで賑わっていて、若者から高齢者までいろんな人が気軽に登れていい山だなと思った。しかし、下界をそのまま持って上がってきた様な話題の声高な話し声が耳に入ると、やはり東京近郊だなぁと思ってしまった。
喧噪から逃げる様に黒山に戻る。ここでほっと一息で、本当に落ちついたいい山頂だと思う。ここからは、岩茸石山までの縦走路である。空は再び雲に覆われ、時間の割には暗い。黒山から大きく下ったあと、ピークを3つくらい登り返して、いままで下った分を取り返すように登る。ここが840mくらいの等高線で、黒山と同じくらいの高さがあるが、雨沢山だろうか..ガイドブックによれば、その後の750mあたりが雨沢山になっているものもある。展望のいい伐採地などを通って、道は何度も何度も上下する。植林帯あり、自然林ありで変化に富んだ道で、スミレの種類が多いそうだ。途中からずっと遠雷が聞こえており近づかないことや、雨の降らないことを祈る。かなり歩いたと言う気分になったところで、左に成木への分岐がでてくる。岩茸石山はもう近いはずだ。少し下って大きく登りもうそろそろかと思ったら、ピークから正面に岩茸石山の山頂が見え、また大きく下ってがっくり。そこは名坂峠で、右に下る分岐がある。成木の方へは通行不能らしい。最後は今まで下り気味でずっと縦走してきた分を一気に取り返すように登って行く。黒山と40数mしか違わない山頂である。ここが一番の登り返しである。
山頂は北の方の展望が大変良く、今日歩いてきた尾根筋が全て見通せる。1日の行程を復習するのは楽しい。が、頭上に電光が走り大きな雷鳴がした。いよいよ近づいてきたらしい。あまり標高が高くないし、まわりが林なので、そう恐怖はないが、若干開けっぴろげな岩茸石山の山頂は離れて、惣岳山への縦走路に向かう。ここからは、遥か以前に通った、高水三山の縦走路で、よく歩かれて平坦ないい道である。しかし、もう時間も遅いが、黒山を出てからほとんど人に会わない。静かな日である。(空は騒がしいが....)ザックの一番上におまじないの様に雨具を詰めなおして進む。惣岳山は、見覚えのある岩場を登って、やはり以前と同じ、金網にかこまれた祠のある頂上に出る。山頂には白人が2人座っていた。
「Good Luck!」と声をかけられて出発、あとは御嶽駅に下るのみ。どんどん高度を落とし、沢井への分岐に着くと、そこからは意外なことにしばらく登りの道が続くようになった。このころから遠雷となり、また少しあたりも明るくなってきて、普通の夕方となった。最後の下りは「もうすぐ5時です。外で遊んでいる子供は、家に帰りましょう」という放送が山の中に響く中を下っていき、駅についたら、ちょうどホリデー快速が出たので、次のを待つ間とラーメン屋に入りついでにビールも頼んだのであった。
棒ノ折山は明るく展望が良く、南から見るとひときわ高くて目立っているいい山でした。黒山から南へはほとんど人に会いませんでしたが、高水三山に出てからも、人にほとんど会わないのは意外でした。もう時間も遅かったからでしょう。雨は結局ふりませんでした。これはラッキーでした。