本仁田山

 本仁田山 1224.5m 瘤高山 1110m
 山域:奥多摩

記録
 山行日2013年3月23日(土)
 ルート鳩ノ巣駅→大根ノ山ノ神→瘤高山→本仁田山→安寺沢→奥多摩駅
 コースタイム1005 鳩ノ巣駅 → 1018 登山口 → 1055/1104 大根ノ山ノ神 → 1119 大ダワ分岐 → 1203 瘤高山 → 1223/36 本仁田山 → 1350 安寺沢 → 1425 奥多摩駅
 天候曇り

3月20日に久しぶりの山への復帰を果たし、その3日後の週末は天気が良いという予報でしたので、再び山に向いました。とはいえ、ブランクのあとどれだけ登れるか判らない状況でもあり、とにかくしっかり登れるコースということで、奥多摩の本仁田山を目指しました。

前回本仁田山に登ったのは92年12月のことである。四日市で山を始めてから東京に戻り、本格的に奥多摩に向い始めた最初の山であった。今回は当時と全く同じコースで、20年ぶりにどれだけ当時のことが思い出せるかという興味もあった。
鳩ノ巣駅から棚沢の集落を抜けて登山口までの急坂の記憶は確かにあった。しかし、それは川苔山からの下山の時、コンクリートの急な下りに足が悲鳴を上げていた記憶だ。集落を抜ければすぐに山道となり、植林の中をゆったりと登っていく。ペースの作りやすい道で、こういう登り始めはとてもいい。山腹をゆったり登る道は、大根ノ山ノの神で林道に分断されてしまう。これは記憶にないので、前回登って以降できたものと思う。移り変わりの激しい世の中で、20年の歳月は確かに長い。
登り始めは穏やかな春の日差しであったが、ここに来て空を雲が覆い、冷たい風が吹き始めた。これはちょっと予想外でがっかりである。更に植林の中を登っていく。しばらくはゆったりした歩きやすい道が続き、大ダワへの道が分かれると少し傾斜が増してくる。しかし、いいテンポができているので、淡々と登っていける。道はやがて植林から出て防火帯として切り開かれた尾根上に出た。このあたりで、左側の開けたところから、本仁田山の雄姿を大きく望むことができた。
防火帯の道はほとんど平坦な部分を過ぎると胸を突くような登りに変わり、一歩一歩踏みしめながら高度を上げていく。ここは頑張りどころであった。これを登りきれば瘤高山に到着、川苔山からの縦走路と合流した。
瘤高山は狭いピークであるが展望は良い。本来ならここで休みたい所であるが、かなり肌寒いのでそのまま進む。緩やかに下ったあと、鞍部は稜線の右側を渡り、最後の本仁田山の登りに取り付く。大根ノ山ノ神から休憩無しなので、大分疲れてきたが、まだまだ大丈夫そうである。急登を登りきると、筑摩山方面への下降点のピークを経て僅かで本仁田山の山頂に到着。10人程度の登山客で賑わっていた。山頂は東側に展望があるが、雲が垂れ込めており、残念ながらすっきりしたものではなかった。
前回登ったのは12月ではあるが暖かな日で、山頂もポカポカとして、また一人であった。その時は、山頂に立ったという清清しい満足感があったはずだ。今日は随分感じ方も違っており、山頂の満足感というよりは、むしろ大根ノ山ノ神からここまで一息で登って来られたという安心感であった。まだまだ登れるという安心感であった。
下りは大休場尾根で奥多摩駅を目指す。記憶には激しい下りとある。そして、実際も記憶のままである。立ち木につかまりながらどんどん高度を下げる。僅かな緩やかな部分で一息ついてまだ激しく下ることの繰り返しである。かなり下ったころ、道は尾根と別れ山腹をジグザグに下る道となる。この部分は植林の無い一枚の斜面であるが、崩れやすくまた滑りやすい。この部分は、歩きづらいというよりは、日射しの中に出て暖かいという記憶であった。しかし今日は違う。再び植林地に入ると下の方に民家の屋根が見えてきて、もうすぐ山道が終わると判る。民家の手前にある乳房観音に立ち寄り、僅かで車道に降り立った。今日は普通に歩けたことで満足であった。

安寺沢から奥多摩駅まではまだまだ車道の下りが続きますが、3日前で多少慣れた為かそれほどストレスは感じませんでした。奥多摩駅に近づくと草に覆われた奥多摩工業の旧鉄道跡を潜り、鱒釣場の清流と奥多摩工業の工場を見ながらということになりますが、このあたりは人工的な、多少異様な風景でもあり、またいつもと逆から奥多摩駅前に帰っていくのもちょっと不思議な感じがしました。登って下るだけならある程度歩けることは判りました。次なる課題は登ったり下ったりする縦走コースということかなと思います。

前回のコースタイム
1000 鳩ノ巣駅 → 1038/1046 大根ノ山ノ神 → 1148 瘤高山 → 1218/1305 本仁田山 → 1455 奥多摩駅
鳩ノ巣→山頂の2時間18分は、期せずして20年前と全くの同タイムであった。
山頂→奥多摩駅も、僅か1分差であった。人間歩くペースとは不思議と変わらないものである。

本文中の写真

  • 大根ノ山ノ神
  • 広々とした尾根の上の防火帯
  • 安寺沢の乳房観音

  • 参考図書・地図
    アルペンガイド奥多摩・奥秩父・大菩薩(山と渓谷社1992年8月第1刷)
    25000図 奥多摩湖
    50000図 五日市

    瘤高山への尾根からの本仁田山
    その他のコース
    一般コースとしては、川苔山から大ダワを経て瘤高山への縦走があります。
    他に、花折戸尾根などヴァリエーションルートがあります。