鹿倉山

 鹿倉山 1288m 大マトイ山 1178m
 大寺山

山域:奥多摩
1999.11.6


鹿倉山は、丹波か小菅からというアクセスの遠さのわりに、仏舎利塔とそれほど印象の強くない山というイメージがあり、なかなか足が向かなかったが、夜行列車で東京に帰る時には早く山に入れ、しかも適度な所要時間で下れるので丁度良く、奥多摩最奥のといわれるこの山に登ってみることとした。

土曜日なので、丹波行きのバスは奥多摩駅が6時台で間に合わず、大丹波峠に向かうもう一つのコースの小菅へと向かった。川久保のバス停で降りて、舗装路の峠道を丹波方面に向かう。宮川の流れに沿って行き、2つ目のヘアピンカーブに、鹿倉山へのコース地図の看板があった。壊れかけた看板なので、大丈夫かな?と思いつつ山道に踏み込む。しっかりしてはいるが、雑草が少しかぶっていて、あまり通る人が多くなさそうな植林地の道を、奥へと入っていく。三叉路になり、読めない看板があるところで右に折り返し、斜面を緩やかに登っていく。しばらくすると、植林の間から重機が見え、どうやって上げたのだろう....と思っていると、踏み跡が怪しくなり、すぐに未舗装の林道にはい上がった。たぶん、この林道は小菅からの峠道に、もう少し上で接続しており、そちらの方がメインの道ではなかろうか。林道を行くと程なく小菅〜鹿倉山の道標が現れ、導かれて林の中の広い道に入ると、すぐに大丹波峠に到着した。
峠からは、北に落ちる鹿倉尾根の主稜にとりつくべく斜面を登って行く。若い植林地のちょっと草の茂った階段の道を小尾根まで登ると、あとは、植林地の中をからんで高度を上げて行く。そして、はっきりした尾根に出て、自然林が出てくると、主稜線に達した様であった。鹿倉山までは、緩やかな主稜線のアップダウンで、特に左手の森は自然林で紅葉が美しい。右手は植林地であるが、1ヶ所だけ林が途切れ、展望が開けた場所があった。黒川鶏冠山の特徴的な山頂から始まって、大菩薩嶺・小金沢連嶺から大蔵高丸までの主稜線がきれいに見渡せた。また、大菩薩から丹波に向けて張り出す大きな尾根や、牛の寝などは、紅葉に染まって美しい。やがて、小さなピークに達すると鹿倉山まで20分の道標があり、そこから小さなピークを一つ二つ越えると鹿倉山の三角点のある山頂である。なだらかな山稜の中の狭い山頂なので、顕著なピークではないが、西側に展望が開けており、ここも大菩薩方面が展望できる。また、冠雪した富士山も見ることができた。
下山は、緩やかな尾根道を下っていく。鹿倉山の尾根の下りの、見るべきは紅葉の森である。北面は植林されず、広く自然林が保たれており、道は時折色づいた雑木林の真っ直中を下る。しかし展望には恵まれず、樹幹から三頭山などが見え隠れするのみである。踏み跡を辿ってかなり下ると、大寺山の仏舎利塔に出る。遠くから見ると、よく、目立つ塔であるが、周囲に資機材があるところや、仏像がビニールをかぶっているところを見ると、まだ完成してないということなのだろうか。
広場への入り口とは丁度反対側に少し藪のかぶった踏み跡があり、そこから尾根に沿って一気に下る。かなり急な斜面と痩せ尾根を経て、最後は奥多摩湖の湖面が近づくことを励みに頑張ると、深山橋のたもとに降り立った。途中出会ったのは一組の夫婦のみ。快晴の土曜日にしては静かな山であった。



記録

日 程

99年11月6日(土)

天 候

晴れ

コース

0820 川久保 → 0845 登山口 → 0905/10 大丹波峠 → 1010/25 鹿倉山 → 1125 大寺山 → 1210 深山橋

稜線の紅葉の森


参考図書・地図
ヤマケイアルペンガイド 奥多摩・奥秩父・大菩薩
50000図 丹波
25000図 丹波・奥多摩湖