月夜見山

 月夜見山 1147.0m 倉掛山 1078m
 山域:奥多摩

記録
 山行日2014年5月3日(土)
 ルート奥多摩湖→小河内峠→月夜見山→風張峠→倉掛山→藤倉
 コースタイム0945 奥多摩湖 → 1024/27 水久保沢出合 → 1030 小河内峠登り口 → 1100/13 防火帯二俣 → 1147/56 小河内峠 → 1230 月夜見第二駐車場 → 1240/1300 月夜見山 → 1330 風張峠 → 1410 倉掛山 → 1445 倉掛 → 1520 落合橋 → 1530 藤倉バス停
 天候晴れ時々曇り

奥多摩の名の知れたピークでずっと未踏であった月夜見山。山頂直下が奥多摩周遊道路である為、敬遠していました。今回は前回の鍋割山同様、アプローチの容易な未踏の山ということで、連休初日に久しぶりの奥多摩を目指しました。

1.登山口まで

連休初日ということで、混雑を避けることもあり、千葉発全指定の快速山梨富士号(河口湖行き)を利用しました。全席売切れと放送されていましたが、立川までの乗車でかなり空席があります。満席は八王子以降のようです。立川からのホリデー快速おくたま1号は通勤ラッシュ並みの混雑でしたが、青梅で席を確保。奥多摩駅では丹波行きの発車する時間帯で人であふれていましたが、鴨沢西行きの臨時便が次々と出ていて、タイミング良く座って行けました。奥多摩湖で降りる人は数人という程度でした。
バス停から周囲の山々を眺めながら小河内ダムを渡り、そのまま奥多摩湖いこいの道へと入りました。いこいの道は現在雪害で全線通行止めとありましたが、支障はありませんでした。途中監視員の方に呼び止められましたが、通り抜けは出来ないが、山へ向かうのは大丈夫のようです。
今日のガイドブックは1994年版の東京周辺の山(ヤマケイ)と1998年版のエアリアマップ奥多摩。ここまで古くなると若干半信半疑ではありますが、違いが出るのも時の流れが感じられて面白くもあります。いこいの道を進み、水久保沢の入り江に向っていくと、大ブナ尾根の登り口があり、さらに道幅が狭くなり通常の登山道の幅になって直ぐに小さな橋を渡ったところが小河内峠への登山道でした。ガイドブック通りでした。

2.小河内峠へ

沢に沿って少し進むと、右に折り返していく登り口に出合います。この登りは広い斜面を広い幅で折り返していく道で、一気に高度を稼いで行きますが、結構きつい道でもあります。奥多摩の尾根道はこういうスタートが多いようです。上に行くほど折り返しの幅が小さくなっていきますが、ここは頑張って一気に登り切ります。だんだん傾斜が緩んできて、頭上が明るくなり、尾根上の切り開きに出ました。ここは今来た道と、尾根の先端への道の分岐にもなっていました。
ここから広い防火帯の登りとなり、しばらく緩やかな気持ちのいい道が続きます。しかしすぐ、防火帯は壁のような急斜面となります。斜面には踏み跡があったのでそのまま登ったのですが、横の樹林帯の中にも折り返して登る緩やかな道があったようです。しばらく、こういった形が続き、標識に従ったり、無いところは歩きやすそうな方を歩いたりしながら進んでいきます。左の樹林の中に向う道標に導かれると、防火帯から離れそのまま真直ぐ小河内峠に到着しました。小河内峠は今までの登りが報われるような、雰囲気の良い素晴らしい場所でした。もう花が終わりになりつつある桜の木もありました。思わず腰を落ち着けて少し休みました。

3.月夜見山から風張峠

小河内峠から月夜見山に向う道は防火帯を通ったり、ピークを巻いたりと若干のアップダウンを繰り返しながらの道でした。春の芽吹きの静かな稜線歩きが楽しめました。しかし、だんだん車やバイクの音が大きく聞えてきます。奥多摩周遊道路に近づいています。やがて防火帯の中の急坂の道になり、これを登り詰めると月夜見第二駐車場です。
月夜見山へ登り口は、奥多摩周遊道路を少し奥多摩湖側に行ったところにあります。再び山の中に入り、斜面の急な階段を登って切られた尾根に復活し、尾根をひと登りで山頂です。特に展望も無く、人があまり来ないという意味では静かな山頂ですが、下から聞えてくる音はかなり大きくうるさく感じます。若干落ち着かないところではありますが、しばらく休憩としました。
月夜見山から、風張峠への道に進みます。露岩を巻いて山頂から下ったあとは、小さなピークを巻きながら緩やかなアップダウンの道が続きます。途中2度ほど奥多摩周遊道路に出て車道を歩く部分があります。それ以外は尾根の右側の道を行くと風張峠です。奥多摩湖側への道は荒廃しているようです。ここから僅かな下りで再び周遊道路に出て道を渡り、倉掛尾根を目指しました。

4.倉掛尾根から下山

倉掛尾根は、持参した古いガイドブックには「明るい雑木林の中をたどる非常に気分の良いところで、コースのハイライトだ」とあります。まずは、電波塔の横の広い道に上がって、下り始めますが何故か右に下から車道が上がってきています。登山道も妙に藪が濃くなり、車道に合流してしまいました。こんなはずじゃあ..と進みますが、登山道は車道に出たり入ったりで、所々藪がかぶさり鬱陶しいことになっています。このガイドブックの書かれた頃はこの林道は無かったのでしょう。それでも敢えて歩ける限り山道を進んでいくと、登山道から分かれて左に上る分岐がありました。倉掛山に登る道で、こちらはよほどしっかりした道です。倉掛山の山頂は、壊れたベンチがありなんとなく殺風景になっていました。浅間尾根の展望はまずまずですが。
倉掛山から元の分岐に戻り、再び敢えて登山道を進みます。このあたりから道幅も広くなりますが、藪もひどくなり、報われない道となってしまいました。車道に出入りしつつ挑戦していきましたが、道型もあやしくなってしまったのであきらめて車道を辿ると大きく回りこんで倉掛の集落に出ました。
倉掛の集落までは、デマンドバスが運行しているようでした。静かな集落の中を下りましが、意外と近代的で工場のような建物もあり、イメージした静かな桃源郷とは少し異なりました。ヘリポートの下を過ぎると車道は右に大きく回りこんでいきますが、これに従うとかなり遠回りになってしまいます。赤実線の道のある古い登山地図を見て、このあたりだろうと見当をつけて、車道が右に回りこむ少し上から落合橋への道に入りました。道標などは無いのですが古くからのしっかりした道の様子で、たぶんこれだろうと命運を託します。しっかりした道ですが、あまり歩かれていないような感じです。しばらく植林の中を下ると再び民家があり、車道を横切りました。ここでこの尾根で初めて藤倉バス停への小さな標識がありました。さらに下っていくと、いくつか民家が現れてきますが、人の住んでいない家も多いようです。そして古い道標のあるところで車道に降り、落合橋に到着しました。
あとは、山里の車道歩きを残すのみです。いろいろありましたが、終わり良ければすべて良しかな?と思いつつ下っていきます。陣場尾根からの道と合流すると藤倉バス停も近く、バス停への角を曲がると、丁度バスが発車しようとしているところでした。事前に時刻を調べていた訳では無いので、全くすごいタイミングでした。

今日は小河内峠への静かな道が素晴らしかったと思います。あちこちの山がごった返しているGW初日に峠まで人に会わないというのも奇跡です。倉掛尾根は残念なことになってしまっており、既に一般的な道ではなく、積極的な道標も皆無に近くなっています。その中でも倉掛から落合橋まで、奥多摩らしい山村の道を歩けたのは懐かしくとても良かったと思いました。

本文中の写真

  • 奥多摩湖と対岸の山々
  • 小河内峠への防火帯の道
  • 小河内峠から月夜見山への稜線
  • 小さな風張峠
  • 倉掛山山頂

  • 参考図書・地図
    東京周辺の山(山と渓谷社 1994年3月)
    エアリアマップ 奥多摩(1998年版)
    25000図 奥多摩湖
    50000図 五日市 猪丸

    明るい小河内峠
    交通機関
    奥多摩駅から奥多摩湖方面行き
    武蔵五日市駅から藤倉行き
    西東京バスを参照下さい。

    その他のコース
    藤倉バス停から
     陣場尾根を経て小河内峠への道があります。