古光山

 南峰 960m 北峰三角点 952.7m

山域:室生火山群
2001.3.31


朝から小雨模様でしたが、だんだん天気は良くなるという予想でもあり、先週あまり歩いていないので、とりあえず気になっていた古光山に行ってみました。しかし予想とは裏腹に春の雪の舞う中の山行となってしまいました。

1.登山口へ

四日市はまだ雨が降っていた。この天気がどう変わるかは解らないが、少なくともすぐには良くなりそうにない。亀山あたりに着くと、なんと山の木々に雪が積もって、かなり麓から白くなっていた。名阪国道も加太越えは雪である。上野から名張、香落渓と過ぎて曽爾村へ。車を停めると、まだ雨が車を叩く。しばらく待とうかとも思ったが、いつになるやらわからないので大峠に向かった。大峠に登る途中で雨は雪に変わり、なんと道にも雪が積もって轍になっている。3月の末日というのに、スタートから雪の中の山行となってしまった。

2.古光山

大峠には斎場がある。斎場のある峠の登山口というのは初めてである。全国にもそうはないだろう。雪の積もった階段を数段上がって斎場の横から植林の中に入る。ここは急坂を少しで抜けると一面の雪の斜面になってしまった。ここで困ったのは、真っ直ぐと左とが切り開かれていて道らしいのだが、すっかり埋まってしまって地面が見えないので、どちらが踏まれた正しい道なのか解らないのだ。斜めの道は新しい笹の切り開きだが、なんとなく地面がふわふわしているので真っ直ぐの道を上がって行く。急坂を雪に滑りながら登ると、斜めの道が合流してきた。今度は斜めの道を登ってみる。こちらは刈り開いたばかりという感じで、まだ踏まれた道という感じではないようだ。これを辿ると再び戻ってきて、真っ直ぐの道に合流した。
これからは直進の道を進んで行くが、ジグザグの道が離れては戻ってくる。やがて道標が出てくると、それはジグザグの道の方を示していた。やがて道も一つになり、落ち葉の上に積もった5センチくらいの雪に足を取られながら急登を進む。登りきると一旦平坦になり、今度は岩の出た急登を登る。滑らないように木を掴みながら行くが、すでに木も真っ白になているので手が冷たい。これを登りきると、あとは傾斜の緩やかな登りとなり、小さなアップダウンのあと、南峰の山頂に立った。
山名標には雪が貼り付いて払わないと読めなかった。ここは明るい山頂だが、もちろん今日は真っ白な世界しか見えない。雪は細かく降り続いており、山頂付近は10センチを越える積雪となっている。標識の「この先岩場」の標記に気が重い。
南峰からは急な下りである。木を掴むと凍っている。よく見ると雪が着くだけではなく、霧氷も成長していた。なんとか下ると、小さな岩塔を越える。僅かではあるが、岩の重なった上にこんもりと雪が積もった状態なので滑りやすく気が抜けない。これを過ぎると急坂を登り小さなピークに標識があった。あと山頂まで0.2kということらしい。再び急坂を下って登り返す。雪の着いた急坂は厳しく何度も足を取られる。しかしこれを過ぎると傾斜も緩くなって小さなアップダウンを経て三角点のある山頂についた。こちらは南峰より標高は低いが、古光山山頂の標識がある。だたし、展望はなく静かな山頂である。ここから後古光山までは0.8kとあるが、今度はかなりの長い急坂を下っていかないといけないので、予定通りここで引き返すこととした。あたりの風景は白一色。ザックにも雪が積もり、開ける気もせず。少し佇んでいた。

3.下山

今日の最大の問題は下山である。滑って落ちてしまうと、こんな時でもあり無謀の誹りを免れないので、慎重に行かねばならない。南峰まではヤセ尾根を木に掴まりながら慎重に行く。南峰からの下降は、まず上段の岩のでた急坂は慎重に降りたが、ここは雪が着かなくても降りづらいところだろう。下段の土の下降では、ついに尻餅をついてしまった。すると、落ち葉が混じった雪の上をツーッと滑ってしまった。ジグザグ道の分岐が出てくると、下山は迷わずそちらに向かう。しかし、きっちり踏まれた道ではないので、こちらは湿った土が時々崩壊して足をとられることとなってしまった。やっと植林地に入れば下山である。なにかと気を遣った山行であった。

この時期の雪は、あまり予期していなかっただけに、装備もお粗末でなんとか往復してきたという感じでした。真っ白な風景自体は何もなく、古光山はどうだったかと言われると、返事に窮すところもあるのですが、植林は最初だけでずっと自然林の中の急坂が続く、変化がある面白い山といったところでしょうか。今日に限っては、植林がない分しっかり雪が積もってしまったということになりました。展望はきっと鎧兜や、住塚山が見えるはずです。山頂には花の咲いたアセビがありましたが、すっかり葉も花も雪に閉じこめられていました。
帰路は名張あたりで陽が差し始め、家に帰るとすっかり青空に桜の映える天気となっており、いままで雪の山を歩いていたのが嘘のようでした。

本文中の写真

  • 雪の吹き付ける南峰山頂
  • 中間にある岩場の乗越
  • すっかり白くなった登山道



  • 記録

    日 程

    2001年3月31日(土)

    天 候

    コース

    0930 大峠 → 1005 南峰 → 1020/25 北峰(山頂) → 1040 南峰 → 1105 大峠

    別の日に屏風岩の方向から見た古光山


    参考図書・地図 その他のコース
    エアリア 赤目・倶留尊高原
    25000図 倶留尊山 菅野
    50000図 名張 高見山
    曽爾高原側から、長尾峠、後古光山を経て登ってくることができます。
    バス
    名張駅西口より
     山粕西 行き 曽爾村役場前下車
    時刻表・運行時期については、三重交通HPを参照願います