倶留尊山

 倶留尊山 1037.6m 二本ボソ 996m
 三ツ岩 891m 亀山 849m


山域:室生
2000.5.28


朝からの雨は夜になるとさらに激しくなり、先週も山に出かけられなかったので、各地の天気予報を眺めながら週末の過ごし方で悩んでいた。翌朝になると天気予報は曇りのち晴れに変わり、少しでも歩ければと、出かけることにする。太郎生に着いてもまだ雲が垂れ込め、倶留尊山も大洞山も見えず、覚悟はしていたものの、来てしまえば早い回復を願いながら山に向かって行った。

太郎生から、植林の中の道を走っていくと、急に視界が開けて広々とした池ノ平に出る。一段登った所にある、高原状の面白い地形である。高原を横切り、亀山峠への登り口付近に車を止めて、苔むした石畳の道の登山道にはいった。雨に濡れて雰囲気の出ている道は、緩やかに折り返しながら登っていくと、階段状の部分も現れるが、急な斜面に登りやすく道がつけている。ただ、暗い樹林の中の道は、垂れ込めた雲でよけいに暗く感じるのも事実である。
稜線直下までたどり着き、峠にポッカリあいた空間を見上げるとただただ真っ白で、残念ながらいい展望は期待できないのかと思った。ところが峠に立ってみれば、曽爾高原には霧がかかっておらず、広大な草原を見下ろせ、まずは来たかいがあった。駐車場付近から数人稜線に向けて登って来るのが見える。ただし、稜線は低気圧通過後だけに風が強く、であればこの風が早く雲を飛ばしてくれたらいい。
緩やかな稜線を歩いて亀山に立ち、振り返れば二本ボソの上の方は霧に隠れていた。再び峠に戻って、二本ボソに向けて登っていく。山頂直下から霧の中に入ってしまい、駐車場の方が霞んで見えるようになった。やがて樹林帯の中に入ればすぐ料金収受の看板があり、山頂の一角にある料金所の小屋では、老夫婦が番をしていた。入山料は500円である。
二本ボソ山頂からイワシの口に降りてみたが、下は真っ白な霧で何も見えなかった。この感じだと、本当は絶壁に立つという感じなんだろう。山頂からは、これから行く倶留尊山が正面に見え、この間は直線距離は近いが、間に深いキレットがあり、80m下って120m登るという勘定になる。霧の中に隠れていた倶留尊も、時間がたつとだんだんと姿を現してきた。
一旦下った鞍部あたりから、シャクナゲやツツジがでてくる。シャクナゲはもう花も終わりで、昨日からの雨にも打たれたようだ。登り着いた倶留尊山の山頂は広く開けており、ベンチがいくつか配置されていた。展望台の標識があったので行ってみるが、こちらはそれほど見る物は無いようだ。ただ、この間に一本の大きなヤマツツジの株があり、おびただしい数の花を付けており、これは感動ものであった。再び山頂に戻って休んでいると、時折空に青空がのぞくようになり、サッと陽も射しこみはじめた。確実に天気は回復に向かっているようだ。
西浦峠に向けての下りは、水をたっぷり含んだ笹がかぶっており、ズボンがすっかり濡れてしまった。急斜面の下りで木に掴まれば今度は水滴が落ちる。しかしこのあたりは、アセビなどの自然林で覆われ、樹林が素晴らしいところである。そして木漏れ日が差し込んできており、かなり晴れてきているようだ。
三ツ岩の分岐から小道を辿り三ツ岩に立てば、倶留尊山の絶壁が目の前に見える。ここからの眺めは、紅葉の時はきっと素晴らしいと思う。やがて道は植林地の中の下りになり、西浦峠へ降りると、涼しい檜の香りの風が吹き渡り、思い切り空気を吸い込んだ。さらに暗い植林の中の道をジグザグに下れば、全く青空になった眩しいばかりの池ノ平に飛び出し、連なる倶留尊の山々の偉容を眺めながら、午後の日差しの車道(東海自然歩道)の散策となった。そして再び亀山峠の入り口に戻ると、まだ時間も早いので、もう一度亀山峠を目差すこととした。
樹林の道も朝よりは明るく空気も軽い。亀山峠に登り着くと、は中学生の遠足で大賑わいであった。青空の下の爽快な曽爾高原を眺めながら、二本ボソの直下まで行ってみたり、亀山の手前のピークに行ったりして、最終的には期待以上の快晴の山を楽しむ事が出来た。そして、中学生たちも降りてしまい、静かになった草原のピークで、二本ボソや倶留尊山を眺めながら、日本ダービーを聞く。次は正面に見える、大洞山なども登りたいなと思いながら、最後は大満足で下山した。



記録

日 程

2000年5月28日(日)

天 候

曇りのち晴れ

コース

1030 亀山峠入口 → 1050 亀山峠 → 1100 亀山 → 1110/15 亀山峠 → 1135/50 二本ボソ → 1215/45 倶留尊山 → 1310 三ツ岩 → 1325 西浦峠 → 1350 池ノ平 → 1425 亀山峠入口
(1430 亀山峠入口 → 二本ボソ〜亀山周辺 → 1600 峠入口)

稜線から眺める二本ボソと倶留尊山


参考図書・地図 その他のコース
分県ガイド 三重県の山
エアリア 赤目・倶留尊高原
25000図 
50000図 
曽爾高原から二本ボソ・倶留尊山
古光山方面からの縦走 等
バス時刻(名張駅西口)
池ノ平方面 興津・敷津 行き 中太郎生下車
 7:25(日祝休)・8:55(季節)・9:50・10:50
曽爾高原方面 山粕西 行き 太良路下車
 8:00(冬・日祝休)・9:00・10:00(季節)・11:00
季節運行で、曽爾高原行きあり
 10:30(季節)
時刻表・運行時期については、三重交通HPを参照のこと