住塚山・国見山

 住塚山 1004m 国見山 1016m

山域:室生火山群
2001.2.25


土曜日は雨模様だったので自重し、多少回復した日曜日に山に向かいました。今回の住塚山は展望の山ということなので、是非天気には恵まれて欲しいのですが、そんなにうまくはいきませんでした。でもさすがに展望の山で、なかなか満足感のある山頂でした。

1.登山口へ

四日市を出たのは朝の6時半ころ。丁度夜明けで、背後から赤い日に照らされながら亀山に向かう。つまり、この時は晴れていた。しかし、鈴鹿の山は深く雲に沈み、天気は思わしくないらしい。亀山が近づくにつれて雲も多くなり、名阪国道の加太越えは、強風と雪の中の走行となった。先が思いやられる。
上野市から国道を名張へ。上野盆地は一転して快晴となった。この天気がもてばよいがと念じつつ、名張から切り立った岩の間の香落渓を通って、登山口の曽爾村に向かったが、そこは山あいらしく、残念ながら再び曇の中にあった。今日は、住塚山から国見山を経て、東海自然歩道経由で戻ってくる計画なので、登ってきた林道が、水平の長野線の林道に出会う三叉路のあたりに車を置いて、屏風岩に向けて歩き始めた。

2.住塚山

林道を緩やかに登って行き、長野からの道と合流した少し先で、若宮神社の下を通る。このあたりから、時々柱状節理の屏風岩を仰ぎ見ての歩きになる。屏風岩公苑は、閑散として誰もいないが、駐車場に1台車が止まっていた。足跡もあるので、今日は1人登った方がおられるのだろう。
屏風岩の下の広場のような公園を横切ると、登山道へと入っていく。すぐに宮城からの道に合流し、急坂を登っていくようになる。左手は植林したばかりで、獣よけのネットが張られていた。この登りは傾斜がきつく、足にこたえてくる。そういえば最近急登を歩いてないなと思う。最近1〜2時間の登りの山ばかり歩いているので、春から標高差の大きい山に向けてなんとなく不安になる。
この急登も15分で稜線の分岐に着いた。右に長野とあるのは、屏風岩の一の峰を越えていく道か。ここは左へと向かう。植林の中を一のぼりすると、そこからさきは明るい雑木林の道だった。
しばらくは緩やかにアップダウンしながらの登りである。このあたりから、再び雪が舞い始めた。道の上にも、うっすらと雪が積もっている。やがて、緩やかだった道も、再び急になり、山頂へと登っていく。道には時々露岩もでてくる。そして、周囲の木々には単に雪がついているのではなく、全体が白くなってくる。少し霧氷ができているのだろう。
急な坂を登りきって、山頂部の緩やかな登りを、少し歩いたところが、住塚山の山頂であった。展望のいい山頂のはずであるが、倶留尊方面すらガスで見えなかった。隣の国見山は良く見え、左に裾をひいて、なかなか形のいい山だと思った。

3.国見山

風とともに雪も激しくなり、国見山を目指して山頂を後にする。山頂から少し降りたあたりは、周囲の木が霧氷のトンネルになていた。一帯は、1センチ弱程度まで成長したものがびっしりついていた。場所によっては出来やすい所があるのだろうか。
鞍部のゼニヤタワまで下っていくと、いつの間にかあたりが明るくなっているのに気づく。僅か10分前までの風雪が嘘のように回りが晴れ渡った。樹間からの国見山も、青空の下で霧氷が白く光っている。これはいい!と、気分も軽くゼニヤタワに下っていく。「禍福はあざなえる縄のごとし」なんてことわざを思い出す。
十字路になっているゼニヤタワを通過し、急坂を国見山に向けて登る。前半は、植林の中の急な道で、後半は、雑木林の道になる。さて前半の植林を登りきったところで、周囲は明るくなるが、さきほどの晴天が嘘のように再び曇ってきた。「人生万事塞翁が馬」である。後半は露岩の多いヤセオネを行く。雪も着いて、滑りやすい。霧氷の木々を見ながら山頂へと登り詰める。国見山の霧氷は、山腹の西側が良く発達しているようで、白く輝いていた。
山頂からの展望は素晴らしい。正面は倶留尊山や古光山が大きく、また先ほど立った住塚山も良く見えている。しかしなんと言っても、高見山地が一望できるのが嬉しい。随分先に北に尾根をひく局ヶ岳があり、一目では局と間違いそうな、三角形の栗ノ木岳と修験業山、大きく盛り上がる三峰山から、一旦標高を落として、再び真っ白な高見山が輝く。それぞれの思い出もあり、なかなか飽きない眺めである。
奈良方面はよく晴れているので、あの晴れ間がこっちに流れてこないかなと、しばらく待っていたが、多少明るくなる程度であまり変わらないので、30分くらいで、山頂を後にした。

4.下山

クマタワへの道は急な階段の下りになるが、雪の着いた坂道は、階段がとてもありがたい。順調に下り、左側の開けたところから眺めると住塚山の北面が見える。こちら側は植林に覆われているようだ。階段は登りに転じ、これがなかなか長くひと汗かかされた。登り着いたところは松の山とあった。
再び階段の道を下ると、トイレのある車道終点のクマタワに降り立った。ここからは、東海自然歩道となり、車道を下っていく。この車道を下っている途中で、空が素晴らしい青空になってしまい、ちょっと口惜しかった。
この林道は非常に落石が多い。柱状節理が多い場所でもあり、落石しやすい地質なのかもしれない。済浄坊渓谷へと下る自然歩道と分かれ、車道に沿ってタワミ峠を越える。峠には神社があり、また、左手の方へと新しい林道が延びていた。峠を過ぎたあたりは見晴らしが良く、特に三峰山や古光山がとても大きく見えた。車に帰り着いてみると、再びかなりの雪が舞い始めた。

その後、雪の曽爾村を抜け、名張に入ると天気は良くなりましたが、上野市から名阪国道に乗るとまた雪、そして柘植からは晴れと、天気がめまぐるしく変わった一日でした。
室生の山はいつも高見山地の頂から眺めていたんで、逆に高見山地の展望を期待していましたが、全く期待通りの素晴らしい展望でした。このあたりには、古光山や、鎧、兜と、まだまだ登りたい山がたくさんありますので、これからも楽しみです。

本文中の写真

  • 屏風岩を見上げる
  • 住塚山山頂から見る屏風岩の裏側の峰々
  • 住塚山から鞍部への樹氷の道
  • 国見山山頂



  • 記録

    日 程

    2001年2月25日(日)

    天 候

    雪時々晴れ

    コース

    0855 林道分岐 → 0915 屏風岩公苑 → 0930 稜線の分岐 → 0950/1000 住塚山 → 1015 ゼニヤタワ → 1035/1100 国見山 → 1120 松の山 → 1130 クマタワ → 1200 済浄坊渓谷分岐 → 1205 タワミ峠 → 1210 林道分岐

    国見山から住塚山を振り返る


    参考図書・地図 その他のコース
    関西の山歩き100選(昭文社)
    エアリア 赤目・倶留尊高原
    25000図 大和大野
    50000図 名張
    鞍部のゼニヤタワへは、クラガリ谷の林道から登って行くコースと、東海自然歩道の室生側から登ってくるコースがあります。つまり、峠になっています。
    クマタワへは、東海自然歩道の室生からのコースが登ってきます。
    バス
    名張駅西口より
     山粕西 行き
     小長尾橋 または 長野下車 → 屏風岩方面
     曽爾横輪下車 → 済浄坊渓谷からクマタワ方面
    時刻表・運行時期については、三重交通HPを参照願います