鐘撞堂山

 鐘撞堂山 329.9m 羅漢山 247m
 山域:奥武蔵

記録
 山行日2001年2月10日(土)
 ルート寄居駅→大正池→鐘撞堂山→羅漢山→少林寺→善導寺→寄居駅
 コースタイム1050 寄居駅 → 1120/25 大正池 → 1135 登山口 → 1142 竹炭焼窯 → 1153/1220 鐘撞堂山山頂 → 1240 羅漢山登山口 → 1250 羅漢山山頂 → 1255/1300 羅漢山頂上広場 → 1310 少林寺 → 1330 善導寺 → 1355 寄居駅
 天候晴れ

週末は関東での休日で、素晴らしい天気の日でした。しかし、自宅を出発するのが遅く、奥武蔵方面の手頃な山ということで、東武東上線に乗りました。小川町で降りて笠山でもと思いましたが、 思いのほか雪が着いていそうなのと、バスが1時間以上先だったので、のんびりハイクと決め込んで再び寄居に向かい、鐘撞堂山に登ることにしました。

寄居駅前の合同庁舎はいきなり目立つ建物である。そこだけ都会の中のような違う空間だ。駅の北口から、ふるさと歩道という形で道標があり、大正池を示すそれに従って、しばらくは合同庁舎の前の整備された道を進む。道が細くなるところで右折し、次の交差点を左折していくと、古本屋の看板があったので、思わず帰りに読む本を求めて立ち寄ってしまった。
まっすぐ車道を進み、車の多い国道140号を渡ると、徐々に住宅地へと入っていく。あたりは住宅地から徐々山里へと変化していき、道端に雪もちらほら見るようになって大正池に着いた。大正池は潅漑用の小さな池で、湖畔にベンチもある。池の回りは人が落ちないように柵が張り巡らせてある。湖畔を一周できるのでぐるりと歩いてみると、一羽だけ浮かんでいたアヒルが一緒について回ってきた。
大正池から再び車道を辿る。人家も無くなり、雪の残る林の中の道を進むと、やがて登山道の入り口に着いた。登山道は充分に広い道である。この先に竹炭を焼いている場所があるらしく、道端には竹炭の宣伝がたくさんかかっていた。道のまわりも竹が多い。緩やかな道を少し登ると、炭を焼いている香りがして竹炭の炭焼窯に到着。今日も稼働している様子であった。
さらに緩やかに植林と雑木林の混じる道を登ると、やがて尾根上に出る。低山とはいえ山歩きの雰囲気の中を少し行けば、間もなく円良田湖からの道に合流した。ここから右に急な階段を登れば、たくさんのハイカーで賑わう山頂であった。
かつてこの山頂には、寄居鉢形城の出城があり、見張りがおかれ、鐘を撞いて急を知らせたという。山頂からは東側が開け、眼下に関東平野が一望でき爽快であった。また北の方は雑木林で、細い踏み跡が続いていた。ポカポカした小春日和の中、枯れ草の上に座って少し休憩した。
下山は分岐まで階段を降り、円良田湖方面に進む。分岐を過ぎるとしばらくは雑木林の良い散歩道が続く。それも程なく円良田湖の大きな標識とともに、尾根上から左に折れ、簡易舗装の道の下りとなるが、雑木林の風景はまだ美しく維持されている。このあたりは日陰の谷筋にあたり、道の上にも雪が積もり、まわりの林床も真っ白になっていた。
人家が見えると円良田湖への分岐があり、湖にはボートがたくさん浮かんでいるのが見える。ここを直進するとすぐに羅漢山への登り口であった。羅漢山への階段の道は、北面にあたり雪が積もっていて眩しい。登り切ると、道標は左へと少林寺に降りる道を示していたが、羅漢山の最高点は右のほうの様子なので、スズタケを分ける微かな踏み跡を辿ってみた。道は登るに従って明瞭になっていき、山頂直下の小平地に出る。ここはかつて小さな祠などがあったかもしれないなと思わせるような所である。その先に下から階段の道が上がって来ており、鳥居とキツネの石像に守られた石段がある。
この石段を登るとそこは山頂の平地だが、鬱蒼とした森の中で、周囲をぐるりと夥しい板状の石碑に取り囲まれていた。ここはなかなか異様な雰囲気である。一番奥の大きな石碑は御嶽山。その隣が八海山。そしていろいろ見て回ると、摩利支天や高尾山もある。ここは山の神様が一同に会したところのようだった。ここへの階段の道はどっから登ってきているのだろうか。またこの羅漢山の山頂はどういう謂れの場所なのだろうか。いろいろなガイドブックを取り出しても、コース通り行く阿弥陀仏のある平地を山頂としているので、よく解らなかった。
再び少林寺への道に戻ると、すぐに羅漢山の山頂とされる明るい小平地に出る。ベンチや四阿のある暖かいところで、阿弥陀仏の大きな石像があった。ただし、ここはそれほど展望には恵まれてはいない。山頂から少林寺へは、2つのコースがある。一つは五百羅漢の道、もう一つは千体荒神の板碑群の道である。以前大分の耶馬渓周辺の羅漢を見て感動したことがあるので、今日は五百羅漢の道を下ることにした。終始ゆったりと折り返しながら下る山道には羅漢さんが並んでおり、穏やかな表情を見せていた。
少林寺からは里山を眺めながらの駅までの道である。電車や貨物列車の行き交う秩父鉄道に沿って歩き、善導寺の前から渋滞しているR140に出た。そして陸橋をくぐり、朝見た合同庁舎を目印にしながら寄居駅へと向かった。

今日は本当に短い行程でしたが、充分里山を楽しんだという1日でした。何よりも天気が良かったのが一番でした。羅漢山の山頂の石碑群の由来がちょっと気になって、本屋さんで奥武蔵のガイドブックを見ましたが、ガイドブックの地図は山頂を通り(実際は道は通っていない)、解説の方は立ち寄っていないというものばかりでした。そういった訳でますます気になっています。

本文中の写真

  • 大正池より鐘撞堂山方面の展望
  • 鐘撞堂山山頂よりの麓の集落
  • 五百羅漢の並ぶ道

  • 参考図書・地図
    ブルーガイド 東京付近の山(1998年第1刷)
    分県登山ガイド 埼玉県の山(2003年改訂第2版)
    25000図 寄居
    50000図 寄居

    明るい鐘撞堂山山頂
    その他のコース
    山中のコースでは無いが、円良田湖から秩父鉄道の波久礼駅に歩くこともできる。
    交通機関
    このコースでは、バスの利用はありません。