武川岳

 武川岳1052m 前武川岳1003m 蔦岩山1004m
 焼山850m 二子山雄岳 882.7m 二子山雌岳 870m
 山域:奥武蔵

記録
 山行日1999年12月4日(土)
 ルート芦ヶ久保駅→二子山→武川岳→天狗岩→名郷
 コースタイム0725 芦ヶ久保駅 → 0845 二子山雌岳 → 0855/0900 二子山雄岳 → 0940/50 焼山 → 1027/36 蔦岩山 → 1052/1130 武川岳 → 1040 前武川岳 → 1215/20 天狗岩 → 1300 名郷
 天候晴れのち曇り

駅からアクセスの良い関東の名山を探してみると、奥武蔵の方にまだまだ登ったことの無い山々があった。その一つの武川岳は、かつて伊豆ヶ岳から見て、その穏やかさに一度は登ってみたいと思った山であった。

芦ヶ久保駅から降りると、夜明け前にかかっていた雲はすっかりとれて快晴となった。武川岳のコースは、ガイドブックには名郷からの北上で紹介されているが、今回は電車からのアクセスを考え、芦ヶ久保から南下していくことにした。駅から左手に線路沿いに歩き、線路の下をくぐるとすぐに山道となる。小さな尾根の末端を乗り越し、沢筋に降りると、あとは沢に沿っての緩やかな道を行き、しばらくすると沢は右に曲がって傾斜を増していく。やがて沢から別れると左の山腹に移り、小尾根に乗った後、二子山の肩へと登る。北面の登りは陽がささず肌寒いが、振り返る山々の南面は朝日に輝いて眩しく、山稜での展望が期待できる。
二子山の稜線に出る頃、右手に一瞬白銀の尾根かと見間違うような山が見えた。皮肉にもそれは武甲山の削られた山肌であった。稜線からは北の方の展望が広がり両神山が大きく、また遥か北に大きな白い浅間山が眺められる。ニ子山への登りは、一見広い尾根で快適そうだが、とりついてみると、とんでもない急登であった。かつてはの階段もほとんど崩れており、木に捕まりながら息を切らして登って行く。登りついた雌岳は展望が無く、急坂を下って再び岩混じりの急登を行き雄岳の山頂に立った。木の間越しに武甲山が見え、両神山もよく展望できた。
これより武川岳への縦走コースである。右手に見え隠れする武甲山を友に細かくアップダウンしていく。落ち葉で埋まった道はあちこちに霜柱があり、もうすっかり初冬である。左手に林道に下る道が出てくると、広くゆったりした道となり、再び急登をこなして、展望のある焼山の山頂に立った。振り返れば、二子山が2つのピークを掲げ、正面は武甲山の削られた面が全体像を見せていた。
焼山を過ぎると、未舗装の林道が左から接近してくる。登山道は林道に降りず忠実に急な登り降りを繰り返し、下るたびに、ピークを巻いた林道が横に寄り添ってくるのが、なんとも憎い。前方の高みへと一歩一歩進んでいくと、一面の伐採地に出て大きく展望が広り、正面に武川岳のゆったりした山頂部が現れた。蔦岩山のピークはすぐ先で、展望のいい岩のゴロゴロしたところであった。蔦岩山から武川岳へは葉の落ちた雑木林の中を気持ちよくゆったりとした道だった。
南面に開けた山頂で休んだあと、下山はまっすぐ尾根を下る天狗岩経由の道をとる。山頂から少し急坂を下るとすぐに前武川岳山頂の分岐となり、山伏峠への道を分ける。道標には、天狗岩コース上級者向きとあり、何が飛び出すかと期待しながら下っていく。少し下ると右がネットで仕切られた若い植林地となり、このあたりは大持山から武甲山の山並みと、妻坂峠の弛みが一望のもとに見渡せ、奥武蔵の次に登る山へと意欲を湧かせてくれた。そして、植林地の中に入り、以降天狗岩周辺を除いて、ずっと暗い林の中を行くことになる。天狗岩は、白い石灰岩のゴロゴロと積み重なったような急斜面で、いくぶん踏み跡が見分けづらいところもあるが、慎重に下れば天狗岩入り口の看板に着き、核心部も終わる。それからしばらく石灰岩のゴロゴロした尾根を歩くが、この尾根も末端では採掘がなされており、これも石灰岩の山の宿命である。
そして、植林地の中の踏み跡を忠実に辿ればやがて林道と交差するようになり、最後は車道の下りとなって名郷の西山荘の脇に出た。そこからバス停までは2〜3分ほど。店の前のベンチに座っての40分程の待ち時間であった。


参考図書・地図
ブルーガイド 東京付近の山(1998年第1刷)
昭文社エアリアマップ 奥武蔵・秩父(1996年版)
25000図 正丸峠 原市場
50000図 秩父

焼山付近から振り返る二子山
その他のコース
・山伏峠から武川岳へ
・妻坂峠から武川岳へ
・名栗少年自然の家から武川岳へ
交通機関
飯能から名郷または湯ノ沢行き
時刻表は、国際興業を参照願います。