蕨山

 蕨山 1044m 藤棚山 920.2m 大ヨケノ頭 771m
 山域:奥武蔵

記録
 山行日1999年10月24日(日)
 ルート名郷→蕨山→藤棚山→大ヨケノ頭→河又
 コースタイム0835 名郷 → 1005/15 蕨山(1044) → 1020/35 蕨山(1033) → 1052/55 藤棚山 → 1125/30 大ヨケノ頭 → 1205/15 金比羅神社 → 1245 河又
 天候晴れ

翌月に転勤ということもあり、関東では頻繁に山に登れなくなりそうなので、最後に通い慣れた関東山地のそのまた里に近い蕨山に登った。ガイドブックを見て目に付いた手頃な山ということで、特にといった訳はないのだが、それはそれで楽しみである。

飯能から名栗へのバスは、意外に本数が多い。明るく開けた名栗川沿いは、切れ目無く集落が続き、沿線人口も多い様である。ほぼ1時間で名郷に着き、このあたりの青空に浮かぶ里山を見たとき、「今日はいいぞ」と思った。
バス停から鳥首峠への道と別れ、戻り気味に蕨山への道に進む。すぐに川を渡り、舗装路をしばらく行くと、やがて舗装が切れるが、林道はなおも堰堤の多い沢沿いに続く。終点から右に降りて山道に入り、木橋で沢を渡って、沢に沿ってしばらく登って行くと一つ目のベンチがあり、先行者が休んでいた。私はまだ息も乱れず、今日はいい感じである。小沢を渉ると、今度は沢に沿って急登する。ここは、一気に急斜面を登って尾根まで詰め上がるところで、途中かなり急な階段も現れ厳しい登りである。暗い植林地の中を1歩1歩進むと、途中に2つめのベンチがあるが、単独の人が休んでいた。
急登をこなすと、明るい尾根が見え始めてひと頑張り。切り開かれた稜線に着くと、伊豆ヶ岳方面が良く見え、がぜん楽しくなってくる。尾根道は緩急繰り返して登って行き、植林から雑木林に変わって、明るく美しい。時々出る急登をこなしてかなり進むと、少し平坦になり、第3のベンチ。1時間歩いているのでそろそろ休みたいが、このベンチも見事に先人に占領されており、通過する。ゆっくりできるところがいいと、贅沢を言っていると、どうもいい場所が無いようだ。やがて、岩角、木の根に捕まって登る急登となり、頑張って這いあがると第4のベンチ。やっと小休止である。
後続も追いついてきたので、再び登りにかかると、ベンチから10分ほどで頂上稜線に着いてしまった。とりあえず、有間山側の1044mの山頂に行ってみる。防火帯の広い道を少し登ると山頂で、ここは、静かで誰もいず、2つベンチがある。少し、休んで1033mの山頂に向かう。下って登り返すことになるが、僅かな登りで、こちらは、たくさん人が休んでいる。ここからは、さきほどの1044mの山頂がなだらかに良く見えた。
さて、1044mが本来の山頂ということらしいが、標識はすべて1033mを蕨山としている。1033mの山頂に、蕨山1044mという標識があるのも紛らわしいが、古いガイドブックの写真を見ると、ここには、山頂に蕨山1033mという看板がしっかり立っている。どこでどう変わったんだろう
山頂の景観は結構木が繁ってしまって、よく見えないが、今は剥がれてしまった元方位盤上に立つと、有間山の稜線などよく見えた。やはり晴れていると、気分がいい。
下山は河又へと下る。この金比羅山への尾根は長く、また上部は雑木林主体のいい道である。山頂からしばらく、広い防火帯の下りを歩き、やがて別れると、小ピークを左右に巻きながらの下りとなる。少し登って藤棚山。ここには三等三角点があった。さらに下ると、露岩の上から、棒ノ折山、長尾ノ丸、日向沢ノ峰、川苔山、仁田山などが、ぐるりと見渡せる場所がある。いい展望である。大ヨケノ頭からの分岐は、通行禁止になっていた。後は植林が主体となり、ピークは巻きながら下っていく。小ヨケノ頭や金比羅山は気づかず通過し、金比羅神社の静かな境内に出た。そして、最後のひと下り。途中から眼下に名栗湖が見えはじめ、有間ダムに向かって下る新しい道ができていたが、そのまま樹林の中の下りにはいると、龍泉寺の横に降り立った。バス停まで少し車道を歩くが、ポカポカ陽気で暑いくらいだった。


参考図書・地図
ブルーガイド 東京付近の山(1998年第1刷)
昭文社エアリアマップ 奥武蔵・秩父(1996年版)
25000図 原市場
50000図 秩父

山頂から見る有間山の稜線
その他のコース
鳥首峠や有間山と繋げるほか、他に特筆する一般道は無いようです。
交通機関
飯能から名郷または湯ノ沢行き
時刻表は、国際興業を参照願います。


Nifty FYAMA 投稿文

蕨山で少しお別れ?

11月になると、転勤ということもあって、関東ではそう頻繁に山に登れなくなりそう..ということで、最後にどこかということなんですが、この時期綺麗な、日光の社山あたりが手頃?と思ったけど、引越がまだ片づかないままの、転勤なので、通い慣れた関東山地のそのまた里に近い山になりました。
蕨山は最後に相応しいかって、アイウエオなら、割引岳とか、悪沢岳とかまだあるぞ....というところですが、(ちなみにDBで調べると、椀名条山が2.5万の沢入の群馬県内にあって、ラストだった)歩き慣れたこのあたりのハイキングコースらしい山での締めでした。

【日 程】99年10月24日(日)
【目 的】天気がいいので、手頃な山へ
【天 候】晴れ
【コース】0835 名郷 → 1005/15 蕨山(1044) → 1020/35 蕨山(1033) →
     1052/55 藤棚山 → 1125/30 大ヨケノ頭 → 1205/15 金比羅神社 →
     1245 河又
【山 名】蕨山 1044m 藤棚山 920.2m 大ヨケノ頭 771m
【メンバー 】単独
【山 域】奥武蔵
【参考書】エアリアマップ 奥武蔵・秩父
     実業之日本社 東京付近の山
     5万 秩父 2.5万 原市場

1.登山口まで

朝、こっそり家を出て、武蔵野線でグルッと廻り、新秋津へ。越谷あたりからたくさん乗り込んできた人たちは、西国分寺が目当てで、新秋津で降りたのは僅かだった。でも、せっかく伊勢崎線沿線に住んでいるのなら、何もこの時期に奥多摩に来なくてもと思ってしまう。日光は紅葉の最盛期の様である。
飯能から名栗へのバスは初めてだが、意外に本数が多い。乗ってみて解ったが明るく開けた名栗川沿いは、結構切れ目無く集落が続き、沿線人口も結構多い様である。小沢峠を越えた成木側の方が、遥かに山深いようだ。
さて、約1時間で名郷に着く。青空に浮かぶ里山を見たとき、今日はいいぞ..と思った。

2.蕨山

バス停から鳥首峠への道と別れ、少し戻り気味に蕨山への道に進む。すぐに川を渡り、舗装路をしばらく行くと、舗装の切れるあたりで、10人くらいの団体が輪になって準備運動をしていた。しっかりした団体である。舗装が切れても林道は沢沿いに続く。堰堤が次々と現れる沢は、土砂が堆積して段々畑の様である。
林道終点から右に降りて山道に入る。木橋で沢を渡り、沢沿いに登って行く。バス停よりずっと10メートル前後の間隔で後ろから単独行者が歩いており、気になるが、どうもペースがぴったり合ってしまっているようで、気にしてオーバーペースにならないよう、意識してゆったり登っていく。
沢に沿って緩急繰り返し登っていくと一つ目のベンチがあり、先行者が休んでいる。私はまだ息も乱れていない。いい感じである。小沢を渉ると、今度は沢に沿って急登する。ここは、一気に急斜面を登って尾根まで詰め上がるところであるが、途中かなり急な階段も現れ厳しい登りである。相変わらずの暗い植林地の中を1歩1歩進む。途中に2つめのベンチがあるが、単独の人が休んでいた。
急登をこなすと、明るい尾根が見え初めてひと頑張り。切り開かれた稜線に着いた。ここからは、伊豆ヶ岳方面が良く見え、がぜん楽しくなってくる。尾根道は緩急繰り返しという形で登って行き、植林から雑木林に変わって、明るく美しい。
さて、時々出る急登をこなしてかなり進むと、少し平坦になり、第3のベンチ。もう1時間歩いているのでそろそろ休みたいが、このベンチも見事に先人に占有されており、通過。朝から何も食べていないので、ゆっくりできるところがいいと、贅沢を言っていると、どうもいい場所が無い。やがて、岩角、木の根に捕まって登る急登となり、頑張って這いあがると第4のベンチ。やっと休憩して、朝食のおにぎり1個である。
しかし、すぐに第3のベンチで休んでいた人が登って来たので、追いつかれる前にと出発すると、いつの間にかバス停から後ろに付いていた単独の人も再び追いついてきていた。休憩して体が返って重くなったなぁ....と思いつつ、最初のペースで登ると、休んだところから10分で頂上稜線に着いてしまった。
とりあえず、有間山側の1044の山頂に行ってみる。防火帯の広い道を少し登ると山頂で、ここは、静かで誰もいない。2つベンチがある。少し、休んで1033の山頂に向かう。下って登り返すことになるが、僅かな登りで、こちらは、たくさん人が休んでいる。ここからは、さっき行った1044の山頂がなだらかに良く見える。
さて、エアリアによると1044が本来の山頂ということらしいが、標識はすべて1033を蕨山としている。1033の山頂に、蕨山1044m.という標識があるのは紛らわしいが、古いガイドブック(ヤマケイ東京周辺の山1994年7訂版)の写真を見ると、今ほど木が繁っていない明るい山頂に、蕨山1033m.という看板がしっかり立っている。どこでどう変わったんだろう....
ガイドブックも1033を山頂としているので、そのまま金比羅山の方に下る人は1044に立たない人が多いかもしれない。
さて、山頂の景観は結構木が繁ってしまって、よく見えないが、元方位盤(ガイドブックに現役のころの写真が載っているが、今は剥げて何もない)の上に立つと、有間山稜線などが、よく見えた。やはり晴れていて、気分がいい。

3.下山

日向沢の峰への道に強く心を惹かれたが、下山が暗くなりそうなので、今日の所は、直に下る。この金比羅山への尾根は長く、また上部は雑木林主体のいい道である。
山頂からしばらく、広い防火帯の下りになる。高校生くらいの単独行者が駆け下りていく。羨ましいが今は私にはできない....あのころから20kgは増えている。しばらく行くと防火帯とは別れ、尾根道の下りとなり、道はピークを右に左に巻きながら下る。少し登って藤棚山。ここには三等三角点があった。
さらに下ると、露岩の上から、棒ノ折山、長尾ノ丸、日向沢ノ峰、川苔山、仁田山などが、ぐるりと見渡せる場所がある。いい展望である。ただし、稜線直下を林道が張り巡らされているが..
大ヨケノ頭からの分岐は、通行禁止になっていた。後は植林が主体となり、ピークは巻きながら下っていく。小ヨケノ頭や金比羅山は気づかず通過し、金比羅神社の静かな境内に出た。そして、最後のひと下り。途中から眼下に名栗湖が見えはじめ、有間ダムに向かって下る新しい道ができていたが、あまりダムには興味ないのでパス。そのまま、樹林の中の下りにはいると、龍泉寺の横に降り立った。バス停まで少し車道を歩くが、ポカポカ陽気で暑いくらいだった。

秋晴れの涼しい日に登る山は、やはり快適で気持ちがいいですね。いかにも、このあたりの山という感じの優しい自然がありました。
ところで、朝の電車は寒くて暖房が少し入っているくらいでしたが、帰りのバスに冷房が入っているのには驚きました。外の風を入れれば涼しいのに、冷房のおかげで寒いくらいでした。無駄なことです。
さて、転勤先は四日市市なので、鈴鹿を中心にぶらぶらすると思いますが、週末は実は結構、こちらに戻ると思うので、できれば相変わらず奥多摩や丹沢も歩きたいと思っています。どんな生活になるか、興味津々でもあります。