雪中千葉の山:八良塚(高宕山あたり)

昨日からの雪も降り積もり、高速道路もほとんど不通。わずかに走れるのは、中央・東関東・館山の3つだけ。せっかくだから新雪をかぶった千葉の山を歩いてみようと思って、館山道を南下し、先週と同じ清和県民の森まで、車を走らせました。かなり、酔狂な行動ですが、おつきあい下さい。


【日 程】 96年2月18日(日)
【目 的】 八良塚と、三郡山へ繋がる尾根道を歩く
【天 候】 雪
【コース】 1230 豊英バス停→1240奥畑(高宕山登山口)→1300八良塚分岐
      →1315/1325八良塚→1340八良塚分岐→1400郡界尾根→
      1430/1440お茶立場→1515/1530清和県民の森・ロマンの森(バンガロー村)
      →1545豊英バス停
【山 名】 八良塚 342m
【メンバー 】 単独
【山 域】 房総の山
【参考書】 ヤマケイ・分県登山ガイド千葉県の山


1.登山口まで(千葉〜豊英)

館山道はチェーン規制。スタッドレスのありがたさを感じながら、料金所を通して貰う。追越車線は雪が着いているところもある。スピードを出すと、さすがに轍の間のシャーベットが激しくタイヤに抵抗を示す。市原SAで休憩していると、観光バスの団体が寒そうにバスから降りてきた。予定は変更されなかったようだ。
国道410号に入ると所々真っ白い道になってしまう。最初は御殿山でもと思って、峠を越えて安房側に出たが、思ったより安房地方は雪が少なそう。せっかくだから比較的雪の多そうな、主稜線の北側の高宕山あたりを歩くことにし、前回来た時に、行きそびれた八良塚を目指すこととした。そして、状況によっては郡界尾根を行ける所まで歩いてみるという不確定要素付きとした。
奥畑の登山口まで車で入るが、車を止める所が良くわからず、豊英のバス停まで戻って駐車。奥畑の登山口を見た時、今日はトレールが無いことを確認。せっかくだから、誰も踏んでない雪にこしたことはないのである。
登山口まで歩いて行くと、なんと少し前を登っている人を発見。車も登山口のすぐ下に止めてある。雪で良くわからず、畑だと思っていたちょっと広い所だったのだが、なんだ車が止められるのでは無いか....1番のりとはいかなかった。

2.登山口〜八良塚

とにかく、先行者の足跡を辿ってどんどん歩く。関東ふれあいの道で、ここから高宕山を経て、鹿野山まで続く道である。階段もあるが、それらもほとんど雪の下である。それほど急な登りはなく、尾根を巻くようにゆるやかに登っていく。そして、ついに先行者に追いついてしまった。「どうぞ」と道を譲ってくれたので、思わず「あっ、いいんですか」なんて、変な返事を返してしまった。(^^;;;;
そこからは、ずっと誰も歩いていない雪道。快調に登る。雪は10〜20センチ程度で時折、靴がすっぽり入ってしまう程度。楽しい楽しいと思っているうちに、八良塚分岐に到着。ここから、八良塚を往復する。
登りはそこそこの急登になる。さすがに息が切れてきた。真っ白な道を時々雪の重みで垂れ下がった木が塞ぐ。やがて、ベンチのある展望台を通過し、緩やかな登りになると八良塚の頂上である。
ここは、頂上といっても森の中の、回りより少しだけ高いところという感じで特に展望があるわけでなく、広く刈られている訳でもない。八良塚の説明の看板が無ければ、知らずに通過してしまう山道の途中の高い所である。ここで少し休憩した。
直進すれば、林道に降りて終わりってことになるので、来た道を引き返す。頂上直下に八良塚の小さな石の祠がある。どこにも八良塚って書いて無いぞと思って祠の前の雪を掘り返してみたら、文字が出てきた。ついでにお供えのワンカップもすっかり雪に埋まっていたので、前面はとりあえず雪をどけておく。ちょっと吹き溜まっていたので、20センチくらい埋もれていたようだ。
登って来た急坂を再び降りて分岐に戻り、高宕山方面に進む。先ほどの先行者は、とっくの昔に通過してしまっているため、再び足跡を辿りながらの歩きである。

3.郡界尾根〜ロマンの森へ下山

八良塚分岐から10分程で、道は直角に右に曲がる。郡界尾根に突き当たったのである。左へは踏み跡(雪なので道型)があり標識はないが、郡界尾根を経て三郡山までの道である。この時間から三郡山まではちょっと遅いし、そんなにはっきりした道標があるわけでもなく、雪で初めての細い道は不安でもあり、とりあえず、お茶立場まで、様子見をかねて歩き、清和県民の森に降りることにする。次回は必ず通して歩くぞと思いながらの雪中散歩である。
ただここからは、整備された一般コースではないので、今まで立派だった道は急に細くなり、雪の重みで覆い被さる木や倒木を避けながらの歩行となる。また、結構、尾根筋とはいいながらも、くねくねと複雑の回り込んだりするので、ややもすると直進して、枝尾根に登って行きそうになる。薮が雪の下になっているので、始末が悪いのである。それでも道型を辿り、赤テープを見つけながら進んでいく。道はピークをほとんど巻いて右に左にと進んでいくが、巻き道では積雪も多く感じ、20センチ以上あるぞと思う。
巻き道は急斜面に付けられた狭い道もあり、落ちたくないので、かなり斜面の山側に寄って歩いていった。これだけ、急だと落ちたら登ってくるのが大変そうなのである。それでも、岩の出た所ではさすがに、滑ってズルズルといってしまった。ただ、ロープが渡してあったのでしっかり握っていた。そんな道を歩いているので、上からは覆い被さる木の雪の落下攻撃にあい、斜面は木をつかむため、雪が落ちてきてしまい、頭の先から濡れネズミになってしまった....
やがて、お茶立場と思われる所に着く。木に巻いたテープに「←三郡山」小さく書いてある。「←高宕山 清和県民の森/森林館→」という小さな標識もある。とりあえず、ここから下ることを決め、雪の上に腰を下ろして休憩。ここからの下りは、テープも標識も無く道型を辿る。そこそこはっきりしているので、道がわからないってことはなかった。一カ所、岩を1mくらい降りる所があったが、ここはさすがに落ちたら怪我をしそうだったので、慎重に降りる。道はやがて植林地の真ん中を突っ切るようになり、そこを抜けるとなんと、すぐ下に、ロマンの森の施設やバンガロー村があった。ということで一安心。でもまだまだ着いた訳ではなかった。
ホイホイと歩きやすい方へ下っていくと、桧を植えたばかりの広いエリアを下っていた。桧の若木は雪に埋まっているものもあるので、踏みつけないように頭を出しているものから間隔を類推して歩く。バンガロー村が近くなったなと思ったらいつのまにか国道のトンネルの上に立っていた。これでは降りれそうもないので、高い所まで引き返し、再度トライ。でもやっぱり降りれない。もっと高い所まで登ってからおりると、何となく薮の中を歩き、バンガローの裏に降りた。そこには看板があり、「危険につき立入禁止」とある。どこで、間違えたか、どこかにちゃんと降りられる道があるはずだと思う。

4.帰り

ロマンの森の施設には、今日はさすがに誰も居ない。屋根付きのバーベキュー場でゆっくりくつろぐ。誰も居ないと思っていたら、事務所から管理人さんが覗いていた。国道に降りて、トンネルをくぐる。少し歩くとすぐに最初に登った登山口があらわれる。ずいぶん南下したつもりだったが、実はぐるりっと回っていたのであった。

始終充分な雪があって、ほとんど誰も歩いていない雪を踏みながらのハイキングを楽しみました。今日は、行き当たりばったりで、出たとこ勝負で歩いていましたが、そろそろ一気に尾根を通してみたいなあと思う様になったので、今度はちゃんと2万5千図で研究して行こうと思います。やっぱり、雪の日に、初めての道で、こんな歩き方はマズイですね。反省。

注:この記録は1996年に書いた物をそのまま掲載しています。