苗場山

 苗場山 2145.3m
 山域:上信越国境

記録
 山行日1995年8月13日(日)
 ルート小赤沢コース三合目→苗場山(往復)
 コースタイム0550秋山郷小赤沢コース三合目→0805山頂部平原→0855/1005苗場山頂→1305三合目
 天候晴のち曇

苗場山は素晴らしい山である。私の最も好きな山の中の一つである。その大きなどっしりとした山容、豊かな自然、頂上に到達したときの大きな感動、それらは確かに他をもって代え難いものだ。盛夏のころ秋山郷から頂上湿原の期待を胸に苗場山へと向かった。

秋山郷から小赤沢コースの三合目まで車で入り、車内で仮眠し夜明けを待った。早朝出発、登山道は樹下の涼しい道で四合目・五合目と標識があり次までの所要時間を表示してあるので、登りの目処がつきやすく気分的に楽であった。六合目の手前から傾斜が急になるが、比較的涼しい道で次の標識を目標としてがんばると程なく八合目。ここでは九合目まで40分とあり、さあ最後の登りだと気合いをいれて出発したがすぐに笹原となって10分で山頂部の湿原に飛び出した。そこには大感動の光景が広がっていた。本やテレビで見た評判通りで、いや実物は百聞は一見にしかず、評判以上の風景であった。
頂上部に着いた頃は青空が広がっており池塘が空の色を写して青々としていた。ワタスゲの白い穂も緑のなかで美しい。陳腐な言葉ではあるが天上の楽園とはこういうところのことをいうのだろう。秋山郷からはいると山頂まで湿原を端から端まで横切ることになり、充分堪能できた。途中で森の中を抜けるが再び広々とした平原を緩やかに登りながら進み頂上に着く。小屋で食事を頼み休憩する。
途中から雲がわき上がってきて少々怪しくなっていたが、降るまでは至らず近くの山が展望できる程度の見晴らしである。帰り道は途中所々にある木道脇の木の休憩所で横になって休む。まわりが比較的涼しいなかで、木が太陽の熱を吸い込んでポカポカしていて最高に良い気分であった。後ろ髪をひかれながら山頂の湿原を去るとあとはひたすら三合目をめざす。雲もだんだん厚くなってきて、途中から山頂部は霧のなかに消えてしまった。
苗場というと、都会に住む者としてはスキーリゾートを連想してしまう。しかし、苗場山はその喧噪からは隔絶した深い山の中の楽園である。この自然が観光目的で開発されることなく、今の姿をいつまでも保ってくれることを願ってやまない。


参考図書・地図
アルペンガイド上信越の山(1994年9月第1刷)
25000図 苗場山
50000図 苗場山

苗場山頂上部の池塘
その他のコース
和田小屋〜神楽ヶ峰〜苗場山
元橋〜赤湯〜苗場山
見倉〜小松原〜神楽ヶ峰〜苗場山
交通機関
小赤沢までは、越後湯沢駅〜急行「森宮野原」行き「津南」乗換え、「和山温泉」行き「小赤沢」下車。
詳細時刻は、南越後観光バスをご参照ください。


Nifty FYAMA 投稿文

秋山郷から苗場山に登ってきました

初めまして。自己紹介はまだ書き込んでないのですが、好きな山のフォーラムを見つけたのでたので、先日の8月13日に日帰りで苗場山に登ってきたのをまとめて報告します。
私は、6月頃、パソコンとモデムを買って、Niftyに加入したばかりの新入りですがよろしくお願いします。
さて、今年は今まで、新しく買ったパソコンとそれから競馬に興じていたために、山のほうはとんとご無沙汰していまして、夏休みにやっと重い腰をあげた次第です。今年の8回目の山行ですが、ほとんど近所の房総の300mの山をうろうろしていただけなので、半分体力がもつかどうかの半信半疑の山行でした。
というわけで、最も歩行時間が短い、秋山郷からの道を選んだわけです。
【日 程】95年8月13日(日)
【目 的】秋山郷から苗場山
【天 候】晴れのち曇
【コース】0550秋山郷小赤沢コース三合目→0805山頂部平原→0855/1005苗場山頂→1305三合目(ピストン)
【山 名】苗場山 2145.3m
【メンバー 】妻と2人
【山 域】何と表現したら良いか教えてください
【参考書】ヤマケイ・アルペンガイド上信越の山

1.登山口まで(千葉〜秋山郷・小赤沢三合目)

前日の19時頃千葉を出発。時間帯のせいかお盆のラッシュにもかかわらず道はすいていて快調。関越道塩沢石打インター・津南町経由で翌日午前1時ごろ秋山郷にはいる。
秋山郷から小赤沢コースの三合目までの道は、最短の道路が通行止めで大きく迂回することとなる。道はダートだが、それほどひどくはないので、乗用車でも充分通行できた。
三合目には車が5台ほど止まっていた。たぶんこのスペースだと30台は駐車可能。立派なトイレもある。翌朝まで車内で仮眠。

2.登り(小赤沢三合目〜山頂湿原)

0550に駐車場発。8月なのに肌寒い。昨晩より車が増えていた。
四合目・五合目と標識があり、次の標識までの概略時間がかいてあるので、何と登りの目処がつきやすく楽なのであった。六合目の手前から傾斜が急になるが、比較的涼しい道で、次の標識を目標としてがんばると程なく八合目。ここの標識には、九合目まで40分とあるので、さあ最後の登りだとじっくり休んで気合いをいれて出発すると、すぐに笹原になり10分で山頂部の湿原に飛び出してしまった。
そこには、わーっと感動する風景が広がっていた。本で読んだりした評判通りで、・・いや実物は、百聞は一見にしかず。評判以上であった。8合目〜9合目は40分もかからず、15分程度。だが風景に25分見とれてしまう、といった計算なのかもしれない。

3.山頂湿原にて

取り付いて最初の頃はまだ青空が広がっていて池塘が青々として美しかった。ワタスゲの白い穂が緑のなかで美しい。陳腐な言葉ではあるが、天上の楽園とはこういうところのことをいうのだろう。
秋山郷からはいると、山頂の湿原を端から端まで横切ることになり、充分堪能できた。途中で森の中を抜けるが再び広々とした平原を緩やかに登りながら進むと山頂の小屋についた。今日は、水と食料を持ってきたものの、火を忘れてきたという失態をしていたので、遊泉閣でラーメンを頼んだ。
天候は途中から雲がわき上がってきて少々怪しくなっていたが、降るまでは至らずおおむね良好で、近くの山が展望できる程度には晴れていた。帰り道は途中に所々にある木道脇の木の休憩所でトカゲになる。まわりが比較的涼しいなかで、木が太陽の熱を吸い込んでポカポカしていて最高に良い気分であった。

4.下山

後ろ髪をひかれながら山頂の湿原を去るとあとはひたすら三合目をめざす。雲もだんだん厚くなってきて、とちゅうからは山頂部が霧のなかに消えてしまった。1305駐車場着。車は増えていた。

5.帰路(秋山郷〜切明温泉〜志賀高原〜草津白根山〜軽井沢〜千葉)

切明温泉は300円である。安いと思う。温泉は詳しいことはわからないが、野沢温泉に似た湯だった。
秋山郷から林道を通り奥志賀林道へ抜ける。志賀高原を北から南に南下するが、夏のスキー場はいつも何となく納得のいかない風景だと思う。
夕方草津白根山着。湯釜を往復する。日が暮れる前に間にあった。一日のうちに苗場山に登って、草津白根山の湯釜をみる。贅沢である。
草津温泉に未練を残しながら、さりとて2度温泉にはいる気もせず、またここまで下りてきてさらに、宿を見つけて泊まろうという気もおこらず、下仁田まで下りて関越経由で千葉まで走った。全体として、やはり贅沢な山行なのであった。



もともとの予定では、せっかく秋山郷まできたので、翌日対岸の鳥甲山に登ることも考えていたのですが、久々の山行の疲れと、苗場山の感動が大きすぎたので、鳥甲山はとりあえず見送りにしてしまいました。・・・もったいないといえばもったいないのですが。
結局次の日も休みなので我慢ができず昼から車をとばして、日立の阿武隈の竪破山に登ってしまいました(ただし、歩行時間往復1時間半)。結果的には信州に滞在したほうがよかった・・・・・?