越後駒ヶ岳

 越後駒ヶ岳 2003m 小倉山 1378m 道行山 1298m 明神峠 1236m
山域:越後
2001.9.30.



今回の山行の2日目は越後駒ヶ岳ということで、そのために宿泊を銀山平にしていました。しかし天気が危ぶまれていたのと、長いコースタイムを気にして、行こうか行くまいかと出発前から逡巡していたのですが、巻機山が意外と楽に行けたことと、前日の午後はよく晴れて、当日もなんとかもちそうな雰囲気だったので、気分良く向かうことにしました。しかし思った通りのロングコースでした。

1.小倉山へ

前日バンガローのご主人から、散歩コースだよと勇気づけられた。まさか額面通りに受け取るわけにはいけないと思うが、なぜか少し気が楽になった。早朝、銀山平を出発する。枝折峠に近づくと、遠くに立派な山が見えてきたので、なんという山だろう、遠いので昨日登った巻機山かな?などと思う。しかし、枝折峠に着いてよく見ると、その遠くの山はこれから向かう、越後駒ヶ岳と中ノ岳の稜線に他ならなかった。
今日は曇りではあるが雲が高く、遠くまで展望が効いている。枝折峠はすでに標高1065mで、山頂までは1000mを切ってはいるが、ここから越後駒ヶ岳までは小さなピークをいくつか越えてたどり着いた小倉山から、一気に600m以上登ることになるのだ。とりあえず小倉山まで行かないと、駒ヶ岳の上りは始まらないということである。
枝折峠から斜面を登るとすぐに稜線に出る。左手には荒沢岳が険しく立ち上がっている姿がよく見える。あの山もいつか登ってみたい。道は灌木の緩やかな登りが続き、あかるい稜線で気分が良い。色づき始めた木々や、路傍のリンドウなどを楽しみつつ行くと、明るい肩に立派な石の仏像が立っていた。やがて銀の道と合流し、少し行くと明神峠に出る。峠には立派な明神堂があり、銀山が盛んな頃、銀山と道中の安全を祈願したものであろう。銀の道と別れてこのお堂の脇を登ると三角点のある明神峠のピークである。
行く手に見える稜線を目で追い、あれが道行山、あれが小倉山、まずあそこまで行かなければと確かめながら進んでいく。明神峠を過ぎると道はとりあえず下り、小さなピークをいくつか越えていく。顕著なのは1235mのピークで、再び明神峠の高さに戻る。アップダウンしていくうちに、路傍に小さな池が点在する所があり、なんとオタマジャクシがたくさん泳いでいた。これからカエルになって冬眠するのだろうか。
道は道行山の直下を巻いて再び下っていく。このあたりから目指す越後駒ヶ岳が大きく見えてくる。越後駒ヶ岳への登りは、小倉山を過ぎると、こんもりした丘に登ったあと、急登を2度登って肩に上がり、その後山頂を目指すようになっているようだ。鞍部に降りて再び登り返していく。時折道が泥沼になっているところもあった。ゆったりと回り込むように1284mのピークに登ったあと小倉山までは一登りである。ここも山頂直下の広場を通るようになっており、山頂方面は駒の湯への道で、駒ヶ岳方面に向かうには巻いて過ぎる。枝折峠から2時間半、やっと駒ヶ岳の登り口にたどり着いたわけである。

2.越後駒ヶ岳

小倉山からはしばらく緩やかな道をたどったあと、だんだんと高度を上げていくようになる。高度を上げるにしたがって、木々の色づきもだんだん華やかになってきた。ひとしきり登ると百草の池という看板のある平地に出る。道からは笹が茂っており池を見ることは出来ない。少し高いところから見ると、かなりの部分が草に覆われているが、草地の一角に池が水を湛えているのを見ることができた。
ここから道は一つ目の急登に入る。木々は低くなり、時折見える尾根の両側の谷の紅葉が美しい。荒沢岳は真横から見る形になり、登山道のある尾根が長く銀山平に向けて落ちていくのがよくわかる。
休み休みこの急坂を登り切ると、滝ハナ沢と大チョウナ沢の源頭部にあたる展望のいい場所にでる。このあたりの眺めは壮快で、中ノ岳が大きな姿を表す。堂々とした風格のある山で、駒ヶ岳との間はかなり切れており、縦走はなかなか体力が要りそうだ。展望のいい痩せた尾根を行くと、やがて鎖のある岩場の急な登りになり、これを超えれば駒の小屋のある肩に出る。現在小屋は改装工事中で利用することはできない。
ここまでくれば山頂は近い。草地の広がるオツルミズ沢の源頭を見ながら、階段の整備された登りとなる。広々とした風景の中を行けばやがて中ノ岳へと繋がる稜線に出て、少し右に向かえば駒ヶ岳山頂である。一等三角点や銅像のある山頂は、時間が遅いためか、もうあまり人はいなかった。八海山などの山々が曇り空の下ではあるが良く見えていた。山頂は風もあったので少し肌寒く、分岐まで戻って休憩した。ここは風もなく暖かであった。

3.下山

長い登りの末に着いた山頂であるが、すでに今日は誰もが下山してしまっている。枝折峠へは、下りとはいえアップダウンを繰り返す道のりが待っており、天気も下り坂で、下山を急ぐ他はない。改修工事の人が2人休む駒の小屋を通過し、鎖場を下って、行きに急坂を登り詰めた肩の部分まで下る。山頂部の稜線が広く展望できる最後の地点でもあり、少し休憩する。昨日登った巻機山が遠くに見えていた。
登りの苦しかった長い坂道を一気に下って小倉山まで降りる。途中で、小屋の所で休んでいた人が追い抜いていった。駒の小屋の古い表札を背中に背負っていた。小倉山では行きに立ち寄らなかった山頂に登ってみる。三角点のある小さな広場であった。
さらに道行山まで進む。道行山山頂への小道にはロープが張ってあるが、これは誤って進入してしまうのを防ぐ為であろうか?道行山への道沿いには、ちり紙や人糞が所々あり、ちょっといただけない。用足しは、ヤブの中のおよそ道から外れたところでというのが一般的だと思っていたが、最近人通りの少ない枝道でのキジ跡を時々見かける。やめて欲しい!
道行山の山頂は、なんと360度の展望地であった。越後駒ヶ岳や荒沢岳をじっくり展望することができ、期待はしていなかっただけに、最後のおまけという感じで、得をした気分になった。
あとは明神峠へ再び登り返し、枝折峠への道を下る。やはり行きと同じくらいの時間を要し、枝折峠にたどりつくと、ちょうど1日1便の小出行きのバスがやってきた。日帰りには使いにくいバスのためか、折角ではあるが、誰一人乗客がいなかった。

その後栃尾又温泉に立ち寄ったあと、小出方面に向けて夕食に向かいました。途中で、降り出した雨は土砂降りになり、今日一日天候がもってラッキーだったと思いました。
越後の山々を2日で巡りましたが、まだまだ面白そうな山がたくさんあるので、また楽しみが増えました。

本文中の写真

  • 稜線から荒沢岳を望む
  • 明神峠付近の石仏
  • 縦走路から見る越後駒ヶ岳
  • 越後駒ヶ岳山頂付近の紅葉
  • 色づく沢沿いの斜面



  • 記録

    日 程

    2001年9月30日(日)

    天 候

    曇り

    コース

    0650 枝折峠 → 0728 明神峠 → 0825/30 道行山 → 0915/30 小倉山 → 1125/30 駒の小屋 → 1150/1225 駒ヶ岳山頂 → 1405/15 小倉山 → 1455/1505 道行山 → 1555/1605 明神峠 → 1635 枝折峠

    オツルミズ沢源頭と越後駒ヶ岳


    参考図書・地図 その他のコース
    アルペンガイド(旧)上信越の山
    昭文社 エアリアマップ 越後三山
    25000図 奥只見湖 八海山
    50000図 八海山
    一般道としては、他に、
    ・中ノ岳方面からの縦走コース
    ・駒ノ湯から大倉尾根を経て大倉山
    ・水無川から越後駒ヶ岳
    のコースがあります。いずれもロングコースです。
    バス
    小出から枝折峠まで1日1便バスがあります。
    小出発 6:30  枝折峠発 16:35 になります。所要約1時間10分です。(夏期及び春・秋の休日運行)
    越後交通を参照下さい。

    温泉
    枝折峠から小出方面に下ると、温泉街に入ります。折立温泉や大湯温泉、秘湯・栃尾又温泉などが並びます