那岐山

 那岐山 1255m 三角点峰 1204.3m
 山域:中国山地

記録
 山行日2012年4月7日(土)
 ルート第一駐車場→登山口→Cコース→那岐山→Bコース→登山口→駐車場
 コースタイム0930 第一駐車場 → 0939 BCコース登山口 → 0952 林道交差 → 1026/1033 大神岩 → 1105 三角点 → 1112/25 避難小屋 → 1130/40 那岐山山頂 → 1151 Bコース下降点 → 1250 BCコース分岐 → 1252 登山口 → 1305 第一駐車場
 天候曇り時々晴れ(山頂部は雪)

週末に西日本に出張があり、せっかくなのでどこかの山へと考えた結果、交通も比較的便利で、コースタイムも手頃で、かつ名高い山ということで那岐山が目に付きました。那岐山は、「氷ノ山後山那岐山国定公園」にある山ということで名前だけは知っていましたが、調べてみると穏やかな笹原で、この時期であれば多少雪があっても大丈夫そうだったので津山駅前に宿をとりました。

前日から天気予報を注視していましたが、岡山県北は夜から午前中にかけて雨または雪とのこと。朝、窓から外を見ると津山の町は晴れていましたが、北の方の山は、やはり残念ながら雲がかかっているようでした。
那岐山登山口の近くの高円までは、バスの便も比較的多く、ゆっくり歩くつもりであればバス利用も可能でしたが、東京まで帰る必要もあり、レンタカーを借りての山行としました。高円バス停の先から左折し、山の駅を過ぎてしばらくすると立派な登山口の標柱があり、ここを左に入ると第一駐車場で、4人の方が準備していたのでここから歩くこととしました。麓はそこそこ晴れてはいるのですが、見上げる那岐山の山頂部は厚い雲に覆われていて、どうやら本当に雪が降っているような雰囲気でした。
駐車場からしばらくは舗装路の登りですが、明るく気持ちのいい道で、いいウォーミングアップです。蛇渕の滝の入口を経て、最後の駐車場を過ぎると間もなく舗装路も終わり、那岐山への登山口があります。登山道に入るとすぐにBコースと別れ、しばらく明るい緩やかな道が続きます。今日は意識してペースを作っていきます。最近出張や宴席続きで疲れ気味、どうもいつも以上に汗が噴出していたので、ちょっと体調と相談しながらです。この明るく、石の多い道の雰囲気は、確かにいつも歩いている関東の山とは違います。標高こそ低いですが、少し高い山に来たような雰囲気もあります。久しぶりの遠出の山で、ちょっといい感じでした。
林道を横切る場所で、那岐山国有林の標識があり、植林地に入ると、道に雪が出て来ました。これはどうやら昨晩降った雪の様です。雪が出てくると歩を進めるのが慎重になり、地面を見てしまうので、周りの風景に目がいきづらくなりますが、まだまだ調子に乗っていないようなので淡々と歩を進めます。そして、ついに本当に雪が舞い始めてしまいました。
国有林の説明板とベンチを過ぎ、再び明るくなった道を右下に林道を見ながら進むと、水場がありました。これは一服の清涼剤という雰囲気ですが、今日はさすがに手が出ませんでした。このあたりから斜面をつづら折に登って行き、高度を上げていきます。周囲もいつの間にか植林地から雑木林へと変わっていました。つづら折から道が若干直登気味になり、そろそろ随分登ってきたなと思う頃、大神岩に到着しました。数人の方が休んでおり、休んでいるうちに、後からも数人登ってきました。大神岩からの展望は残念ながらガスの中でありませんでした。
大神岩から先は緩やかな稜線の道となり、ここからは直近の雪に加えて残雪もあり、締まった雪道となりました。そしてやっと歩きにも調子が出てきた感じがしました。先行者に追いついてしまうと、後は今日のトレースの無い道に足跡をつけながらの登りになります。気持ちのいい緩やかな直登は、上の方でつづら折の道になりましたが、これが終わると直登で登ってくる道と合流しました。どこかに分岐があったのでしょう。そしてこの合流地点からは、山頂部の笹の草原の登りとなりました。しかし今日は、一寸先はガスでぼんやり霞んでいる状態でした。
最後の登りを登りきると三角点峰の一角に出ました。あたりは真っ白の状態で、展望台の建物が霞んで見えます。右に少し登ると三角点があり、その先に山頂がガスの中にぼうっと霞んでいました。三角点峰から少し下ると避難小屋があり、外では大変なので、小屋の中で休憩し食事としました。
避難小屋から山頂までは僅かでした。気持ちだけ少し明るくなったような感じで山頂に立ちましたが、それでも周りの風景が霞んで見えている程度でした。しかし、この感じは、晴れた笹の青々とした時に来ると素晴らしく気持ちのいい景色だろうと思いました。遠く、日本海や四国までも見渡せる展望だそうです。
山頂からは、稜線をBコースへと辿ります。稜線上は潅木を縫う道で、積雪も多く、締まっていて楽しい道です。幸い先行して行った方のトレースもあり、安心して歩いていきます。緩やかに下り、豊富な雪を楽しむと僅かでBコースの下降点に着きました。
Bコースは、尾根と沢を絡みながらの変化のある道でした。トラバースの部分で少し道が細い所もありますが、急な部分が無く歩きやすい道で、足に任せて下っていきます。途中で、毎週のように那岐山に登り、ヤマレコで状況を伝えておられる、ガイドをされている方と合流しました。私も計画を立てるときに、ヤマレコの記事にはお世話になったので、下山は那岐山にまつわるいろいろな話をお伺いしながら四方山話に花も咲き、楽しく下山しました。Aコースの途中にある1009.5峰に、那岐山の神話の一つに基づき慈母峰と名づけられたとのことです。
淀川の流れに沿う道は、美しい滝を見ながらの楽しい道で、最後に橋で淀川を渡ると間もなくCコースと合流し、登山口に到着。すでに、那岐山山頂のガスは取れ、麓から山頂部が見えるようになっていました。雲はまだ厚いですが、山頂は少し明るくなっていることでしょう。舗装路を歩き駐車場に戻るとレンタカーが待っていましたが、車を運転しての山行も数年ぶりのことなので、ちょっと不思議な気分でありました。

那岐山の標高は1255mですが、日本海に近い分水嶺ということもあり、山頂部は雪深い山でした。しかし、麓には桜が咲き、南面は1000m近くまではそろそろ雪が消えつつありました。また、穏やかな山頂部の開放的な雰囲気は、今日は味わえなかったのですが、十分想像して楽しめました。今回は、350回目の山行にして初めての中国地方の山でしたが、雰囲気も判ったので、また機会を見つけて訪ねてみたいと思います。


下山中同行いただいた方のヤマレコの記録です。那岐山;本日は雪

本文中の写真

  • 三角点峰への最後の登り
  • 避難小屋付近で山頂を見上げる
  • 山頂直下の潅木の稜線
  • Bコースへの下降点周辺
  • 下山のBコースからの慈母峰

  • 参考図書・地図
    アルペンガイド中国・四国の山(1997年5月改訂第3刷)
    関西の山あるき100選(昭文社2000年初版)
    25000図 日本原 大背
    50000図 津山東部 智頭

    登山口から那岐山の稜線を見上げる
    その他のコース
    南面からは、菩提寺からのAコース
    滝山からの縦走コース
    北面からは、那岐駅方面から三角点峰または、1201m地点に登ってくるコースがあるようです。
    交通機関
    津山駅より中鉄北部バス「行方」「馬桑」行き「高円」下車
    詳細時刻は、中鉄バスをご参照ください。