西穂独標

 西穂独標 2701m
 山域:北アルプス

記録
 山行日1995年10月1日(日)
 ルート西穂高口駅→西穂山荘→西穂独標(往復)
 コースタイム08:05西穂高口駅→09:15/09:30西穂山荘→10:45/11:15西穂独標→13:00/13:25西穂山荘→14:15西穂高口駅
 天候雨時々曇り

この年の秋は週末に雨が続いた。毎週空を眺めつつ鬱々と満たされない日々を過ごしていたが、冬も迫りシーズンもそろそろ最後ということで思い切って初めての北アルプス登山の計画を持って新穂高温泉に向かうことにした。目標は西穂往復であるが、悪天候の為叶わなかった。

天気予報は曇のち雨の微妙なところであったが、なんとか恵まれることを願って出発した。午前2時に新穂高温泉着、仮眠をとる。朝6時半、車中で目が覚めると曇はどんよりと重くたれこめている。眼前は笠ヶ岳の尾根がそびえ立っていて圧巻であり、北アルプスに来たんだなと感じた。ロープウェイが出発し駅から空中にでると、なんと雨が降っている。山頂はあきらめた方がいいかなと思いつつ美しい紅葉を眺めながら西穂高口駅に到着した。
雨がパラパラ音をたててゴアに降ってくる。展望は全く無いわけではなく、途中から西穂山荘や西穂の稜線も灰色の背景の上にしっかり見えているのが救いである。とはいえ、北アルプスを歩いているという事だけも心は明るいのである。道が明るくなりそろそろかなと思う頃、西穂山荘が目の前に現れた。雨はかなり激しくなりじっくり休憩した。
森林限界を越え、気分のいい登りになった。幸い風はなく、それほど雨中でも大変ではない。まわりの山々は紅葉が美しく、晴れてればすごいだろうと思う。左に笠ヶ岳、右に霞沢岳をみながら石のゴロゴロした道を高度を上げていく。道がいくらか緩やかになると独標が大きく見えてきた。何人かが這うように降りてくる。このころから、はっきり見えていた西穂のピラミッドピークが雲に隠れ、独標も霞んでくる。雨中、慎重に足を運び独標に立つ。ここでも雨はかなり降っているが、そのうち雲がきれてピラミッドピークが姿を現した。なんとなく姿が見えると誘われている様で独標を西穂側に降りてみたのだが、やはり、時間的にも厳しくまた岩稜を歩くには条件が悪すぎるので退散することにした。独標から鳥がピラミッドピークに向けて飛んでいくのが羨ましく思う。西穂には是非また来ることにして独標から下った。
西穂山荘に向けて降りていくと雨があがり、焼岳がきれいに見えてきた。南の方の展望はありわずかに光さえ洩れてくる。遠くに高い山がかすかに見えるのは白山かもしれない。笠ヶ岳も雲が切れて全貌を現し、霞沢岳も大きく、乗鞍岳もちゃんと全貌を見せている。反対側の西穂の方は相変わらず雲の中であった。時間が余ったので西穂山荘でのんびり休憩する。もう道が乾いてきた。
これが初めての北アルプス山行である。天候には恵まれず目的は果たせなかったものの、そこそこの展望もあり、紅葉も美しく実りのあるものだったと思う。ますます山が好きになったのであった。


参考図書・地図
アルペンガイド 北アルプス(1995年3月第2刷)
25000図 穂高岳 笠ヶ岳
50000図 上高地

焼岳
その他のコース
西穂高岳への一般的なルートとして
・上高地〜西穂山荘〜西穂高岳があります
奥穂高岳からの縦走は経験者向きです
交通機関
松本バスターミナル〜新穂高温泉(夏季運行)
詳細時刻・運行機関は、アルピコ交通をご参照ください。
高山バスセンター〜新穂高温泉(通年運行)
詳細時刻は、濃飛バスをご参照ください。