一族山

801m
山域:熊野山地
2000.3.19


一族山とは不思議な名前の山である。その昔、入鹿一族がこのあたりを支配したということに関係するとのことであるが、どう関係しているかはよく解らない。山頂へは4つほどコースがあるが、温泉に近いという理由で大河内コースを選んだ。もっともこれ以外のコースは道がはっきりしない所もあるらしい。

車が4〜5台停められるスペースのある登山口には小さな標識と、大きなコース案内図があった。最初は植林地の中の道をどんどん高度を上げていく。しばらくすると伐採跡に出て、西側の展望が一気に開け、折り重なる山々が眺められる。たぶん玉置山なども視野にあったのではないかと思うが、不案内な山域でもあり、よくは解らなかった。再び樹林の中へと入り高度を上げていくと、大きな岩が現れその横を登っていく。そしてまたしばらくすると小さな涸れ沢を渡り、大きなジグザグを切って峠に登り着いた。峠を直進すると布引の滝方面にも降りられるようだ。
少し休憩したのち、稜線の道を進む。最初こそ少し倒木があるが、緩やかな起伏のいい道で、植林が比較的少なく、常緑樹が多い。しばらくは小さな登り降りでなかなか前方の高みが低くなってこないが、自然の濃い道の歩きは楽しい。啼鳥を聞きつつ、獣の予感もする様なところである。一旦急登があって、小栗須コースの分岐に出る。ここからは山頂まではひと登り。最初にかなりの急登をこなした後、若干傾斜が落ちた道を登り詰めれば山頂であった。この最後の斜面は自然林が豊富で、ヒメシャラやシャクナゲなども多く、大変美しい森でる。山頂からは北東が開けており、熊野の山並みが眺められた。
山頂の看板によれば、大峯生活環境保全林として、一族山の南斜面を中心に、常緑樹の植裁などを行い改良林として維持しているとのこと、面白い試みであると思う。帰りはもとの道を戻り、近くの湯の口温泉で汗を流した。この温泉はなんとなく落ち着きがあり、是非一族山とセットで楽しまれるといいと思う。



記録

日 程

2000年3月19日(日)

天 候

曇り

コース

0725 大河内登山口 → 0806/20 峠 → 0850/55 小栗須分岐 → 0910/40 一族山山頂 → 1015/20 峠 → 1045 登山口

静かな一族山山頂


参考図書・地図
三重県の山(ヤマケイ)
三重の自然を歩こう(伊勢文化舎)
エアリアマップ 大峰山脈
25000図 
50000図