男体山

 男体山 2,486m
 山域:日光

記録
 山行日1999年8月29日(日)
 ルート二荒山神社→男体山(往復)
 コースタイム0920 二荒山神社 → 1000 三合目 → 1020/30 四合目 → 1120/33 七合目 → 1235/1340 男体山 → 1420/30 七合目 → 1505 四合目 → 1522/30 三合目 → 1550 二荒山神社
 天候曇りのち晴れ

実は、日光の山にはこの時まで足を踏み入れたことがなかった。何となく遠く感じたのと、一つ一つの山がしっかりと標高差があり、それなりの心構えを要求され、安易に行けない気がしたからである。しかし、最近鬼怒川から野岩鉄道を乗り継ぐ山々に日帰りで行ってみて、それからすれば遥かに近いはずであり、そう敬遠することもないなと思うようになった。そうすれば、まだ訪れていない山々の宝庫なのであった。

浅草6時20分の東武線快速に乗車し日光に向かう。雲が低くたれこめ、暗い空だが、予報は昼間は晴れということで、とりあえず期待する。日光駅前からバスに乗り、中禅寺湖畔まできても男体山など山の上の方はまだ全く雲の中であった。
二荒山神社で名簿に記入し、登拝料を支払ってお守りを受け取り、コース上の注意事項などの説明を聞いた。お守りを首からぶら下げ、神社の鳥居をくぐって入山する。階段を少し登るとすぐに一合目の遥拝所があり、そこを過ぎると三合目までは、暗い樹林の中の登りである。それほど緩やかではなく、着実に高度を稼いで行く登りやすい道だった。このあたり、一合がほぼ15分ペース。上の方に行ってもあまり間隔は変わらなかった。三合目から四合目までは車道を行く。意外に長いが、3合目までの登りのいい息抜きである。四合目の鳥居をくぐると、中禅寺湖が眼下に見えてきたが、取り囲む山は雲に包まれており、どんよりとした鉛色の湖である。しかしそれもガスに包まれてしまう。四合目から五合目までは概ね樹林帯の中の急坂だが、つづら折りの道で比較的急登を感じず歩きやすい。五合目から六合目の途中からガレ場にでるが、ここもつづら折り状に手すりの付いた道を作ってあり、快適に歩ける。六合目から七合目はガレ場が直進できず、樹林の中の迂回路に入るが、直登にならないので、かえって歩きやすいのかもしれない。しかし途中からガレ場に復帰して、胸を付くような急登になる。疲れもでてきてかなり苦しいところで、この区間は20分くらいかかってしまった。時折振り返ると中禅寺湖が見えたり見えなかったりだが、少しづつ天気は良くなってきている。七合目の小屋のあたりで、休憩し最後の登りに向けて鋭気を養った。
七合目から八合目まではガレ場の続きで岩混じりの急登を登っていく。八合目の女峰山の神様がまつられているという神社を過ぎてしばらく急登を続けると、道は緩やかになる。しかし緩やかと思ったのはわずかで、今までとの比較の問題であり、普通の登りである。九合目の石碑を通過すると、道に階段が目立つようにになり登りも意外に厳しい。階段を登りきると視界が開け、火山特有の赤茶けたザレ場の道になる。頂上は見えているが、なかなか近づいて来ない。振り返ると、中禅寺湖や戦場ヶ原がはっきり見え、まだ雲が多いが随分青く美しく見えるようになってきた。山頂に登りついて奥宮の前を通り、大きな剣の突き刺さした岩の最高点に立った。
山頂で休んでいるとどんどん天気が回復してきた。最初は山頂が見えるのは太郎山くらいだったが、南の方から回復し始め、まず皇海山や赤城山が姿を表し、中禅寺湖をとりまく山はすっかり雲もとれて、その向こうに松木川や草木ダムが見られるようになった。やがて、中腹まで雲の中だった女峰山が全貌を表し、最後まで雲の中だった白根山も、下山にかかるころには頂上から雲がとれた。全体に青空になり、中禅寺湖が輝いて美しかった。やはり今日は来てよかった。
下山は志津越えからの2時間の林道歩きを敬遠して、同じルートを戻ることにする。今度は晴れているので、中禅寺湖を眼下にしながらの下りである。急坂を慎重に降り、6合目まで下ると、あとは比較的歩きやすい道となり、四合目で中禅寺湖も見納め。その後、林道を歩いたあと樹林の中を一気に下って、二荒山神社に降り立った。土産物屋に寄りながら中禅寺温泉のバスターミナルまで歩いていったが、振り返るとすっきりと晴れわたった青空に男体山が全貌を見せており、行きには見られなかった初めてみる全貌だけに、なかなか雄大で感動的であった。


参考図書・地図
ブルーガイド 東京付近の山(1998年第1刷)
エアリアマップ 日光(1999年版)
25000図 中禅寺湖 男体山
50000図 男体山

男体山頂の二荒大神像
その他のコース
・志津越え〜男体山
交通機関
東武日光駅より「湯元温泉」行き二荒山神社前下車
詳細時刻は、東武バスをご参照ください。



Nifty FYAMA 投稿文

二荒山神社から男体山

実は先週計画して行けなかった男体山なのですが、せっかく思いついたので是非行こうと思い、週明け早々会社の友人を誘って計画を確定しました。天気予報は、二転三転しましたが、今の時期としては、結果としていい日に行ったのではないかと思います。しかし結構きつい山ですね。

【日 程】99年8月29日(日)
【目 的】百名山ツアー
【天 候】曇りのち晴れ
【コース】0920 二荒山神社 → 1000 三合目 → 1020/30 四合目 → 1120/33 七合
     目 → 1235/1340 男体山 → 1420/30 七合目 → 1505 四合目 →
     1522/30 三合目 → 1550 二荒山神社
【山 名】男体山 2484.4m
【メンバー 】会社の友人と2人
【山 域】日光
【参考書】東京付近の山(実業之日本社)
     エアリアマップ 日光
     25000図 中禅寺湖 男体山
実は日光には未だ山が目的で足を踏み入れたことがない。何となく遠く感じるのと、一つ一つの山がかなり気合いを入れないと登れないような標高差があることと、混雑・渋滞のイメージがあったからである。ヤマケイのガイドブックを見ると、ほとんど山岳夜行利用で照会されていたのも、足が遠のく要因だったかもしれない。しかし、今年は鬼怒川公園から野岩鉄道を乗り継ぐ山に結構日帰りで行っており、それから比べれば日光は遥かに近いはずである。また、最近行き先をいろいろ探すのに愛用している「東京付近の山」には、日帰りとして照会されているので、それほど敬遠することもないな....と考え直すことにした。そうすれば、登りがいのある、まだ訪れていない山々の宝庫なのであった。
浅草6時20分の東武線の快速には、北千住から乗車し、友人との待ち合わせも北千住である。朝からどんより曇った天気なので、亀戸の駅から電話で天気予報を聞くと、朝晩は曇りで、昼間は晴れらしい。そういうことかと納得して、とりあえず期待する。亀戸から東武線に乗り、チマチマと乗りつないで北千住へ。この快速はいつも鬼怒川行きの方が比較的空いているので、とりあえず鬼怒川方面の車両に乗った。
結局日光までは曇りのまま駅前からバスに乗る。乗り合いワゴンの客引きもある。いろは坂を通り、中禅寺湖畔まで登ってきたが、途中もずっと雲が多く、男体山など山の上の方は全く雲の中であった。二荒山神社前でバスを降りたがほとんどの人はそのまま湯元方面に乗っていく。戦場ヶ原など散策に向かう人が多いのかもしれない。
二荒山神社で名簿に記入し登拝料を支払ってお守りを受け取る。前の親子4人の家族連れと一緒にコース上の注意事項などを聞いた。4人は行けるところまでということらしい。お守りを首からぶら下げ、神社の鳥居をくぐって入山する。階段を少し登るとすぐに一合目の遥拝所があり、そこを過ぎると三合目までは、暗い樹林の中の登りである。それほど緩やかではなく、着実に高度を稼いで行く登りやすい道だった。このあたり、一合がほぼ15分ペース。上の方に行ってもだいたいこのくらいであった。
三合目から四合目までは車道を行く。意外に長いが、3合目までの登りのいい息抜きというか、休憩である。このあたりで4人の家族連れのうち、お母さんとお兄さんにすたすたと追い抜かれた。お兄さんは是が非でも登頂するという勢いで、500mlのペットボトルを持って引っ張っているところを、今日は装備が無いからということでお母さんがなだめているらしい。お母さんは空身で観光スタイル。町で履くような靴であった。さっさと行ってしまったがどこまで行くのだろう。
四合目の鳥居のところで休憩する。このあたりで中禅寺湖が眼下に見えてきたが、取り囲む山は雲に包まれており、どんよりとした鉛色の湖である。しかしそれもガスに包まれてしまう。四合目から五合目までは概ね樹林帯の中の急坂だが、つづら折りの道で比較的急登を感じず歩きやすい。五合目から六合目の途中からガレ場にでるが、ここもつづら折り状に手すりの付いた道を作ってあり、快適に歩ける。このあたりも1合15分ペースで進んで行く。六合目から七合目はガレ場が直進できず、樹林の中の迂回路に入るが、ここもつづら折りで急登をこなしていくので、かえって歩きやすいのかもしれない。しかし途中からガレ場に復帰して、胸を付くような急登になる。ここは疲れもでてきてかなり苦しいところであった。この区間は20分くらいかかってしまった。時折振り返ると中禅寺湖が見えたり見えなかったりだが、少しづつ天気は良くなってきている雰囲気である。七合目の小屋のあたりで、休憩し最後の登りに向けて鋭気を養う。休んでいると、廻りの人が先ほどのお母さんはどうしたんだろう。大変そうだなあという話し声が聞こえた。みんな抜かれたようだ。ちなみに子供は中学1年生らしい。
七合目から八合目まではガレ場の続きで岩混じりの急登を登っていく。この急登を歩きながら、今年登った瑞牆山を思い出した。八合目の女峰山の神様がまつられているという神社を過ぎてしばらく急登を続けると、道は緩やかになる。しかし緩やかと思ったのはわずかで、あとは今までとの比較の問題であり、普通の登りである。九合目の石碑を通過すると、道に階段が目立つようにになり意外と厳しい道である。ここで先ほどのお母さんと息子とすれ違う。お母さんは照れ笑いしながら、「もう少しですよ」と声をかけてくれた。心配していたこちらが励まされた格好である。しかし、空身とはいえ、2時間半くらいで登ったんではなかろうか....お母さんは元山岳部にちがいないと友人は言っていた。すごい。
階段を登りきると、火山特有の赤茶けたザレ場の道になる。もう頂上は見えているが、なかなか近づいて来ず、苦しいところである。振り返ると、中禅寺湖や戦場ヶ原がはっきり見える。まだまだ雲が多いが随分青く美しく見えるようになってきてラッキーだ。登りついて奥宮の前を通り、最高点に登る。この大きな剣の突き刺さった岩が最高点かな?あまり先まで行かなかったが三角点はどこにあったんだろう。
山頂でしばらく休んでいるとどんどん天気が良くなってきた。最初は雲からでているのは太郎山くらいだったが、まず南の方から回復し始め、皇海山や赤城山が見えるようになった。中禅寺湖をとりまく山はすっかり雲もとれており、その向こうに松木川や草木ダムが見られる。30分くらいで急激に回復して、最初中腹まで雲の中だった女峰山が全貌を表し、最後まで雲の中だった白根山も、下山にかかるころには頂上から雲がとれた。基本は青空になり、中禅寺湖が美しかった。やはり今日は来てよかった。
ところで男体山はシチュエーションが燧ヶ岳と似ている。この中禅寺湖と戦場ヶ原を、尾瀬沼と尾瀬ヶ原に置き換えれば、展望も似ている。各々少し規模は違うが標高も100mくらいの違いである。
下山は3つのコースが考えられる、最終的には決めていなかったが、三本松コースは道標がなく、いきなり下りにとるのはどうかと思い断念。志津越えは、2時間の林道歩きで敬遠。結局元きたルートにする。行きには振り返ってもすっきりしなかった、晴れた中禅寺湖を眼下にしながら下れるのと、二荒山神社にお礼をしておかなければということもあった。
まったくの来た道の折り返しであるが、スピードはあまり出ない。中禅寺湖はいつも美しく眼前にあるが、見ていると足を踏み外すので、そう始終目を向けられるものでもない。しかし、6合目まで頑張って降りると、あとは比較的下りやすい道で、四合目で中禅寺湖も見納め、林道を歩いたあと樹林の中の下降に入り、二荒山神社に降り立った。
土産物屋に寄ったりしながた中禅寺温泉のバスターミナルまで歩いていったが振り返るとすっきりと晴れわたった青空に男体山が全貌を見せており、行きには見られなかった初めてみる全貌だけに、なかなか雄大で感動的であった。



帰りはいろは坂が少し渋滞した程度で、日光駅ではちょうど快速が出るところに間に合いました。春日部を過ぎてから雷雨になり、ちょうどその日の東京地方の豪雨の最も激しいところにつっこんでいった格好ですが、接続も遅れた電車が丁度きたという感じで問題なく帰着できました。天気の変化の激しい日でした。
山の風に秋を感じるようになってきましたが、日光はまだまだ登りたい山があるので、また行ってみたいと思いました。紅葉になったらすごい人出なんでしょうね、きっと。