四阿屋山

771.6m

山域:奥秩父
2003.2.11


休日の天気予報は悪く、どうしたものかという感じでしたが、それほど雨という雰囲気でもないので、思い切ってでかけました。行き先を考えるのに1時間以上ロスしてしまいました。福寿草が咲き始めていないか?しかも雨もようなので、人も少ないのではないか?という二重の期待です。

秩父に向かうのに、いつもは花園ICを使っているのですが、今回は圏央鶴ヶ島ICを使ってみました。こちらからですと、飯能の北を迂回し、西武線にそって299号を行くことになります。普段は電車で行っているエリアなので、車で走るとまた趣が違います。そして、先日歩いた横瀬の町を抜け、また先日歩いた秩父御岳山の登山口を経て、両神村へと向かいました。四阿屋山への登山口は、道の駅「両神温泉薬師の湯」なので、車を止めるにもちょうど良いのでした。
薬師の湯の先の両神神社の角を曲がり、しばらく車道を進むと、菖蒲園があります。ここは右に行けば鳥居山コース、菖蒲園に入れば薬師堂コースで、福寿草のある薬師堂コースに向かいます。菖蒲園は猪よけの電流柵がめぐらされているので、注意して越えて行きます。そして小沢を渡ってログハウスの並ぶキャンプ場の横を抜けると、植林の山道となりました。
しばらく登ると、福寿草の自生地となります。柵で囲まれた雑木林なのですが、雨で湿った、雪の少し残る落ち葉の地面は寒々として、福寿草の気配もありませんでした。再び樹林に入り少し登ると、もう一段上の自生地へと出ますが、こちらも様子は同じです。こりゃ、明らかに早すぎだなと観念しました。それに福寿草の期待に煽られて早く歩きすぎた感じで息が切れるので、低山散歩モードに気持ちを切り替えることにします。ゆっくりゆっくりと歩きます。これでいいんだと言い聞かせます。
道は車道を横切り再び山の中へと入ります。そうして歩けば、冷たい山の空気を体の中に感じるようになりました。路傍には大きな祠が次々と現れます。この道は神社から奥社を結ぶ参道なのです。途中に左にロウバイ園とか福寿草園の看板が別れますが、とりあえず尾根道を直進して行きます。やがて視界が開けると福寿草園の最上部に到着しました。
植林地の一角を整備して切り開いた福寿草の園地のようで、まだ生々しい檜の切り株があちこちに点在します。園地の間を登って行くと、黄色いものが目につきました。土の中からポツポツ蕾が出てきているようです。このあたりは日当たりがいいのか、花が早いのかもしれません。
園地の一番上のベンチで一休みして植林地の中の長い階段道に突入します。ここはひたすら下を向いて頑張るのみです。やっと傾斜が緩むと両神神社奥社につきました。道は左から回り込んで、さらに先へと進みます。奥社の裏側から険しい稜線が立ち上がっていますが、直進は禁止とあります。左に巻道を辿ると、急峻な岩場にジグザグに道をつけた登りとなり、ここは、終始鎖の手すりが付いています。路面には圧雪があるので滑りやすく、注意して登ります。この急坂を登りきったところがつつじ新道との合流点で、山頂へはあとは僅かな急登を残すのみでした。
山頂は狭いですが、時間も遅いのか、誰もいませんでした。周囲はガスに閉ざされているので展望を得ることはできません。ただガスの中、隣に浮かぶもう一つのピークが多少気にはなりました。しばらく静かな山頂をゆっくり楽しみましたが、なぜか里の音が良く聞こえてくる山頂でもありました。
帰路、福寿草園まで戻って、改めて園地の中を見てみると、一部に蕾のたくさん出た群落があったので、天気が良ければある程度開いていたのかもしれません。そして、そのまま男坂の急な階段を下りました。下りきったところが山居で、民家とロウバイ園があります。ロウバイの花の方はかなり咲いていました。なかなか香りの良い花でした。
車道を少し辿り、疎林広場の標識に従って、民家の間を下ります。すっかり里山のような山道になり、しばらく進むと駐車場から降りてくる桜本コースと合流しました。あとは広くU字状に大きく掘れた道をどんどん下ると、桜本に出ます。田園風景の中を歩いているうちに、田圃のあぜ道に春を告げるオオイヌフグリの花を見つけました。少し雨が落ちて、しっとりとした空気が広がりましたが、薬師の湯まではあと僅かでした。

福寿草はよしとしましょう。それにここは多少人工的な雰囲気は否めないので、またいずれ本当の山の中のものを見つけてみたいと思います。この日は暖かくすっかり春になった雰囲気でした。もう立春を過ぎましたので、これからはきっと、寒暖を繰り返しながら暖かく花の季節になっていくのだなと思いました。

本文中の写真

  • 登山道脇の祠
  • 両神神社奥社の森
  • 山頂直下の冬でも緑多い斜面
  • オオイヌノフグリ



  • 記録

    日 程

    2003年02月11日(火)

    天 候

    曇り

    コース

    1330 薬師の湯 → 1430/35 福寿草園 → 1445 両神神社奥社 → 1455/1520 四阿屋山 → 1535 福寿草園 → 1545 山居 → 1555 疎林園地分岐 → 1620 桜本登山口 → 1630 薬師の湯

    福寿草のつぼみ(福寿草園にて)


    参考図書・地図 その他のコース
    東京付近の山(実業之日本社)
    25000図 三峰 長又
    50000図 三峰 万場
    本文中のコースは、
    ・薬師堂コース〜桜本コース
    ですが、他には
    ・大堤よりつつじ新道(経験者向き)
    ・大堤より山居(大堤コース)
    ・押留より山居(押留コース)
    ・菖蒲園より両神神社奥社(鳥居山コース)
    ・柏沢より両神神社奥社(柏沢コース)
    があります。
    バス
    両神村営バス
    西武秩父発上野沢行き、三峰口発両神村役場行き、あるいは、小鹿野発白井差口行きに乗車し、地蔵堂下車。
    時刻・料金は両神村ホームページを参照下さい。村営バスへのリンクがあります。

    温泉
    登山口に両神温泉薬師の湯があります。600円です。
    両神村ホームページの中に温泉へのリンクがあります。