瑞牆山

 瑞牆山 2,230.4m
 山域:奥秩父

記録
 山行日1999年5月23日(日)
 ルート瑞牆山荘→富士見小屋→瑞牆山(往復)
 コースタイム1030 瑞牆山荘 → 1100/05 富士見小屋 → 1125/30 天鳥川 → 1235/55 瑞牆山 → 1345 天鳥川 → 1405 富士見小屋 → 1430 瑞牆山荘
 天候曇り時々晴れ

瑞牆山といえば、名前でも惹かれまた周囲から見ても目立ち、そして前年には金峰山に2回立ったこともあり、常に気にかかっていた山なのだが、なぜか登る機会に恵まれなかった。しかし、前週に雲取山で同行した友人は現在百名山を精力的に登っており、丁度いい機会だと思って声をかけ、ついに待望のこの山に向かうこととなった。

瑞牆山には、いつでも登れるだろうと思っているうちに、休日は自動車が自由に使えなくなってしまい、タクシー代や、バスの所要時間などの問題もあって、一気に遠くの山になってしまった。では一泊して金峰山荘から小川山とセットでなどと考えていたが、日程の調整がままならないうちに日は過ぎていく。とその時百名山を主に登っている友人は、また車で登山口派でもあるので、これ幸いと同行を持ちかけてみた。
というような訳で、韮崎駅で拾ってもらい、瑞牆山荘に向かう。晴れ時々曇りという天気予報で、久しぶりの青空の山行を期待したが、もやもやして遠望の効かない天候であった。増富温泉を過ぎて、いつもながら突然出現する金山平に驚き、新緑の中を瑞牆山荘着。山荘の廻りは到着時間が遅く、自動車でびっしりだったが、ちょうど1台出発していったので、無事駐車することができた。山荘前から登山口に入り、富士見平を目指す。早めのペースに汗をかきながら林道を横切り、里宮の急坂は大汗をかきながら登っていった。登り切ると比較的緩やかな道となってやがて富士見小屋が見えて来る。富士見小屋の前は大勢の登山者で賑わっていた。天鳥川までは、少し登った後、概ね下り気味の道になり、また、先週と同様学校の山岳部の団体とすれ違う。小川山への分岐を過ぎると一気に下って、天鳥川へ降り立ち、少し下に伏流から水が出てきていたので、ここで水筒を補充。友人は山椒魚を見つけて手にとっていた。

さて、ここからは山頂まで一直線の急登になる。最初の縦に割れ目の入った大きな石は、まさに花崗岩の王国瑞牆山の玄関である。階段を登ったりしながら谷筋の道を一歩一歩登っていく。急登でもあり、終始段差のある石や木の根、頭の上の倒木などがあって苦しいが、変化に富んでいて楽しい道でもある。しばらく歩くとシャクナゲの木が登山道の両側にたくさん出てきた。少し美しい桃色の花が開いており、また時々蕾みもあってこちらは色濃いピンクであった。満開まではもう少し間がありそうである。時折振り返ると背後に飯森山が見えている。瑞牆山と100mくらいしか標高の違わない山なので、飯森山の高さを尺度にしながら、あとどのくらいかなあと考えたりしながら登っていった。
しばらく、頭上の明るい開けた道であったが、いつしか暗い樹林の中を登る様になり、疲れもたまって来たので小休止した。再び登り始めるとやがて、大きな岩塔の、大ヤスリ岩が近づいてくる。時折手足をフルに使っての登りは続くが、ここまで来れば頂上を射程に入れた気持ちになる。黒森分岐と山頂を示す道標を過ぎると、やがて賑やかな声が聞こえはじめ、最後は比較的あっけなく頂上に立った。思った以上に広い頂上であったが、それ以上にたくさんの人々で賑わっていた。

山頂の展望は評判の瑞牆山であるが、今日この一帯は高く雲が懸かってしまっていおり、遠望があまりきかない。それでも金峰山の山頂などはしっかり見え、一方小川山は、金峰山の方からみると平坦な感じであまりパッとしないが、こちらから見ると、しっかりしたピークに見えたのは新たな発見であった。日のあたらない風の吹く山頂は肌寒く、簡単な食事の後下山にかかることにした。下山はあまりスピードが出ないので、登りの時間を大きく下回るということは無かったが、地面ばかり見て登ってきた登りと違い、風景は良く目に入るのでそれなりに楽しめた。天鳥川から少しの登りをがんばったあとは、歩きなれた部類に入る道を快調に下り、たくさんの人がバスを待っている瑞牆山荘着。友人に韮崎駅まで車で送ってもらって丁度来た特急電車に乗ることができた。

今回は快晴の大展望とまではいかず少し残念でもあったが、たぶんまた登る機会もあると思い、その時は是非晴れて欲しい。それよりも、この山はどこからでも目立つので、見る度に今日の行程を思い出すのではないだろうか。


参考図書・地図
東京付近の山(実業之日本社 1998年11月初版)
25000図 瑞牆山
50000図 金峰山

山頂から見おろす大ヤスリ岩
その他のコース
黒森〜瑞牆山
交通機関
韮崎駅よりみずがき山荘行き終点下車。
詳細時刻は、山梨峡北交通をご参照下さい。


Nifty FYAMA 投稿文

瑞牆山に登る

瑞牆山というと、名前でも惹かれまた周囲から見ても目立ち、また昨年は金峰山に2回立ったこともあり、いつも頭の片隅にあったのですが、ついぞ行ったこともありませんでした。しかし家には瑞牆山が載っているガイドブックも4〜5冊あり、2万5千図までありで、いつでも行ける体制にはあったのですが。丁度、先週雲取山に行った会社の同僚はヒャクメニスト?なので丁度いいと思って声をかけて行って見ました。

【日 程】99年5月23日(日)
【目 的】瑞牆山の奇岩と展望を楽しむ
【天 候】曇り時々晴れ
【コース】1030瑞牆山荘 → 1100/05 富士見小屋 → 1125/30 天鳥川 →
     1235/55 瑞牆山 → 1345 天鳥川 → 1405 富士見小屋 →
     1430 瑞牆山荘
【山 名】瑞牆山 2230.2m
【メンバー 】会社の同僚と2人
【山 域】奥秩父
【参考書】東京付近の山(実業之日本社)
     25000 瑞牆山

瑞牆山は瑞牆山荘から登ればコースタイムもそう大したことはなく、いつでも行けるだろうと思っていた。ところが、妻子に自動車を奪われてからというもの、タクシー代の高さや、バス+乗合タクシー?の所要時間などの問題もあって一気に遠くの山になってしまっていた。せめて一泊して金峰山荘から小川山とセットでなどと考えていたが、一泊できる日程の調整がままならないうちに日は過ぎていく....とその時百名山を主に登っている同僚は、また車で登山口派でもあるので、これ幸いと同行を持ちかけてみた。
ということで私は電車でゆっくり韮崎駅につくと、彼は駅前のベンチで待ちかまえている。ありがたいもんである。さっそく車に同乗して瑞牆山荘に向かう。今日は晴れ時々曇りという天気予報で、久しぶりの青空の山行を期待しているのだ。だが、確かに晴れてはいるが、もやもやして遠望の効かない天候である。増富温泉を過ぎて、いつもながら突然出現する金山平に驚き、新緑の中を瑞牆山荘着。山荘の廻りはもう時間が遅いので駐車している自家用車やマイクロバスでびっしり....停めるところが無い!と思って少しのスペースに潜り込ませていると、ちょうど1台車が出発していって、ラッキーであった。
さて、山荘前から登山口に入り、富士見平を目指す。友人のペースについていくが、また今日も早い....でも、まあ富士見平までは里宮の急坂を登り切ってしまえば後は楽なので文句を言わずについていくことにした。汗をかきながら林道を横切る地点までくると、いよいよ出てくる里宮の急坂は大汗をかきながら登ることとなった。登り切ると比較的緩やかな道となってやがて富士見小屋が見えて来たので時計を見るとまだ30分経っていない..ここで、「ちょっと早いよ..タノム..」と一言。富士見小屋の前は大勢の人で賑わっていた。少し休んで、天鳥川まで行ってゆっくり休もうということで出発。少し登った後、概ね下り気味の道になり、このあたりで先週と引き続いて学校の山岳部の団体とすれ違う。新歓の季節かな?小川山への分岐を過ぎると一気に下って、天鳥川へ。少し下に伏流から水が出てきていたので、ここで水筒を補充。友人は山椒魚を見つけて手にとっていた。(もちろんすぐにはなしましたが....)
さて、ここからは山頂まで一直線の急登になる。最初に縦に割れ目の入った大きな石は、まさに花崗岩の王国瑞牆山の玄関である。階段を登ったりしながら谷筋の道を一歩一歩登っていく。急登であるので、終始段差のある石や木の根、頭の上の倒木などがあって、苦しいが変化に富んでいて楽しい道ではある。もちろんペースをあげて歩ける訳でもなく、じっくり足を運んでいく。ああ疲れたと思ってもまだ15分しか経ってなかったりする。がっくり..しばらく歩くとシャクナゲの木が登山道の両側にたくさん出てきた。そろそろ花かなと思って歩いていくと、やはり少し美しい桃色の花が開いていた。時々蕾みもあり、こちらは色濃いショッキングピンクである。満開まではもう少し間がありそうである。
時折振り返ると背後に飯森山が見えている。瑞牆山と100mくらいしか標高の違わない山なので、飯森山の高さを尺度にしながら、あとどのくらいかなあと考えたりしながら登っていく。しばらくは、ずっと頭上の明るい開けた道であったが、いつしか暗い樹林の中を登る様になり、疲れもたまって来たので小休止した。山頂方面から団体さんが結構な人数下ってくる。中には何も背負っていない人もちらほら。団体は気楽なもんだが雨でも降り出したらどうするんだろう。まして、最近雨にたたられっぱなしの我々が登ってきているというのに..と心配になったりする。再び登り始めるとやがて、大きな岩塔が近づいてくる。大ヤスリ岩とか弘法岩とかであろうと思う。時折手足をフルに使っての登りも続くが、ここまで来れば頂上を射程に入れた気持ちになってくる。山頂を示す道標を過ぎると(帰りに気づいたが黒森への分岐だった)やがて賑やかな声が聞こえてきて、最後は比較的あっけなく頂上に立った。思った以上に広い頂上であったが、それ以上にたくさんの人々で賑わっていた。
さて、山頂の展望は評判の瑞牆山であるが、今日はこの一帯は高く雲が懸かってしまっていおり、また遠望があまりきかない。それでも金峰山の山頂などはちゃんと見えるので、最近では天候はいい方で良しとせねばなるまい。小川山は、金峰山の方からみると平坦な感じであまりパッとしないが、こちらから見ると、しっかりしたピークに見えたのは驚きであった。足下の麓の方は日もあたっているのだが、日のあたらなくて風の吹く山頂は肌寒く、簡単な食事の後下山にかかることにした。下山は結局あまりスピードが出ないので、登りの時間を大きく下回るということは無かったが、下ばかり見てじわじわ登ってきた登りと違い、風景は良く目に入るのでそれなりに楽しんだ。天鳥川から少しの登りをがんばったあとは、もう歩きなれた部類に入る(この1年で3回歩いている)道を快調に下ってたくさんの人がバスを待っている瑞牆山荘着。友人に韮崎駅まで車で送ってもらって丁度来た特急電車に乗ることができた。
という訳でなかなか変化に富んだ楽しい山でした。このあたりだと、千葉からはちょっと遠くなって日帰りはちょっともったいないことではありますが。また登る機会もあるかもしれませんが、晴れて欲しいもんです。それよりも、この山はどっからでも目立つので、見る度に行程を思い出すのではないかと思います。