黒斑山

 黒斑山 2404m 車坂山 2050m アカゾレの頭 2280m
 トーミの頭 2320m
 山域:上信国境(浅間山周辺)の山

記録
 山行日1996年8月4日(日)
 ルート車坂峠→表コース→トーミの頭→黒斑山→トーミの頭→中コース→車坂峠
 コースタイム0830車坂峠→0955/1000アカゾレの頭→1015/1025トーミの頭→1038/1145黒斑山→1200中コース分岐→1235車坂峠
 天候晴れ時々曇り

日本百名山の中には登れぬ山もある。その一つが浅間山である。その外輪山の最高峰である黒斑山は浅間山とは標高差もそれほど無く、百名山を目指す人々からはよく代用品として登られている。また標高2000mの車坂峠まで一気に自動車で上がれる為、手頃に楽しめかつ高山植物や浅間とその周辺部の風景も大変美しい山である。この春に雪が多かったためあきらめたこともあり再挑戦の意味も含め夏の一日を楽しんだ。

出発した時は、天気予報の晴れて夏空が広がるとの予想に反し小雨のパラつく空模様であった。天気予報を信じ高速道路を走るがどうも抜けるような青空とまではいきそうにない。少し残念に思いながらもどんどん高度を上げれば、高原の空気に自然と気分も高まり、車坂峠に到着。すでに車はたくさん出ているが、高峰高原の観光客も多いようだ。
車坂峠から表コースを登る。一旦緩やかに車坂山に上がったあと一気に鞍部まで下る。鞍部は車坂峠より低いんではないかと思うほどの急な下りであった。再びゆったりした登りになり、道はザレた火山らしい明るいところを行く。振り返ると反対側に水ノ塔・篭ノ登がその赤茶けた崩壊を目立たせよく見えている。この道はほぼ明るくまばらな林の道で、多少急になることはあるが急登とまではいかない。明るい雰囲気のまま道が階段状になり登り詰めるとシェルターを過ぎ、程なくアカゾレの頭へ。見えるはずの浅間山は霧の中で見えず。また見えていたトーミの頭も霧の中に隠れてしまった。
トーミの頭へは、いったん下って急なガレ場を登り返す。見ればすごい急登だなあと溜息をつく程であるが、登り始めると意外と簡単にトーミの頭に着いてしまう。トーミの頭から湯の平高原を見おろすと、緑の絨毯のようでとても美しい眺めだ。少し霧が晴れてきたので浅間山の輪郭や、これから行く黒斑山が見えてきた。黒斑山から、蛇骨岳、仙人岳方面外輪山の眺めは火山らしくなかなか面白い風景だ。外輪山が屏風の様に湯の平高原と浅間山をとりまいている。外輪山がとぎれ浅間山の緩やかな登りへと稜線が移っていく風景などとても美しいと思った。トーミの頭から下を見おろすと断崖絶壁で吸い込まれそうな感じがする。
トーミの頭から黒斑山への最後の登りをゆっくりと楽しみながら歩く。樹林の中を行く落ち着いた道である。約15分間で黒斑山着、10人程度の人がいたが次々と崩壊の為立入禁止になっている蛇骨岳の方へと発っていった。
黒斑山で昼食を楽しんでいるうちに、だんだん霧が晴れてきて浅間山がはっきりと見える様になってきた。ここから見る浅間山は麓から見た浅間山の姿とは違い裾野がない為が堂々とした姿ではない。でもこれも浅間山の一つの形、じっくり楽しむ。願わくは背景が雲ではなく、青空であればよかったと思う。また浅間山の山腹にははっきりと道型がついているところを見るとやはり時々登る人がいるのだろう。
1時間ほど山頂で過ごした後、トーミの頭を経て中コースから下山する。この道も車坂峠に降りるが、起伏なくまっすぐ下り、最後に崩壊地を横切って裏コースを合わせ草原の道となって峠に至った。 その後、高峰温泉を楽しみ、車坂峠周辺のお花畑でニッコウキスゲとしばらく戯れた。珍しい展望と、そして何より本当に花の美しさが印象に残る一日だった。



参考図書・地図
ヤマケイアルペンガイド上信越の山(1994年9月第1刷)
エアリアマップ 軽井沢・浅間(1996年版)
25000図 車坂峠
50000図 上田

浅間山を囲む外輪山
その他のコース
現在は、未整備・通行禁止となっていますが、
車坂峠〜蛇骨岳〜黒斑山の裏コースがあります。荒れている可能性があります。
交通機関
佐久平駅発(小諸駅経由)高峰温泉行きJRバスにて車坂峠下車(冬季はアサマ2000スキー場行き)
詳細時刻は、ジェイアールバス関東をご参照ください。


Nifty FYAMA 投稿文

黒斑山と車坂峠の花

やはりこの時期目指すは山です。簡単で楽に登れるところという妻のリクエストもあって、春に行き損ねた黒斑山に行くことにしました。なかなか楽しむことができました。

【日 程】96年8月4日(日)
【目 的】黒斑山(1996年18回目)
【天 候】晴れ時々曇り
【コース】0830車坂峠→0955/1000アカゾレの頭→1015/1025トーミの頭→
     1038/1145黒斑山→1200中コース分岐→1235車坂峠
【山 名】黒斑山 2404m
【メンバー 】妻と2人
【山 域】上信の山
【参考書】ヤマケイ・アルペンガイド 上信越の山
     昭文社エアリアマップ 軽井沢・浅間
1.登山口まで(千葉〜車坂峠)

千葉はなぜか、朝小雨が降ってどんよりと曇り空、おかしいなあと思って、途中で177で天気を聞くが、今日は晴れて夏空が広がるとのこと、そのうち晴れるだろうと思い先に進む。途中からだんだん晴れてくるが、抜けるような青空とまではいかないようだ。上信越道を佐久まで走り、車坂峠に到着。もう車はたくさん出ているが、高峰高原の観光客も多いようだ。

2.登り

峠から表コースを登る。一旦緩やかに車坂山に上がったあと、一気に鞍部まで下る。鞍部は車坂峠より低いんではないかと思うくらいの急な下り。いままで登ったのがなんとなくもったいない。鞍部からは再びゆったりした登りになり、道はザレた火山らしい明るいところを通り、振り返ると反対側の水ノ塔・篭ノ登がその赤茶けた崩壊を目立たせよく見えている。最近よく出かける南アルプスのような深い樹林帯の雰囲気とは違い、明るくまばらな林の道である。多少急になることはあるが、急登まではいかない。アザミの花がそろそろ開くころだろうか、固く引き締まった蕾を出しているる。明るい雰囲気のまま道が階段状になり、登り詰めると避雷小屋へ。10人くらいの人が休んでいる。そこから程なくアカゾレの頭。見えるはずの浅間山は霧の中で見えず。さっきまで見えていたトーミの頭も霧の中に隠れてしまった。

3.トーミの頭

トーミの頭へは、いったん下って急なガレ場を登り返す。この急登は反対側から見ると、スゴイ急登だなあと溜息をついていたが、登り始めると意外と簡単にトーミの頭に着いてしまった。
トーミの頭から湯の平高原を見おろす。緑の絨毯のようでとても美しい眺めだ。少し霧が晴れてきたので、浅間山の輪郭や、これから行く黒斑山が見えてきた。黒斑山から、蛇骨岳、仙人岳方面の眺めはなかなか変わった風景だ。
外輪山が屏風の様に湯の平高原と浅間山をとりまいている。外輪山がとぎれ浅間山の緩やかな登りへと稜線が移っていく風景など、とても美しいと思う。トーミの頭から、下を見おろすと断崖絶壁で吸い込まれそうだ。
「トミーの頭」って外国人みたいな名前ねと言って人がいてちょっと楽しい。

4.黒斑山

トーミの頭から黒斑山への最後の登りにかかる。今日はこれで登りは終わりなので、ゆっくり楽しみながら登る。樹林の中を行く道で心が落ち着く。約15分間の楽しみで黒斑山着。10人程度の人がいたが、次々と、崩壊の為立入禁止になっている蛇骨岳の方へと発っていった。
黒斑山で昼食(ハンバーグ+ラーメン)とビールを楽しんでいるうちに、だんだん霧が晴れてきて浅間山がはっきりと見える様になってきた。たしかに形のいい山だ..が、やはり麓から見た浅間山の姿がかっこいいと思う。でもこれも浅間山の一つの形、じっくり楽しむ。願わくは青空の背景が雲であった。青空であればよかったのにと思う。
浅間山の山腹にははっきりと道型がついているところを見ると、やはり時々登る人がいるのだろう。山頂からは噴煙が時折大きくなり、時折とぎれという感じだった。

5.下山

1時間ほど山頂で過ごし、トーミの頭を経て中コースから下山する。この道も車坂峠に降りるが、まっすぐ下っている。最後に崩壊地を横切っていくと、裏コースを合わせ草原の道となって、車坂峠へ。登り始めた時以上に車で溢れかえっていた。
その後、高峰温泉に入り、車坂峠周辺のお花畑でニッコウキスゲとしばらく戯れる。ニッコウキスゲの花の基部にはよく貝殻虫のようなつぶつぶがいっぱいついているなあと思って良く見ると、大きなアリマキの集団だった。しばらく花を楽しみ山を降りた。



そこそこの天候に恵まれ、展望と花を楽しむことができました。黒斑山を浅間山のかわりとすれば、これで5座連続の百名山登頂です。一転して、百名山ハンターになってしまった..(^^;;