1年半ぶりに高知に帰ったので、例によって寸暇を惜しんで山に出かけました。市内から比較的近い国見山ですが、標識はすべて雪光山となっています。特徴ある名前なので、雪光山の方でレポートしていくことにします。
用をいろいろと終えた時には、すでに12時を回っていました。比較的市内から近い雪光山を選びました。それでも登山口についたのは14時を過ぎ、晴れた太陽も既に、西日の様子となっていました。
農道脇に雪光山登山口の看板がある、手水登山口の前に車を止めて畑の中の道に入ると、すぐに民家の脇を通る道になりました。人気のない民家を過ぎると、再び広い道を横切りました。どうやらこちらが舗装路の終点で、車を止めるには良さそうでした。
ここからは暗い植林の道となりました。小さな沢に沿って、つづら折りに奥へ入っていくと、小滝の脇を上がっていくようになりました。夕方の迫る道はますます暗く、気ばかりあせるのですが、なかなか傾斜のある道であわてても疲れがたまるばかりでゆっくり行くことを心がけます。よく踏まれた道の周りは、石垣やソテツなどもあって、山の中の植林地とはいえ、かつては家地や畑であったのかもしれません。急坂もやがて緩やかな植林の中の道になりました。やがて植林の奥に水場が見えてきます。山の斜面からわき出る不思議な水場で、「元気の出る水」とありました。
水場を過ぎると再び急坂になりました。「しんどい坂」という看板がありました。そういう名前の坂なのか、形容詞なのか?というところです。この坂を頭上の明かりを目指して一歩一歩進みます。最後は折りかえすようになって、植林地からでて明るくなると、あとひと登りで稜線に出ました。久しぶりに明るい場所に出て、時間に追われる中ほっと一息でした。
稜線はしばらくは明るい雑木林が続きましたが、やがて左側の斜面のトラバース道となりました。ここで初めて人に出会いましたが、川之江からのご夫婦でしたが、こんな時間の出会いでずいぶん驚かせてしまったようでした。稜線をトラバースしてきた道は、やがて上吉原へと下っていきますが、これを右に曲がればわずかで山頂に立ちました。
狭い山頂の真ん中は祠が占めでいますが、南側は雄大な展望が広がっていました。まさに名前の通り国見山です。近景の敷の山の先に高知市街と浦戸湾が光り、南国平野から室戸岬までの海岸線が弓を描くように延びていました。また、東側には、町村境界に立つ、1044.5峰が一際高く見えていました。暖かく明るい山頂はつい長居をしたくなるのですが、今日はそういう訳にはいきませんでした。
下山は、往路を一気に下りました。植林地の中は登りよりもさらに暗くなっていましたが、麓まで降りるとまだ日が高く、車で県道の走る谷間まで降りて振り返ると、雪光山の山頂に夕日があたっているのが見えました。久しぶりの高知での1日も終わろうとしていました。
雪光山の山頂は爽快な展望があり、高知市街を一望できる、やはり国見山でした。市内からは北の山々が常に見えているのですが、やはり山に上がると、市街が手に取るように見えるのでした。まさに当たり前のことですが、1年半ぶりに帰省して生まれ育った町を見下ろしてみると、そういう当たり前のことが妙に不思議なのでした。
県道から国見山を振り返る
参考図書・地図 | その他のコース |
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分県ガイド 高知県の山(山と渓谷社) 25000図 川口 50000図 伊野 |
稜線をそのまま南下すると、敷の山を経て川口まで下る道があるようです。 上吉原に向けても道標がありましたが、詳細は不明です。 |