かまど倉

 かまど倉 556.6m
 山域:日光前衛 前日光

記録
 山行日2002年10月19日(土)
 ルート板荷駅→川化下→かまど倉(往復)
 コースタイム1325 板荷駅 → 1340 川化下バス停 → 1415/20 林道終点 → 1430 鉄塔 → 1448/1505 かまど倉山頂 → 1520 鉄塔 → 1527 林道終点 → 1615 板荷駅
 天候曇り

かまど倉という名は、ヤマケイのハイグレード・ハイキングに出ていたので、名前は記憶がありましたが、今回は遅い時間に栃木の山120を見て決めたので、簡単コースでした。このあたりはまだ紅葉は訪れていず、いかにも里山・低山という感じの山でした。

朝の空気を冷たく感じるようになると、冬枯れの尾根道を思い出します。ピリピリとする張りつめた空気を懐かしんでいるうちに、もう1ヶ月も山に向かっていないことがだんだん気になりはじめました。時計の針は9時を回っていますが、最悪夕暮れまでに下山できて、しかもある程度の遠出で、なじみの少ないような場所に行けて、少しでも旅情を感じられるところは無いでしょうか。そういうところから、今回のハイキングは始まりました。
板荷駅に止まる電車は1時間に1本でした。小さな駅舎を出てしばらくは車道を南へと向かいます。途中の道沿いの広場に熟し過ぎた1本の柿の木とその下に今ではすっかり見なくなった、30年ものと思われる錆び付いた自動販売機がポツンと立っているのが目を惹きました。
川化下のバス停で道を折れ山へと向かうと、黒川を渡ります。小さな橋の袂に大きな木があるのはどこかで見たような風景です。ここからしばらくは分岐の多い林道歩きが続くので、オリエンテーリングの如くにガイドブックに忠実に行くのが良いでしょう。主な分岐としては、まず川化林道と大川化林道の分岐は左の川化の方、川化支線との分岐は、直進の支線の方が立派そうですが、支線に入らずに右の方、そして、Y字路の黄色い送電線巡視路の標識がある分岐は、右の荒れ気味の林道へと入ります。本当に荒れた林道で、水流に掘られ沢床を歩くような道でした。林道が傾斜を増し、いつの間にか水の音も聞こえない草の道になると間もなく林道終点です。
ここから、やっと山道に入ります。若い植林地をジグザグに登って行くのは、林道歩きに多少飽きた気分であれば、楽しい時間です。それも10分ほどで周囲を高い笹に囲まれた、稜線の鉄塔に出ました。かまど倉の方に一ヶ所笹のトンネルがありますが、外から見ると解りづらく、鉄塔の真ん中あたりを探ってみるといいと思います。トンネルを抜けると、穏やかな植林の尾根道です。少し急な坂を登れば、岩の突き出た形の第1の展望に出ます。ここで尾根は右に曲がり、急坂を登って第2の展望台、その先が三角点のある山頂でした。山頂は展望がなく、さらに少し下ったあたりに、崖の上の展望台があります。ここには石祠がありました。
かまど倉の名前はこの断崖にかまど状の岩屋があることから付けられたとのことです。残念ながらこのコースを歩く限りそれは見ることができませんが、引田橋からこの崖を目指して登ってくるコースだと、見ることができるようです。但し、少しグレードの高そうなコースです。この崖の上から、折り重なる様に見える安蘇の前衛の山並をしばらく眺めているうちに、意外と山が多いのを知りました。
来た道を辿って黒川を渡る頃、ついに雨が降り出しました。たった一人の乗客として駅のホームのベンチに座っているころには、雨の音も雨の香りもはっきりするようになり、やがて2両編成の電車が入ってきました。そろそろ低い山をいろいろと訪ね歩くのにもいい季節になってきたようです。

本文中の写真

  • 道中で見た唯一の鮮やかな紅葉
  • 最初の展望台より

  • 参考図書・地図
    栃木の山120(随想舎 1997年発行)
    25000図 文挟
    50000図 鹿沼

    山頂直下の断崖上部にある祠
    その他のコース
    引田橋からかまど倉へ
    鉄塔から川化山を経て板荷へ
    いずれも、経験者向きコースとなります。
    交通機関
    駅から歩くコースなので、特にバス利用は必要ありませんが、川化下からは新鹿沼/板荷駅行きのバスがあり、時間があえば利用できます。
    鹿沼市より、「くらし・手続き」→「リーバス」小来川森崎線を参照下さい。