袈裟丸山

 袈裟丸山(前袈裟) 1878.2m 小丸山 1676m
 山域:足尾

記録
 山行日1996年5月26日(日)
 ルート折場登山口→小丸山→袈裟丸山(往復)
 コースタイム1015折場登山口→1110/1120賽の河原→1200小丸山→1300/1425袈裟丸山→1510/1515小丸山→1550賽の河原→1600/1630広い岩の上で休憩→1710折場登山口
 天候快晴

足尾山地の主脈南部に4つの連続したピークの袈裟丸連峰がある。南から順に前袈裟・後袈裟・中袈裟・奥袈裟と呼ばれ、その主脈北部は皇海山から日光白根山に至る。最高峰は奥袈裟(彦岩岳)の1961mである。前袈裟は4つの峰の中では高度は最も低く県境稜線と外れた位置にあるが、一等三角点の山であり最も良く登られていて、通常袈裟丸山というと前袈裟をさすようである。5月下旬の晴れた日アカヤシオツツジを楽しみにして、袈裟丸山に登った。

前袈裟へは最も近い折場口からの弓ノ手新道を登る。階段のつけられた道を行くと、やがて広く刈り取られた展望の尾根道となり、遠くに目指す袈裟丸山が見えてくる。のびやかな広々とした明るい道だ。途中道沿いに水場があり、冷たい水が落ちている。ずいぶん登ったころ、傾斜がだんだん緩やかになり、アカヤシオがポツポツ現れ始める。道に覆い被さる様にツツジの木のトンネルとなっているが、今日は残念ながら一面の花とはいかす、たくさんある株のなかで一部のものに花が咲いていたという程度であった。しかし、その薄いピンクの可憐な花はまだ緑の葉の無いツツジの群落の中で一際目立っている。平坦な道を進むと、展望台を経て賽の河原に出る。火山の名残の溶岩台地で、弘法大師の伝説のある地でもある。地元では子供が亡くなると親はここで石を積む。そうすると再び子供に出会えるという。あちこちに石が積み上げられており、突然現れる異景に思わず息を飲む。
賽の河原から小丸山に向かう尾根道をすすむ。笹の中の緩やかな気持ちのいい道である。小さなピークを越え、また再び石をたくさん積み上げてある溶岩台地をもう一度通過する。少し急な傾斜に替わりそれを登り切ると小丸山の頂上である。頂上からは、北に足尾の山々の伸びやかな尾根、そして皇海山、遠くにまだ雪をかぶった日光白根山や上州武尊山が望まれる展望のよいピークである。また、目指す袈裟丸連峰の4つのピークが大きく並んで横たわり、ずいぶん近くなったことがわかる。
小丸山から大きく下る。鞍部は小平地となっており避難小屋とトイレがある。次のピークは中腹の笹原のなかを巻いて通過し、やっと前袈裟の足下にたどり着く。ここからは樹林の中の急登となり、長く歩いてきた足には厳しい登りとなる。北面の樹下の道はまだ所々に雪が残っている。時折固定ロープのある急坂をあえぎながら登り、やがて樹林から抜け傾斜が緩やかになると山頂部の笹原だ。ここまでくればあと一息、晴々とした気分で爽快な笹原の中の道を行くと程なく袈裟丸山(前袈裟)の頂上である。
山頂からは、南側に展望があるが、あいにくもやがかかり顕著な展望は楽しめなかった。しかし、ここも実にのんびりした頂上で横になって穏やかな時を過ごすことができた。

今回の山行は nifty-serve の FYAMA の皆様方とご一緒させていただきました。


参考図書・地図
アルペンガイド奥日光・足尾・那須(1993年7月改訂第2刷)
25000図 袈裟丸山
50000図 足尾

小丸山からの袈裟丸連峰
その他のコース
・塔ノ沢登山口から小丸山、前袈裟
・郡界尾根登山口から後袈裟、前袈裟
・原向駅から小法師尾根、奥袈裟、後袈裟
交通機関
わたらせ渓谷鉄道「沢入」駅より徒歩となります。