鳴神山

 鳴神山 979.7m 花台沢の頭 811.5m 三峰山(高畑山) 697m

山域:安蘇
2000.11.25


しばらくは、三重県周辺の山や、中央線沿線の山々を歩いていたところ、群馬の渡良瀬逍遥さんから掲示板に書き込みいただき、なんとなく北関東の山が懐かしくなった。ちょうど北関東に行ってみるにはいい休日があったので、ガイドブックを見ながら鳴神山と決め、久しぶりに東武電車に乗りに北千住へと向かった。

何となく朝起きられなかったので、家を出るのが遅くなってしまった。電車に乗ってから、桐生に行く方法をあれこれ考えたが、どうもスピードでは特急りょうもう号が一番のようだ。亀戸から電車を乗り継いで北千住を9時の電車に乗る。早く出ればとっくに山頂に向かっている時刻なのだが、あせっても仕方がなく、今日は観光気分でと車窓の風景を眺めていると、ポカポカといい気分になって、いつの間にか館林に着いていた。
残念ながら今日は遠望が効かない日の様だ。遠くの風景はすっかり霞んでしまっている。新桐生で電車を降りると、適当なバスは無いのでタクシーで登山口に向かう。渡良瀬川を鉄の橋で渡ると、市街地を抜け意外と早く梅田に入っていった。タクシーなのでそのまま登山口まで入ってもらうが、バス停から先が意外と遠く、バスで来るとこれを歩くことになる。川沿いの道を進み、最終的には3700円であった。
登山口から、少しの間竹林の中の小道を進むと、すぐに左から登ってくる林道と合流する。未舗装の林道は広い登山道と言えなくもない。植林地に囲まれた中を沢に沿って登っていくと正面に滝が落ちていた。これを右から巻いて、林道をゆっくりと登って行く。植林地はよく整備されており、最近間伐が行われたような感じである。山肌には意外に露岩が多い。急坂にさしかかるとしばらく舗装路となり、このあたりの左側斜面は雑木林が広がっていた。その先で作業車が停まっており、伐採作業をしているところである。そして、すぐに山道への入り口となった。ここまで登山口から45分であった。
山道に入ってしばらく植林地を行くと、大きな岩と一つの石仏がある。この岩の下から水が湧き出していた。この先で雑木林の中の明るい枯れた沢に沿っていくと、再び暗い林に入る。その先にはもう明るい稜線が見えてきており、カッコソウの保護地の間を通って稜線上の広場に立った。
鳴神山は、雷神嶽または嶽山ともいい、古くからの信仰の山とのことである。鳴神神社の建物もある広場から、山犬の形の狛犬の間を通り、鳥居をくぐって最後の山頂への急坂を登る。落ち葉が敷き詰められて道でちょっと滑りやすい。双耳峰の中間に出て、右に行けば主峰の桐生岳の山頂である。展望はよく開けており、狭い山頂に、石の祠が4つ並んでいた。男体山から白根山、皇海山、袈裟丸山などが見えるが、ちょっと霞み気味である。近くには右手に根本山などが見えた。この山頂では日があたり、ポカポカと暖かかった。
山頂には3組7人の人がいて、狭いのでなんとなく落ちつかず、もう一方の仁田山岳の方に行ってみた。こちらは展望はないが静かな山頂で、ツツジの木が多いとのこと、春になるときっと花が楽しめるに違いない。こちらでもちょうどお昼時あった。あちこちとしばらくうろうろしていたが、結局腰を落ちつけないまま縦走路へと向かうことにした。
再び肩の広場に下ったあと、南へと尾根を進んでいく。しばらくはあまり顕著な特徴のない、かたや植林地、そして雑木林という風景である。折から日が陰ってしまったので、ちょっと寂しい感じだ。しかし、植林地は左へと下っていき、湯山沢の頭へと登って行くあたりは、冬枯れの雑木林が広がって素晴らしく、静かな落ち葉の敷き詰められた明るい道を緩やかに歩いていく。まるで低山ハイカーの宝物のような道であり、ここは素直に嬉しいところであった。湯山沢の頭に着くと、北の樹間越しに鳴神山が大きく見える。広々とした落ち葉の絨毯のピークで腰を下ろしてひと休みした。
さらに尾根を進み、四等三角点の埋まる花台沢の頭に着く。ここは西側の展望があるが、ピーク自体は少し狭い感じがした。再び植林地に入ってグイグイと下って行く。そして登り返したところが、祠と石仏のある樹林に囲まれた広場の三峰山(高畑山)であった。三峰山からはの下りは左側が若い植林地となっており、梅田の町並みがのぞまれる見通しのいい尾根を通っていく。やがて樹林の中に入ってどんどん下り、正面の大形山の高さを意識するようになると、金沢峠についた。峠から西側は、まだ紅葉が残っていた。
峠から少し下るとすぐに林道である。この林道は舗装路になって、しかも傾斜がかなり急なので、かなり足に応える道だ。枝道が交錯する中を、足をかばいながら下りきると、金沢の集落を抜けていくようになる。晩秋の集落を通り過ぎればさらに町へと下って行き、大きな見事に紅葉している銀杏の木のあるお寺に出ると観音橋のバス停であった。バスまで1時間待ちで、しかたがないなとベンチに座っていると、途中で追い抜いた方が、タクシーを呼んだということで同乗させてもらうことにする。運転手は朝と同じ人で、聞けば同乗させてくれた人も同じ運転手だったようである。彼は桐生駅で降りたが、私は新桐生まで行った。桐生から新桐生までは、意外と遠かった。

本文中の写真(順に)

  • 静かな仁田山岳
  • 冬枯れの雑木林の道
  • 三峰山の祠と石仏


  • 記録

    日 程

    2000年11月25日(土)

    天 候

    晴れ時々曇り

    コース

    1055 木品登山口 → 1140/50 林道終点 → 1220/50 鳴神山 → 1330/35 湯山沢の頭 → 1440 花台沢の頭 → 1457 三峰山(高畑山) → 1416/20 金沢峠 → 1500 観音橋バス停

    展望が広がる鳴神山桐生岳の山頂


    参考図書・地図 その他のコース
    エアリアマップ 赤城・皇海・筑波
    関東付近の山(実業之日本社)
    関東百山(実業之日本社)
    25000図 番場 大間々
    50000図 桐生及足利
    駒形登山口から鳴神山
    神戸駅、または木品登山口から、座間峠を経て鳴神山
    吹上から金沢峠・鳴神山
    金沢峠から大形山・吾妻山を経て桐生駅
    等のいろんなコース取りができます。
    バス
    おりひめバス JR桐生駅より、梅田方面行 6:25 8:05 11:00 梅田南小前下車(登山口まで徒歩1時間10分)
    東武新桐生駅より、桐生女子高校前方面行きに乗り、終点で上記バスに乗換。
    詳細は、上記HPで路線図と時刻表を確認下さい。
    帰りの観音橋からのバスが無い場合、新桐生に帰る場合は、本数の多い桐生女子校前まで歩くという手もあるようです。