大鳥屋山

693.1m

山域:安蘇
2003.7.19


朝から重く雲がたれ込めている日でしたが、それほど大雨になりそうな訳でもなく、気楽に登れそうな山に出かけました。季節も天候もいいタイミングとは言えず、いかにも梅雨時の山を歩いたという感じでした。

東北道を北に向かうと、雲がだんだん厚くなってきました。それほど天気に期待している訳ではないですが、さすがに大雨になって欲しくはありません。佐野市内を通過中、佐野ラーメンの店に立ち寄ってしまいます。朝食抜きだったものですから..。
さて、田沼町の旗川沿いにどんどん遡っていくと、安蘇の主脈から派生する尾根の谷間にのんびりした田園風景は広がりました。いくつもの尾根があるので、こういったいくつもの谷があることだろうと思いました。
蛭沢のあたりで橋を対岸に渡ると、道はすぐに採石場に入っていきます。よくわからなくて、ウロウロしましたが、採石場の人に聞くと、そのまま事務所の前を通過してから、右に逸れて沢沿いに進めばいいとのこと。その通り行くと、細い未舗装の林道に出ました。この道をしばらく進み、道が左に大きく曲がるあたりが登山口で、そのまま草深い道に直進して乗り入れ、その先の小さなスペースに駐車して出発しました。
小さくなった沢を木の橋で対岸の植林地に渡ります。ここから少しの間は、すべての藪がぐっしょりと濡れて道に被さっており、しかも蜘蛛の巣が多く、まさに梅雨時の低山そのものでした。雨具を着込んで登ることとして、しばらく進むと植林地の暗い道となったので藪は無くなりましたが、蜘蛛の巣は時々現れました。
植林地の中にゆったりとつけられた道を登っていくと、やがて頭上に林道が見えてきました。先ほどの林道は結局林道は稜線を越えていくので、そのまま車で走っても、どこかで登り口には行き着くはずです。折り返しながら登ると、道は林道で途切れ、這い上がるようにして林道に立ち、左下にある登り口から再び山道に入りました。切通しからは、広い採石場と谷間の集落が見渡せます。しかし日が良くあたるところなので、再び藪を押し分けて行くこととなりました。やがて林の中に入ると、すこし登ったところが、石仏のある峠でした。
ここから稜線歩きです。植林の中を小さなアップダウンを越えて行くと、自然林の尾根に出て、気分が良くなります。痩せた尾根の所は、遠くが望めそうなところがありましたは、今日は雲の中でした。道は再び植林地の中に入ってしまい、だらだらと坂道を登って行きます。かなり道の彫りが深く、信仰の山として良く歩かれていたことを思わせます。
640mのピークの手前で道は斜面をトラバースして方向を変えました。少し広い雑木林の尾根を緩やかに下ると、カタクリの群生する鞍部ですが、今は影も形もありません。大鳥屋山への最後の登りはあくまでも暗い植林地の登りです。前方には黒い幹と白い靄のみ、先が見えない中を一歩一歩登り、やがて見える前方の光の窓に期待します。そしてついにそこまで行き着くと、林に囲まれた狭いの草むらの中に一等三角点を見つけました。ちょっとあっけない幕切れでした。
山頂は平で長く、三角点の場所以外は植林で埋まっています。植林の中には祠や石碑があり、大きな石板は御嶽信仰のものでした。道はさらに岳の山の方へと続いていますが、そちらの方は若い植林地のでした。少し山頂で腰を落ち着けましたが、特に何があるでもなく、目の前の草にとまった小さな蝶を見ていた次第です。
下山はもとの道を忠実にたどりましたが、下に行くほど草が茂って、なんとなく鬱陶しさがつのり、途中で滑って転んだときには最高潮に達してしまいました。車まで降りて雨具を脱ぎましたが、僅か2時間ではありますが、全身濡れネズミの山なのでした。

本文中の写真(順に)

  • 石仏のある峠
  • 山頂で眺めていた蝶


  • 記録

    日 程

    2003年07月19日(土)

    天 候

    曇り一時雨

    コース

    1248 登山口 → 1310 林道横断 → 1315/20 石仏の峠 → 1346 640P → 1358/1410 大鳥屋山 → 1440 峠 → 1500 登山口

    大鳥屋山山頂にある石碑


    参考図書・地図 その他のコース
    栃木の山120(随想舎)
    25000図 仙波
    50000図 栃木
    岳の山あるいは、唐沢山より縦走することができます。
    バス
    田沼町営バスが佐野駅あるいは東武田沼駅より運行されます。時刻表及び路線図が、田沼町のホームページの中の暮らしの便利帳にあります。
    野上線の「山口」下車となります。