夕方5時には自宅に帰らなければならず、疲れ気味もあって朝起きたのが7時と、無理してでもという感じでは無かったのですが、かといって昼間後悔するよりはと山に向かいました。あまりガイドブックには載っていない山ではありますが、昔、実業之日本社から出ていた関東百山に載っていたので、気になっていた山でした。この日は37度と、標高700mに満たない山に登るには良いコンディションとは言えないのではありますが。
千葉を出て湾岸線を都心に向かうと、四ツ木で事故渋滞とのこと。仕方がないので箱崎経由で小菅へ。しかしこの日の渋滞はなかなかのものだった。東名高速と中央道は大渋滞。関越へも大泉付近で外環が渋滞。常磐道は柏で事故渋滞。というわけで、まともに走れるのは東北道だけなのである。途中蓮田のPAで車から降りると熱気に溶けてしまいそう。高速から降りて足利市に向かう道では、暑くて暑くてパワーの無い軽では、エアコンをかけても車内の温度は上がる一方。仕方がないので窓を全開にして風に当たりながら走っていった。
岩切登山口には私有地に駐車場が作ってあり、500円であった。少し手前の、小俣北町のバス停付近にも停められそうではある。準備をして山に向かう。鳥居をくぐって、開けた植林地の中の車道を奥に進む。あまり陰が無く、熱気の中を行く。荒れ気味の車道も堰堤が見えると終わり、山道に入っていく。ここからは樹林の中の道となり、一瞬涼しいと感じた。
道は不動沢の流れを、丸木橋で何度も渡りながら進んでいく。入り口には若干植林があるが、すぐ雑木林のよく茂った暗い森となる。それほど急な傾斜もなく、ゆったりと進んでいく。しかし、いくら樹幹の中の沢沿いの道とはいえ、空気は動かず、歩くうちにだんだん暑さがこたえてくる。山頂まで行き着けるのだろうかと思う。しばらく進むと、不動沢の滝への分岐に出る。滝の方に降りてみると、小さな滑滝があった。この滝は下って見るよりも、滝を経由しない登山道から見下ろした方が立派に感じる。滝経由の道も少し先でもとの道と合流した。
途中左に小さな水場があり、さらにあまり傾斜の無い道を沢沿いに進んでいく。やがて、壊れかけたトイレがあり、その先に生不動尊があった。鳥居と石灯籠と祠があるが、石像などは無いようである。この先から少しの間、かつてのマンガン鉱山の坑口が見られる。ほとんどは金網をかぶせて立ち入り禁止と表示してあった。
さらに流れに沿って進み、小さな滝を越えるとだんだん沢が細くなってくる。ちょっと開けて日当たりが良く、その分草木が良く茂ったあたりに出ると沢も涸れてしまう。このあたりには、花の終わったヤマアジサイがあった。やがて源頭部になり、地元の小学校の立てた「これより難所」の看板をすぎると、道は徐々に傾斜を増し始める。ここから稜線の熊の分岐までのわずかな区間は、大変厳しい。今の季節で無ければ何ということもないと思うが、空気は暑く、ずっしり沈んで息は苦しく、体中から汗が吹き出して、シャツは水をかぶったようになる。急坂は多少岩も出て、ロープも張ってある。体長がおかしいんではないか?と思わせるような登りを、登り切ると熊の分岐に出た。あまり風が通らず、座って休んでもまだ汗が流れ続けた。
熊の分岐からは、稜線を辿って山頂へと向かう。最初は断続的に急坂が続いたあとは、緩やかなアップダウンの繰り返しとなる。このあたりは、アカマツと落葉樹の林が続く。小さなピークを巻きながら進んでいく。やがて緩やかな尾根を登り詰めると、小さな平地に出た。ここは仙人ヶ岳の東端のピークで、すぐ手前から赤雪山への道が分岐している。ここから少し下って登り返したところが三角点のある山頂であった。
山頂には5人のパーティーが休んでいた。いやぁ暑いですねと声をかけると、ちょっとね、と返ってきた。山頂に少しいるといい風が吹いてきた。なるほど、ここは気持ちいいかもしれない。山頂は周囲を木に囲まれており、樹幹からの眺めとなるが、正面に高いのは鳴神山と桐生に向かう尾根だろうか。陽が当たらずまずまずの風の吹く山頂で、先客に赤飯とサクランボをいただき、ありがたく休憩した。
帰路は来た道を忠実に戻る。熊の分岐から猪子峠に向かう道は展望もあるようで面白そうだが、今日は早く返らないといけないので割愛した。もっとも暑かったという理由もプラスされているのだが。駆け下るごとに暑くなっていき、時折流れに手を浸しながら下っていった。
来るときは小俣から入ったので、帰路は猪子峠を越え、足利市街へと向かいました。途中もう一つ峠を越えましたが、名草巨石群へ向かう関東ふれあいの道を横切り、これもまた面白そうと思いました。しかし、さすがに今は旬ではないでしょうね。冬の楽しみにとっておきましょう....。
樹林に囲まれ、広い仙人ヶ岳山頂
参考図書・地図 | その他のコース |
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栃木の山120(随想舎) 関東百山(実業之日本社) 25000図 足利北部 番場 50000図 桐生及足利 |
猪子峠から稜線通しで仙人ヶ岳へ 桐生側からは、黒川ダムから仙人ヶ岳へ 赤雪山からの縦走 等があります。 |