烏帽子岳

870m
山域:鈴鹿
1999.12.11


前日に友人と約束して、半日ハイキングということで、鈴鹿北部の烏帽子岳を目指した。この日は残念ながら北部は天気が思わしくなく、冷たい雨に打たれることとなったが、静かな山を楽しむことができた。

時山橋に着くころから、ポツリポツリと水滴が落ちてきた。鐘釣谷の登山口には、遭難が多く、時山のバンガロー村からの道へ回るようにとの警告が掲げてあるが、予定通り鐘釣谷コースをとることにする。道はいきなりの急登で、足場も浮き石が多く、最初から歩きづらい。すぐにふくらはぎや腰に痛みが出てくるが、この種の痛みは雪が少し積もって滑りやすい急登を行く時と同じ種類のものだ。少し尾根を登った後、鐘釣谷に沿ってのトラバース道に入るが、時折崩壊地など、足の置き場が狭い所もあり慎重に通過する。しかし、谷に降りるところなど、小さな滝が目を楽しませてくれた。しばらくは、小尾根を乗り越しては枝沢に沿いという形を数回繰り返し、左へ左へと尾根を渡っていく。概して道は険しいが、目印は十分過ぎるほどあるので迷うことはない。やがて、植林の中のトラバース道を辿ってはっきりした尾根に上がり小休止とした。
再びすぐに尾根からはずれて、2つの尾根の間の急斜面の山腹をジグザグに登って行く道となる。終始植林の中で展望もなく傾斜もあり、とりあえず頑張るしかないような苦しい所が続く。何度も折り返してひたすら登りに終始し、見上げてもいつも上に斜面が続いている。しかしそんな登りもやがて終わりを告げ、再び稜線に出ると雑木林に変わり、振り向けば本格的な雨となったこちらとは違って北面の山は日が射しており、霧雨に反射して綺麗な虹が出ていた。
稜線にでてからは山頂への冬枯れの快適な登りである。雨の中ではあるが、木々を縫って気分良く登っていくと三角点に出た。最高点はここより三国岳よりにあるが、その間笹の中を分ける道になっているので、すっかり雨具に着替えた。すぐに到達した最高点は、特に眺望の無い狭いが静かな山頂であった。下山は登山口で推奨されていた時山のバンガロー村への道をとることにする。山頂から急下降すると、篠立への分岐である。篠立方向へは拘留孫山経由で稜線を忠実に辿れば危険はないとある。三国岳への稜線は鉄塔巡視路となり、歩きやすく整備されており、雰囲気のいい雑木林の道である。途中に展望が開けそうな場所があったが、雲さえなければ藤原や御池が見えるに違いない。やがて時山近道の標識に導かれ斜面を急下降すると、いい道と合流し北面の自然林の中の下りとなる。途中の肩状の平坦地で小休止してせっかく持ってきたウィスキーと紅茶で暖まりつつ、静かな山中を楽しんだ。
以降、時山への下りは鉄塔巡視路として十分に整備されており、ゴム製の階段は雨でも滑りにくく、快適に下ることができる。鉄塔までくると眼下に時山の集落が一望できた。バンガロー村に降り立ち、鐘釣谷の登山口まで車道を歩く。歩いている間は雨が結構降っていたが、車に着くとあがってしまった。



記録

日 程

99年12月11日(土)

天 候

曇り時々雨

コース

0725 鐘釣谷登山口 → 0755/0805 稜線 → 0845/50 三角点 → 0855/0900 烏帽子岳最高点 → 0910 時山(近道)分岐 → 1000 時山バンガロー村 → 1020 鐘釣谷登山口

烏帽子岳最高点


参考図書・地図
ヤマケイアルペンガイド 鈴鹿・美濃
エアリアマップ 霊仙・伊吹・藤原 50000図 彦根東部
25000図 篠立