御在所山

1212m

山域:鈴鹿
2000.9.2


御在所山は鈴鹿のシンボルであり、四日市市内からは鎌ヶ岳とともに正面に屹立しているのが眺められる。観光客で賑わう山であるが、いくつかの個性あるコースが開かれるハイキングの山でもある。山を初めて3回目に登ったのが武平峠からの御在所山だったし、それ以来3度山頂に立っている。今回は200回目の山にあたり、8年ぶりに山頂を目指した。今回は人気のある中道コースである。

市内上空は晴れているが、主稜線は雲が厚くかかっており、御在所は辛うじて時折山頂が見える程度だった。鈴鹿スカイラインの旧料金所あたりに車を停め、すぐ上の入り口から中道に入る。先行する団体さんをなんとなく追い越してしまい、そのままオーバーペースになって、最初から少し苦しい登りになってしまった。登りはじめからそこそこの傾斜があり、花崗岩のざれた岩混じりの道もあって、順調に高度を稼いでいく。一汗かいたころ写真でよく見るおばれ岩に着き、全体がよく見える場所でゆっくり休憩した。おばれ岩は背負われている方が大きく下側がなんとなく可愛そうである。
おばれ岩を過ぎると、時折露岩の展望のいい場所が現れる。地蔵岩の横を過ぎてなおも登っていくと、平坦な尾根の向こうに、高く急峻に聳える御在所が見える、開けた場所にでた。気分のいいところで、数人のハイカーが休憩していた。ここからは、しばらくの間は平坦な道となり、最後に大きな露岩が現れ、鎖場を下るとキレットに降り立った。
キレットからは最後の急登が立ち上がる。しばらくは樹林の中をじっくり登ることになるが、かなりきびしく疲れもでるところだ。深く広い堀割の中の急坂では、ふらふらしながら登っていたので、横の壁にある木の根で2度も胸や腕を突かれてしまった。高度を上げるに従ってガスも出て少し暗くなっていたが、樹林から出て露岩あるあたりで休んでいると、ついに雨が降り始めた。ここまでくれば、もう頂上は遠くないはずと早々に腰を上げ、急ぎ足で岩場を少し下り気味に巻いたあと、最後の登りにとりつく。ここには滑りやすい鎖場というのがあるが、横に普通の踏み跡もできている。あとは急な登りもなく、再び雨は小やみになり、すぐに山上公園の一角に達することができた。
とりあえず朝陽台に登り、ロープウェイの駅を通って遊歩道に向かう。あとは通い慣れた舗装路を辿って三角点、最高点、国定公園碑と回ってきた。山頂の天気は、ガスで真っ白になったり、強風がきたと思うとサーッとガスが消えて愛知川への谷間が綺麗に見えたり、パラパラと雨が降りだしたりと、まさに鈴鹿のガスの中いるという雰囲気であった。
山頂から戻ってレストランに入り、ビールを買って一応200回に乾杯である。最初にここに来て以来、いろんな山にいろんなことを教わったものだと思うと感慨深い。窓の外は鎌ヶ岳があるはずだが、真っ白なガスに沈んでいる。あそこに行ったときは、この200回の中でも、たぶん一番怖い思いをしているのだが....。
下山は新道を下る。最初は笹のかぶり気味のトラバース状の道を行き、下りになると、大黒岩を頭上に見ながら、鎖に頼ったりの急下降がどんどん続く。少し緩くなったと思うと、3本の平らな岩が立っているところに出た。恵比寿岩だろうか。ここを過ぎると普通の下降になり、車の音も大きくなってくる。尾根の左側の山腹をからむ道になると、下に御在所山の家の赤い屋根が見えてきた。山の家に降り立ち、小屋の横の水を一口飲んで200回目の山行を終えた。

本文中の写真(順に)

  • 見上げる地蔵岩
  • 稜線から御在所山山頂をのぞむ

    スナップ:おばれ岩全景

    記録

    日 程

    2000年9月2日(土)

    天 候

    晴れ時々雨

    コース

    0935 中道登山口 → 1000/10 おばれ岩 → 1105 山上公園 → 1125/50 御在所山頂 → 1200/30 レストラン →(新道)→ 1350 御在所山の家

    中道名物おばれ岩


    参考図書・地図 その他のコース
    エアリアマップ 御在所・鎌ヶ岳
    アルペンガイド 鈴鹿・美濃
    25000図 御在所山
    50000図 御在所山
    御在所山への主要なコースとしては、
    1.表道(急登の連続)
    2.中道(本コース)
    3.裏道(緩やかで初心者向きだが、多少長い)
    4.武平峠(距離も短く早い)
    5.一ノ谷新道(下ったコース。下りにとると早い)
    がある。他にも国見尾根を経て等のコースどりが可能である。
    バス
    近鉄湯ノ山温泉駅から、湯ノ山温泉までバスは1時間に2〜3本あり。
    また名古屋からの高速バスもある。
    時刻表は三重交通を参照ください。