石津御嶽

 石津御嶽 655m 多度山 403m

山域:養老山地
2001.2.18


日曜日も昨日に引き続き大変いいお天気だったのですが、朝方まで所用があったため、出発が遅くなりました。従って、あまり遠くないところということで、年末に多度山から、縦走路への入り口を見て気になっていた、石津御嶽を目指しました。すっかり春のような陽気の中の日溜まりハイクとなりました。

1.登山口へ

桑名から国道258号線に入り、近鉄養老線に沿った道を北上する。いい天気ではあるがすでに時間も遅く、遠景はモヤがかかっていた。石津郵便局を過ぎると右に石津商店街の看板のある交差点を左にまがる。ここは右の商店街の方にいけば、石津駅である。緩やかな傾斜の民家の中の道を登っていくと、やがてミカン畑の中を走るようになり、正面に神社の鳥居が見えてきた。このあたりは、一面の田園地帯に、衝立のように養老山脈が立ち上がり雄大な風景であるが、それほど圧迫感を感じないのは、標高が低くかつ穏やかな山々だからであろう。正面の右には、盤若谷の採石場に削られた山肌が見え、痛ましい光景である。路傍には左御嶽道との石柱がある、神社の登り口のあたりの広場に車を停め、山へと向かっていった。

2.石津御嶽

神社への急な舗装路を登り、鳥居をくぐって山道に入る。といっても少しの間は階段の道が続き、これを登ると小さな里宮に着いた。里宮から標識に導かれて、右の山道へと入っていく。すぐに一合目の標石が出てきた。
山道の登りは傾斜の緩いジグザグの道である。植林の中ではあるが、意外と明るく、いかにも午後の散歩という感じで、ゆっくりと登って行く。途中で、3台の自転車とすれ違った。MTBの盛んな山でもあるらしい。大きくジグザグをきりながら少しづつ高度を上げていき、前山にあたる部分を、登り切ったかなと思うあたりが四合目である。この周辺にたくさんの石碑のある場所があった。時折、眼下に木曽三川と濃尾平野が広がり、特に揖斐川の流域が良く見える。広々として気分のいい展望である。明るい林床には、1人1本ということで、名札をつけて、植林をしてあった。植えてあるのはブナやコナラなどと、いろいろあるようだ。
ここから少し登ると、右側が妙に明るくなった。たぶん、切通になっているなと思って行ってみると、案の定足元は採石場であった。重機が下にオモチャのように見える。麓からは解らなかったが、盤若谷は、その周囲をぐるりと採石されているようだ。そして、しばらくは採石場の縁に沿った登りになった。確かにやたら明るいのは気持ちいいのだが、光景は見るに絶えない。途中に五合目の標石がある。
採石場に沿う道から再び左に折れ、樹林の道に入る。すぐに六合目があり、五合目との間隔が短いのは、きっと道を付け替えたからだろう。このあたりからは、左が植林、右が自然林となる。自然林は常緑樹の密集した森だが、その先に採石場とを区切る鉄柵が見え隠れしていた。
七合目は、小広い尾根上の広場で、ここにも石碑がいくつか並んでいる。そして、このあたりが採石場の上端に当たるようだ。ここを過ぎると、少しだけ道の傾斜がきつくなり、植林にしろ雑木林にしろ、下草は笹で覆われるようになった。
八合目を過ぎると、石段を登ったところに、八海山を祀る祠がある。九合目には立派な石像が一体。これは、石津御嶽を開山された方のものであろうか。そして少し登ると、小屋の建つ広場に出た。この小屋は分岐点になっていて、右に登ると頂上の神社に至る。最後の階段を登ると社があるが、鍵がかけてあった。裏手に回ると明るいカヤトの草原で、暖かくて気持ちのいいところである。
養老山地の山々の展望は、ちょっと特徴をつかみづらいが、稜線の向こうには、おなじみの藤原や御池が見えている。その向こうに横たわる真っ白いのは伊吹山だろう。南西方向には、竜ヶ岳から静ヶ岳への稜線が、これは綺麗にみえていた。
さて、石津御嶽の山頂は、この神社にまちがいないとは思うが、南にもう一つのピークがある。標高は両方とも650m圏である。三角点は分岐の小屋のところで、629mだ。多度へ向かう道すがら南のピークに登ってみる。どうせ道は無いだろうと適当に藪を登ったら、山頂はカヤトの原の切り開きで看板まであった。実は、尾根の南側から道がついていたのであった。正面には、神社のある北峰が見える。ここは明るく休むのに良い場所だと思った。

3.多度山へ

石津御嶽からは、予定通り多度山への縦走路へと向かっていく。ピークから少し下ると、なんと車道が横切っていた。この車道を突っ切って幅の広い鉄塔巡視路へと進んでいく。このあたりは道標がないが、広い道を緩やかにアップダウンしながら進む。植林も多いが、雑木林のトンネルの区間もあり、穏やかないい道である。しばらく進むと、左側の展望が開け、隣の尾根が見えた。
あれ?! 多度山への縦走路は一番東の揖斐川沿いを通るはずである。今乗っている尾根は南西に真っ直ぐ下っていっており、北勢線沿いのどこかに降りそうな気がするが、どうも、道を間違えたようだ。
再び、緩やかな道を元に戻っていく。下った訳ではないので、気は楽である。むしろ再び下っていくくらいの感じだった。そして車道まで戻り、今度はそのまま車道を南に進んでみた。
緩やかに下りながら行くと、先ほど間違えた尾根から見えた、鉄塔の工事現場に着いた。これを過ぎて車道を進むと、今度はDokomoの鉄塔があり、ここで車道は終わり、稜線の縦走路へと入っていく。多度山上公園の道標が出てきて一安心である。しかし、まだ5キロ以上あり、先は長い。
ここから多度山への道は、殆どが雑木林で、なかなか味わい深い縦走路だ。下っては平坦になりという形で数回繰り返していく。途中に時折電柱が出てくるのが玉に瑕ではある。縦走路はMTBやオートバイがよく通るようで、時々道がV字型に掘れていたりする。特に柔らかい場所というのがあるのかもしれない。やがてあまりアップダウンも無くなると、ちょっとした痩せ尾根になったり、歩く場所がなぜか回りよりも一段高くなっているような道になったりする。そうなれば、まもなく見覚えのある、多度峡からの道との分岐に飛び出した。
ここからは舗装路となり、2ヶ月前に通った道を淡々と歩く。一応三角点のある展望台によって、夕暮れ木曽三川の流れを眺めたあと、ヤング広場の片隅から、愛宕神社への道を下った。愛宕神社への下りは多度山への他の道とは違い、山道らしい道である。上半分の雑木林を下ったあと、植林を抜けて愛宕神社に到着。車道を左に進み、再び登るよう車道を歩き、展望コースへの入り口を経て、宇賀神社に下った。そして2ヶ月前と同じように、多度駅へ向かった。
多度駅ではちょうどタイミングよく大垣行きの電車が入ってきた。2駅乗って、石津駅着。夕暮れの神社への道を登っていく。子供たちの遊ぶ姿のある里の道の脇には、梅の花がすでに咲き始めていた。

ちょっと登ってこようという感じで出かけたのですが、けっこう歩きでのあるコースでした。途中で尾根を間違えたのは30分のロスで失敗でしたが、そちらもかなりしっかりとした道でした。養老の方はあまり歩いていませんが、なんとなく優しい感じの山だと思いました。また北部の方にも足を延ばしてみあいと思います。

本文中の写真

  • 五合目の標石
  • 石津御嶽山頂の神社
  • 南峰のカヤトの山頂
  • 多度山への縦走路



  • 記録

    日 程

    2001年2月18日(日)

    天 候

    晴れ

    コース

    1200 石津神社 → 1230/35 四合目 → 1315 九合目 → 1330/40 山頂(奥宮) → 1345/50 山頂 → 1355 車道 --隣の尾根へ-- 1430 車道 → NTTドコモ鉄塔 → 1530 多度峡分岐 → 1550 多度山 → 1617 愛宕神社 → 1635 宇賀神社 → 1645 多度駅

    南峰から神社のある北峰を見る


    参考図書・地図 その他のコース
    25000図 駒野 阿下喜 弥富
    50000図 津島 桑名
    いろいろと道はありそうですが、一般ルートとしては、北にむかって、田代池を経由して、北勢町の鼓に出るコースがあります。なかなか長いコースのようです。
    バス
    近鉄養老線の駅から歩けるコースです。