拘留孫岳

 拘留孫岳 772m 烏帽子岳 870m

山域:鈴鹿
2000.4.29


社内の登山クラブのハイキングに誘っていただき、鈴鹿の山の取って置きの場所に連れていってもらった。素晴らしい展望と花のある道は歩く人も少なくくつろいだ1日を過ごすことができた。

拘留孫岳(くるそんだけ)は、烏帽子岳から篠立に下る稜線上のピークで、麓から見れば、前衛峰として立派な山容を見せており、山頂には最近反射板が設置されて切り開かれている。一般的には篠立林道の竜王さんへの登り口の少し先にある登山口からの道がエアリアにも出ているが、今回は鉄塔の巡視路を辿るいいコースがあるとのことで、篠立林道の終点付近から取り付いた。
篠立林道の歩きは花や山菜も多く楽しい道であった。途中眼下に白石鉱山の廃工場を見、尾根の向こうから電気をひいてきた古いコンクリートの電柱が往事の繁栄を忍ばせる。林道も奥に入っていくと、水流のある沢のたもとに巡視路の入り口があり、ここから山腹に取り付く。この入り口にはイカリソウが白い花を咲かせていた。
巡視路は植林の多い中の、かなりの急登だが、アミダ籤状にうまくつくってあり、一気に登れば、踊り場で休みという構造である。観光課が机上つくる階段と違って、ここは実用的で大変歩きやすい。紫色のミツバツツジを楽しみながらどんどん高度を稼げば、鉄塔に出て一気に視界が開けた。三国岳が正面に見え、大きく目を引く。それはまだ登ったことが無いピークである。鉄塔を過ぎると雑木林の道となり、綺麗な森の中をゆったりと高度を上げていく。傾斜が緩くなれば間もなく山頂に到着。反射板が設置され、広く刈り払われており、藤原岳〜御池岳、三国岳〜烏帽子岳と雄大な展望が楽しめる。いつまでいても飽きない憩いの山頂であった。
時間があるので烏帽子を往復する。烏帽子岳までは巡視路のいい道が続き、二次林が美しい。烏帽子岳に近づくにつれ、カタクリの花も出てくる。烏帽子直下に出れば、イワウチワの大群落とショウジョウバカマの群落。カタクリは最高点〜三角点の間に多いようだ。快晴の中の楽しい花見旅であった。
下山はエアリアの点線の道で稜線を行き、分岐を長楽寺の方に下る。多少藪っぽいが、踏み跡はしっかりしていた。朝通過した、竜王さんの登り口の少し先に降り立つ。ここは道標は無いが、木にテープ巻いてある場所である。
拘留孫岳は行程は短いが、展望の飽きない山頂だった。そして、連休だというのに他に誰も来ないという、静かな取って置きの場所なのだった。



記録

日 程

2000年4月29日(土)

天 候

晴れ

コース

0905 長楽寺 → 1000/05 巡視路入口 → 1030/37 鉄塔 → 1055/1245 拘留孫岳 → 1325/35 烏帽子岳 → 1410/1505 拘留孫岳 → 1535 林道 → 1605 長楽寺

拘留孫岳から見る烏帽子岳の展望


参考図書・地図
エアリアマップ 霊仙・伊吹・藤原
25000図 篠立
50000図 彦根東部