明星ヶ岳

560m
山域:鈴鹿
1999.12.23


12月ともなると鈴鹿の山は、たとえ平地が晴れていても、雲に覆われてしまうことが多くなる。この日も山の見える所まで出ると、中央部は一面の黒い雲に覆われており、予定を変更して、南部の低山の明星ヶ岳に向かった。

亀山バイバスから登山口までは、さんざん道に迷って、ぐるぐる回っていつうちに、目の前に石灯籠が現れた。よく見ると明星ヶ岳の道標があり、その前に車を止める。最初は舗装路をゆっくり登って山門をくぐり、舗装が切れると広く切り開かれた土の道となる。このあたりは、行程が短い山なので急がずのんびりと歩くのを楽しんで行く。地蔵平にさしかかると小高い展望の良い肩にベンチがあり、以後、地蔵が次々と現れる。実にいろんな顔をしている。やがて正面に建物が見え、国分寺に到着。明星山宝生院国分寺は山中の寺だが、由緒ある寺故、立派で境内には立派な椎の大木もあり、いろんな神様がお祭りしてある。また、境内から伊勢平野の展望も良い。国分寺は聖武天皇ゆかりの寺で、蒲生氏や六角氏の討入で焼かれたということである。往時はどんな寺だったのだろう。
明星ヶ岳へは、寺の左からジグザグの坂道を登る。登り切ると、小尾根を進むようになり、倒木が多くなる。特に、一旦鞍部に下るあたりがひどく、道が一瞬解らなくなってとまどったり、木を乗り越え、潜りぬけ、衣服にかぎ裂きを作る始末で、アスレチックとかジャングルジムとかいう言葉が頭をよぎる程であった。
倒木の中一旦下った鞍部からはまずまずの急登を登る。このあたりは障害物も少なくなり、登りは厳しいが、先ほどの下りよりよほど歩きやすい。登り切ると、植林帯を緩やかにアップダウンして三角点のある東峰に到着する。ここは展望は良くなく、そのまま西峰に向かう。痩せた尾根を木に掴まりながら歩いて登っていけば狭いが雄大な展望の広がる山頂に到着した。
展望は正面に仙ヶ岳と野登山。その奥に鎌ヶ岳と御在所が重なり、その左にここだけは雲をかぶっている雨乞岳がある。またすぐ近くには、四方草山と三子山があり、興味を引かれる。南には高畑山から油日岳への稜線が続く。しかし、安楽越えを第二名神が越える日も近く、坂本からかもしか高原にかけての、のびやかな風景が数年先には一変してしまうことを考えると残念である。朝方暗い雲の中にあった主稜線が、このようにすっかり晴れてしまい、あっちの方に行けば良かったと、なんだか悔しい気持ちも半ばしつつ、先に着いていた桑名の単独の方と鈴鹿の山々の話をしながら時を過ごす。彼が去ったあともしばらく風景を眺め、3人くらいで満員になるほどの、狭いが気持ちの良い山頂に立ち去りがたく留まっていた。
下山はゆっくり歩いたつもりだったが、あっという間に寺まで降りてしまい、あとは参道をのんびり歩いた。帰りに白木の集落の明星ヶ岳が良く見えるあたりでで車から降りて、もう一度眺めて見た。麓からも良く目立つ山であった。



記録

日 程

99年12月23日(木)

天 候

晴れ

コース

0920 登山口 → 0935/40 地蔵平 → 0950/55 国分寺 → 1040 東峰 → 1050/1145 明星ヶ岳西峰 → 1155 東峰 → 1225 国分寺 → 1245 登山口

国分寺のお地蔵さん


参考図書・地図
ヤマケイアルペンガイド 名古屋周辺ワンデイハイク
50000図 亀山
25000図 亀山