那須ヶ原山

 那須ヶ原山 800m 三ツ頭 774m 唐木山 720m
山域:鈴鹿
1999.12.12


冬型の天候は変わらず、四日市市街は太陽も出るが、背後の鈴鹿中部の山は雲に深く覆われていた。南に行けば少しでも天気がいいことを期待して、初めての鈴鹿南部の山を訪ねてみることにした。

鈴鹿峠を越える頃は雲が重かったが、大原貯水池あたりに来ると少し陽が差し、のどかな田園風景となった。参詣橋の少し上に車を停め車道を登っていくと、切り出した木材をトラックに積み込んでいる広場があり、そこが那須ヶ原山の登山口であった。山道に入り、良く整備された道を進むと黒部滝に出る。ここで道は沢から離れ、右側の斜面の登りとなる。那須ヶ原神社への表参道であるこの道は階段も整備され歩きやすい。尾根に出て少し行くと最近丸裸に伐採された場所にでる。登山口で積み込んでいたのはここのものだろう。背後には大原貯水池や甲賀の平野を見渡すことができる。しかし曇った空では吹く風も冷たく、しばらく登って再び植林の中に入るとほっとした。やがて下草に笹が出てきて櫟野からの裏参道を併せると間もなく山頂であった。
山頂には那須ヶ原神社があり、閂を外して参拝する事ができる。ベンチが一つある気持ちのいい山頂で、ちょうど陽が射してきて気分よく休むことができた。山頂の下には避難小屋として使える石室があり、ちょうど800.0mの三角点は祠の裏側にあった。
祠の裏手に進んで少し下ると南鈴鹿の縦走路に合流し、坂下峠を目指す。低い笹に覆われてた道を、緩やかにアップダウンして行くと、右への急降下となり、三ツ頭までは急なアップダウンを2〜3回繰り返す。時々那須ヶ原山を振り返り、また高畑山への展望もある。標高は高くはないが低木の雑木林の縦走路は変化に富んで大変楽しい。縦走路には時々右側にガレ場があり、そこから錫杖ヶ岳の特徴的な山容を見ることができた。再びアップダウンのあと伸びやかな稜線を行けば唐木山の標識のある山頂に着いた。
山頂から巻道が下っているが、キレットをそのまま進むことにした。まず、ざれた花崗岩の小さな鞍部にフィックスロープでおりて、ざれた斜面をなんとかボロボロの盛り上がりに掴まりながら登る。ここでホット一息かと思ったらさにあらず。崖の上にでて、上部は相変わらずざれて滑りやすい。眼下に巻き道からの合流を見て、右の灌木のある岩溝を下ることにする。木や岩角に掴まりながら降りると高さが15m以上ある花崗岩の垂直な壁の中間点に出た。先ほどはこの壁の上のざれた斜面に立っていたのかと思うと肝を冷やす。下半分も岩溝があり慎重に下ると岩の基部に降り立った。見上げると大きな壁であった。
巻道と合流し、岩とざれ場の点在する尾根を進むと再び樹林のある道となり、稜線の左を進むようになる。道はやがて正面のガレで途切れ、右の樹林に急下降して行く。唐木のキレットあたりから空模様が怪しくなっているが、ついにこのあたりで西から雪混じりの強い風が吹き付けてきた。急な坂を坂下峠を目指すとやがて右下に林道が見えてきて、しばらく下ると荒れた林道に降り立った。
林道を下っていくと途中から最近整備されたばかりの新しい舗装路となる。雲がすっかり今まで歩いてきた稜線を覆ってしまい、冷たい雨が落ちてきた。やがて唐木谷に沿った道となり、いつのまにか頭上には再び青空がのぞき始める。そして、冬型の局地的に変わりやすい山の天気を体験しつつ参詣橋に降り立った。



記録

日 程

99年12月12日(日)

天 候

曇り時々晴れ一時雨

コース

0930 参詣橋 → 0940 登山口 → 0947 黒部滝 → 1020/45 那須ヶ原山 → 1010 三ツ頭 → 1040 唐木山 → 1205 坂下峠 → 1245 参詣橋

三ツ頭付近からの那須ヶ原山


参考図書・地図
ヤマケイアルペンガイド 鈴鹿・美濃
エアリアマップ 御在所・鎌ヶ岳 50000図 亀山
25000図 鈴鹿峠