入道ヶ岳

906.1m
山域:鈴鹿
2000.1.10


昨夜来の雨もあがり、特に行くところを決めていなかったので、久しぶりに入道ヶ岳に日溜まりハイクと、歩いたことのないコースの楽しみを兼ねて出かけた。結果はよもやの強風に吹かれ、退散することになってしまった。

山の方はすっかり青空が広がり、椿神社に向かう道は、茶畑の向こうに、鈴鹿の3つの前衛峰の、野登、入道、雲母が同じような高さで並んでいる。鎌や御在所の方は山頂に雲がかかっているようだが、入道は問題ないようだ。椿神社は初詣や成人の日を祝う人々でごった返しており、ザックを持った私はなんとなく場違い。参道を歩いてお詣りし、本殿の脇から車道に出る。このあたり、時折風が吹き、木が揺れるのが気になった。
北尾根へは愛宕社への急な参道の階段で始まる。平行してジグザグの道もつけてあるのだが、一応参道はこなさねばなるまい。登り付いた境内から左に折れて、山道を登る。このあたりから樹林の中にもかかわらず相当な風となり、歩行するのも怯むほどだ。ここまで風が強いとあまり周囲を楽しむ余裕もなくなるが、それでも全く寒さを感じないのは、よほど気温が高いのだろう。杉林の尾根を登っていくと、左に曲がり緩やかになる。送電鉄塔の下をくぐるが、電線がゴウゴウと唸っており、展望を眺める余裕もなく、そのまま先に進む。一旦鞍部に降りたあと、今度は急坂を進む。かなりの急登で足に応えるが、いかにも高度を稼ぐという道である。途中にトタンの避難小屋があり、天井は一部破れているが、なんとか使用に耐える。風がトタンを煽って、バタバタと音がする。
避難小屋からも、まだまだ急登が続く。しかし次第に笹が多くなり、少しづつアセビやイヌツゲの林となって、入道ヶ岳の雰囲気が出てきた。しばらく行くとアセビの中の道は明らかに傾斜が緩くなり、やがて笹原に出た。右の雲母峰、左奧遠くに山頂が見え、気持ちのいい笹原のはずが、今日は、突風に煽られる笹は荒波の如く荒れ狂い、見ていると目眩がしそうで、次の灌木帯へと急ぐ。ここから笹原と灌木が交互に現れる緩やかな登りとなるが、笹原では強風によく足をすくわれ、灌木帯は昨日の雨がまだ泥になっており、よく滑る。右手に虹が出ている。どうやは西から吹く風は稜線に近づくほど、かなり水滴を持っているらしい。
さて、強風を予想しつつ、恐る恐る北の頭の山頂に立つ。どうやら山頂部が最も風が強いらしく、立っていられない。標識に掴まってやっと体を支えられるくらいで、さっさと鞍部に向かって退散した。鞍部に向けての道は、少し稜線の下を通るので問題なく通過し、本峰の山頂に立つ。よろけながらたどり着き、山頂の鳥居に掴まって少し立っていたが、展望を見る余裕などまるで無く、また、細かい水滴が飛んできて痛い。普通に立つことができないので、少しいただけで下山する予定の二本松尾根へ、飛ばされる様にさっさと逃げ込んでしまった。
二本松尾根の下りは北側にはっきりと虹が見えていた。アセビやイヌツゲの美しい林をどんどん下っていく。かなり下ったころ、その名の通り何本かの松が現れた。横倒しに倒壊した避難小屋から少し下ると、小岐須との分岐で、あとは植林地の中の比較的緩やかな道を下っていく。山陰に入って、風もやっとおさまり、未舗装の車道を横切りって、埋まってしまった大きな堰堤の上の広場に出た。ここが二本松尾根の登山口で、車道を少し下れば北尾根の登山口であった。再び椿大神社に詣で、おみくじなどを引いてから参道を下っていった。



記録

日 程

2000年1月10日(月)

天 候

晴れ時々曇り

コース

1130 椿大神社 → 1140/45 北尾根登山口 → 1235/45 避難小屋 → 1325 北の頭 → 1335 入道ヶ岳 → 1405/10 小岐須乗越 → 1440 大堰堤(登山口) → 1450 椿大神社

二本松尾根上部からの入道ヶ岳山頂


参考図書・地図
ヤマケイアルペンガイド 鈴鹿・美濃
エアリアマップ 御在所・鎌ヶ岳
50000図 亀山
25000図 伊船