鈴ヶ岳

 鈴ヶ岳 1130m 茶野 938m

山域:鈴鹿
2000.5.14


このホームページからもリンクのある、低山徘徊派メーリングリストのオフとして、鈴鹿の鈴ヶ岳に連れていって頂いた。鈴北岳までしか行ったことが無く、初めての山であり、また茶野への稜線を楽しみにしていた。

鞍掛橋からしばらくは黒川谷に沿った林道を歩き、やがて水のない沢の中の登山道へと進んでいく。そろそろ暖かい季節となり、前日の雨が上がった湿っぽい谷筋は、蛭に出会うには絶好の環境である。ニリンソウがあちこちで咲いている御池谷を順調に高度を上げていくと、予想通り蛭が出現し、終始地面を睨みながらの登りとなった。暗い谷筋も登るに連れて明るくなり、振り返れば霊仙山から三国岳への山並みが広がり開放的である。木々は芽生えはじめ、初々しい緑の葉がかなり広がってきている。バイケイソウも随分大きくなり、濃い緑が個性的だ。
ふと靴を見ると一匹の蛭がはっており、また別の蛭が靴下から中に首を突っ込んでいた。そいつを取るとやがて靴下が赤く染まった。まわりが明るくなり、ちょっと油断したのがいけなかったようだ。だんだん傾斜が増し湿った地面がよく滑るようになると、なかなかたどり着かないと思っていたヒルコバがやっと手の届くところまで近づいた。と思っていたら御池岳への分岐に到着。鞍部より手前に分岐はあったのだ。
ヒルコバから鈴ヶ岳への登りは花の多い道であった。ヒトリシズカが群生して花を咲かせており、スミレの紫が彩りを添える。また御池岳と同様、オオイタヤメイゲツの林があり、下草にはすでに実を結んでいる福寿草も広がっていた。登り着いた鈴ヶ岳山頂は特に広場は無く、潅木の中にニリンソウの咲く小道である。少し西に行ったあたりが刈り払われて広場となっていた。

鈴ヶ岳から先は、薮のない樹下の、薄い踏み跡程度の尾根道である。テープは付いているので、それを追っていけば快適に歩くことができる。大きく下ったあと、尾根が水平になってからもしばらくはゆったりした道が続き、かつての桜峠を経て伊勢尾へと続く炭焼きの道は、どのように通っていたのだろうなどと考えながら行く。2本の送電鉄塔のあたりが桜峠なのだろうか。残念ながら峠自体がどこなのかは解らなかったが、一帯は同じような雰囲気を持っており、桜峠はこういうものだというのを勝手に理解したような気になった。
少し登り返した茶野のあたりは明るい草原で、平地では見られなくなった、国産のタンポポが咲き乱れている。稜線から少し南に寄ったカレンフェルトの台地で休憩した。素晴らしい展望で、鈴ヶ岳から御池岳、ミノガ峠から天狗堂へと続く尾根など、いつもと違う方向からみる山並みは新鮮であった。
茶野からの稜線の道は、再び樹林の中となり、テープを追って下っていく。730m付近の小さなコブに行き着いて、地形図にある破線の道への分岐を通り過ぎてしまったことに気づくが、すぐ手前に北に下降する踏み跡があり、植林地との境を下ればやがて道は折り返して、631m(ホリ)の小さなコブの付近に戻っていき、再び地形図の破線の道に合流した。ここからは、地形図の通り少しの間谷筋を下ったあと、対岸の枝尾根にとりつく。この先は良く踏まれた非常にはっきりした道に変わった。かつて桜峠へと沢山の人が通った道なのだろうか。植林の中を忠実に下れば、明るい大君ヶ畑の集落で、林道に降りたところは、丁度高室山への登山口の向かいくらいの場所であった。

本文中の写真

  • 茶野付近から振り返る鈴ヶ岳

    記録

    日 程

    2000年5月14日(日)

    天 候

    曇り時々晴れ

    コース

    0905 鞍掛橋 → 1040/55 ヒルコバ → 1120 鈴ヶ岳 → 1220/1300 茶野 → 1430 大君ヶ畑

    鈴ヶ岳の下りから見おろす茶野の稜線


    参考図書・地図 その他のコース
    分県ガイド 三重県の山
    25000図 篠立
    50000図 彦根東部
    鈴ヶ岳へは、御池岳方面よりの縦走で達することができる。