多度山

403.3m

山域:養老山地
2000.12.23


絶好の天気の朝を迎えたが、忘年会疲れでしっかりと登りのある山という気にもならず、養老の南端の多度山に向かった。丁度適度な散歩で気分を一新しようということである。

多度へはこの時期の渋滞を考えると電車の方が気楽である。養老線に乗るのも随分久しぶりで、以前に乗った時は、確か全体が赤い電車だったようなおぼろげな記憶がある。駅から大社までは歩くつもりでいたが、ちょうど美鹿行きのバスが出るところだったので、乗っていくことにした。ただし道路工事中のため、少し離れた多度保育園前から歩くことになった。
スタート前にまず多度大社に参拝する。奧の本殿へと入っていくと、苔むした小沢の横に立つ小さなものであった。それがかえってとても好ましく思えた。再び神社の前まで戻り、多度峡に向けて車道を進んでいく。里道はやがて流れに沿った谷間の道になり、多度峡の中心部へと入っていく。多度峡は、多少古めの観光施設が出てくるが、今の時期は閉ざされていた。季節によっては賑わうのだろうか。谷は、護岸がなされたり、堰堤があったりと人の手が加わっており、また流れ自体も平凡なので、それほど目を惹くものでもないが、道の左に垂直に落ちて飛沫をあげる滝はなかなか涼しげであった。
 やがて奧に大きな堰堤の見える河鹿橋を渡り、ゆるやかに折り返しながら登っていく。道幅は2メートルくらいで、車両は今は通行禁止にのようである。傾斜もさほど無く荒れてもなく歩きやすい未舗装の道で、落ち葉が積もった上をのんびりと歩いていく。天気も良く、気分のいい散歩道だ。かなり登ったなと思ったころ神社から3キロの標識とベンチがあり、少し休憩した。
最終的には9キロくらいあるようなので、まだまだ先が長い。のんびり歩いていたが、これではなかなか着かないと思い、少しピッチを上げていく。5キロを過ぎて少し行くとコンクリートの舗装路になった。そしてだんだん高い木が少なくなり、明るい稜線の雰囲気になると、6.5キロの標識があり、石津御嶽への分岐である。石津御嶽へは歩きやすそうな山道が続いており、今日は車道に近い道をずっと行くのかと思うと垂涎の道であった。
ここを過ぎると道は下りになる。どうやらさっきの分岐が今日の最高点らしい。下って行くと、少し高いところには、あちこちに電波塔が並ぶようになり、右に広場があるところを、東海ドコモの電波塔に向けて登っていくと、その先が高峰神社と三角点であった。養老山地の南端の肩のようなところなので、周囲にはまだ高いところがあるが、ここが山頂ということで納得する。ここには展望台があり、木曽三川とその回りの様子が一望できる。遠くは霞んでいたのが少し残念だが、昔から歴史上のいろんな場面で登場したであろう展望を楽しんだ。木曽三川も度々の改修により、流れを変えてきたとのことであった。芝生の広場に戻ると、2〜3のグループが食事を楽しんでおり、ここで私も昼食にする。一帯は山上公園という形で整備されており、のんびりと時を過ごすことができる。
下山は、まっすく多度大社に下る道もあるが、多度駅の近くに出る展望コースで下っていく。これは車道でもあり、全部舗装路の下りである。道は車道の常で、大きく折り返しながら下っていくので、時々細い踏み跡を拾ってショートカットしていく。これは古い道型のようでもあり、舗装路の出来る前の道かな?とも思った。ミカン畑の横を通り、最後に竹藪があって、三叉路にでる。右は多度大社、左は駐車場でここに車を停めて歩くように指導されている。確かに下ってきた道は舗装路であっても離合が難しく、一般に観光で使うにはつらい。電波塔管理のための車道ということだろうか。駐車場から少し下ると宇賀神社があり、神社からは10分ほどで駅に着いた。ほとんど待ち時間無く、電車に乗ることが出来た。

本文中の写真

  • 山腹のハイキングコースから見る台形のピーク


  • 記録

    日 程

    2000年12月23日(土)

    天 候

    晴れ

    コース

    1053 多度大社 → 1140/45 3キロのベンチ → 1245 石津御嶽分岐 → 1300/25 山頂 → 1410 宇賀神社 → 1420 多度駅

    麓からの多度山


    参考図書・地図 その他のコース
    分県ガイド 三重県の山
    25000図 弥富 阿下喜
    50000図 桑名
    他に多度大社から山頂に直登する登山道があります。
    バス
    多度大社までは充分歩ける距離ですが、バスは多度駅より美鹿行きがあります。
    7:15 8:15 9:00 10:18 11:18
    多度大社を経由しないものもありますが、比較的近くを通ります。