高室山

818.6m

山域:鈴鹿
2000.10.21


高室山は、佐目から大君ヶ畑あたりの北側に聳えている形のいい山である。こういう山は本来山裾の集落からじっくり登った方がいいのかもしれないが、今回は鍋尻山の帰りに林道をフルに利用して立ち寄ってみた。これだけでもなかなか楽しい山であったが、さらにルートを選んで逍遥すれば、もっと味わい深い山となるだろう。

鍋尻山と高室山は繋げて歩くコースとしてよく紹介されている。河内から鍋尻山を経て保月に降り、車道歩きで地蔵峠を越えてから、室ノ谷の林道を経て高室山に登る。そして佐目へと下るというコースである。今回は、ご用とお急ぎといった風情で、車で林道を入れるところまで入ってしまった。室ノ谷は未舗装の林道が通っており、車で丸山との鞍部の先まで入ることが出来る。ここには2台ほどの駐車スペースがあり、細いテープに登山口と指示してあった。
登山道はまだ若い植林地に沿って尾根上を登って行く。右側には古い檜の木が一直線に衝立のように残されて立っているが、防風などの役割をしているのだろうか。これに沿って真っ直ぐ行くと、植林地の境界に沿うように左に折れ、笹を切り開いたちょっと歩きにくい斜面をトラバースしていく。しばらく行くと、突然のように右に折れて斜面を登り始める。もはや植林地ではなく、残された二次林の中を行き、一旦カヤトの明るい道に出たあと、再び一瞬なぜか林に入る。これをでればもうなだらかな山頂の一角で、ススキの穂が揺れるゆったりした道だ。そして山頂と、登山口からわずか20分である。
しかしこの山頂の展望は素晴らしい。北は先ほど登った鍋尻山とその向こうに霊仙山。近くにはザラノの、こちらは林に覆われたピーク。東へは三国岳や烏帽子岳から鞍掛峠を経て御池岳へと続いている稜線。そして手前へ折り重なるように、鈴ヶ岳・茶野と高度を落としてくる。小広いカヤトの展望台は、なかなか立ち去りがたい山頂であった。
山頂から倉骨山方面に少し歩いてみた。しかし、藪は厳しくはないが明瞭な道や踏み跡は無く、鞍部に降りていくあたりで蜂も飛んできたこともあり、引き返した。いずれは行ってみたいと思うが、その時はザラノも含めて考えてみよう。山頂に戻ると、雲が多かった霊仙山のあたりもすっかり青空が広がり、もう少し展望を楽しんで行くことにした。

本文中の写真

  • 高室山山頂からのザラノ

    記録

    日 程

    2000年10月21日(土)

    天 候

    晴れ時々曇り

    コース

    1155 登山口 → 1215/1305 高室山 → 1325 登山口

    山頂から、霊仙・鍋尻の展望


    参考図書・地図 その他のコース
    エアリアマップ 霊仙・伊吹・藤原
    25000図 高宮
    50000図 彦根東部
    佐目より南後谷、陣屋を経て室ノ谷林道まで登ってくることができる。
    バス
    特になし
    佐目から登る場合は、多賀駅より近江バス(0749-25-2501)