臼杵ヶ岳

 臼杵ヶ岳 697m 臼杵山 630m
山域:鈴鹿
2002.3.9.



金曜日に出張があったので、久しぶりに鈴鹿の山を訪ねました。うまい具合に快晴の天気に恵まれ、短いコースではありますが、いい雰囲気を味わうことができました。

久しぶりの四日市の朝は良く晴れていた。レンタカー屋が開く時間より少し早めにホテルを出ていくと、丁度シャッターを開けているところである。あらかじめ予約していた小型の車が無く、カローラを同じ料金でとのこと。少しついているなと思った。まだ500kしか走っていない車であった。
今日は安楽越への道へと向かう。ちょっとうろ覚えであるが、加佐登から鈴鹿ICに向けて走り、途中でインター方向へと曲がらすまっすぐ走っていくと、なんとなく見覚えのある光景となる。野登山の電波塔が方向を確認するにはいい目印になるのであった。
いつの間にか仙ヶ岳の登山口である。第2名神の工事は着々と進んでいるようで、積み木のように橋脚が並んでいる。やがて狭い道に入ると前をミキサー車が走っている。そして少し入ったところで工事中で通行止だ。実は今日はついていないのかもしれない。
路傍にある東海自然歩道の看板の、安楽越までの距離程を見て、それほど遠くはないだろうと、路肩に車を停めて歩き出す。まもなく鬼ヶ牙の登山口があった。ここも登ったことが無いので、いつか歩いてみたい。そして三ツ渕の横を通過。車で走ると良く見ない光景だけに、良かったと思う。しかし、今の季節はこの深い渕は少し寒々しく感じる。そして10分ほどで、登山口のある舟石林道とのT字路の橋に着いた。さて、登り口はどこだろうとキョロキョロするが、どうも見あたらない。それもそのはずで、改めてガイドを見ると橋を渡った所と書いてあった。橋の手前と勘違いしていた。20秒ほどロス(笑)。橋を渡ると右側にテープを巻いた登り口がちゃんとあったのだ。
さて登山口で写真でも撮ろうとデジカメを出すとシステムエラーということで動かない。どうも壊れてしまったらしい。いい天気なのに、今日は本当についていないのかもしれない。
登山口から山道に入ると、しばらくは雑木林の中の平坦な道が続く。一歩踏み入れたとたんに、鈴鹿の山という感覚が蘇る。どこの山とも違う懐かしさがある。やがて左手に沢が現れる。ちょっと涼しげな感じがする小沢である。なんかこういろいろと自然が密集した感じがいかにもだなぁなどと考えつつ歩くと少しづつ傾斜が増してきた。やがてはっきりと沢から離れ、グイグイと斜面を登り出す。急な斜面ではあるが、特段障害物のあるような道では無いため、スイスイと高度を稼いでいく感じで気分良く登る。一気に登りきった所で展望が開け、光景におもわず見とれて腰を落ち着けた。
正面には鬼ヶ牙があり、眼下には安楽や池山の集落とそれを横切る橋脚がならぶ。左奥には野登山がある。鈴鹿の山里に来たなと改めて感じるのであった。デジカメが壊れたのが残念だ。
ここからは所々岩や木の出た急な尾根の登りが断続的に続く。時々手を使うようなところも出てくるが、概ね南鈴鹿的な白砂青松の道で嬉しい。それになりよりも要所要所で展望があり、仙ヶ岳から野登山の風景が楽しめる。こう見ると仙ヶ岳は本当に三角形な山だなぁと思う。
何度か展望を楽しみ、その度に高さが上がるのを確認しながら登っていくと、いつしかうって変わって、暗い一本調子の土の道になっていた。ちょっと雰囲気が違ってきたぞと思ってこれを登り切ると、再び広大な視界が開ける。ここでは、仙ヶ岳から御所平そして臼杵ヶ岳と、谷間をぐるっと取り巻く稜線が一望できるのだ。そして、頭上にはウス岩キネ岩がある。なぜか南アルプスの地蔵岳を思い出す。(スケールは違うが)ああカメラが欲しい。
ここから岩稜のヤセ尾根を登ってウス岩キネ岩の下に出る。圧倒的に大きいぞという感じでは無いが、よく目立ちそうだ。少し下って登り返し稜線上を行く。明るい雑木林で心地よくその先には大岩があり、その先のピークが臼杵山の最高点であった。
最高点は道から少し左に引き込んだ所にあり、ここでカメラがどうにかならぬものかと、叩いたり振ったりしてみる。そうすると、動き出すではないか。これは嬉しいと、2〜3枚撮ると電池切れ。これに関しては、ついているいないではなく、この私に責任があるだけのことであった。
道に戻って鞍部へと下る。このあたりは疎らに路面にも雪が残っていた。鞍部から明るい雑木林を登ると、右がガレている場所を通過する。このあたりも仙ヶ岳や御所平が良く見え、カメラを出すと電池を休ませたためか少し撮ることができた。登りきったところは雑木林の穏やかなピークで、舟石林道からの道が上がってきていた。
このピークからは、右側の谷を隔てて県境稜線はもう間近に見える。再び小さな鞍部に下ってから登り返していくと、すぐに県境縦走路に合流した。笹の多くなった道を少し南下すると、ちょっと広い空間が空いていた。右にはベンケイのある笹と植林の尾根が見え、振り返ると仙ヶ岳がよく見える。そして、仙ヶ岳の向こうに、鎌ヶ岳が頭だけ出し、その先に御在所山頂の白い建物が見えていた。実にいい眺めだと思ってカメラを取り出したが、もう電池も余力を使い切ったようで、これ以降うんとも寸とも動かなくなったのであった。少し登ると臼杵ヶ岳の平坦な山頂で、あまり特徴は無いが、林床の笹が嬉しいところである。
山頂からカモシカ高原に向けて下っていく。しばらくは笹の気分のいい道が続くが、やがて植林の中の道になってしまう。漫然と歩いていると、引き込まれそうな分岐もあるので、テープには常に注意が必要である。植林を下りきると、カモシカ高原の笹原に出た。ここからは広い遊歩道が延びていた。綺麗な笹原なのであるが、ポツポツと檜が立っているのがなんとなく嬉しくない。アセビだったらいいのだが....と勝手なことを考える。檜は一見無秩序に延びているいるように見えるが、どこかから飛んできた種で育ったものなのだろうか。せっかくビールを持ってきていたが、カモシカ高原というくらいだから、もっといいところがあるだろうと思って下っていくと、広い遊歩道も終わり狭い階段の下りとなってしまった。下には車道が見えており、あとは安楽越へと下るのみのようだ。
ところが、安楽越へは意外にアップダウンのある道であった。下って登って下って登って..2回目に下ったところからはすぐに車道が下に見えているくらいである。最後に登った所にはベンチがあり、ここで落ち着けてビールを開ける。樹間から、臼杵ヶ岳の山頂が覗いていた。カメラを試してみたが、電池はほんとにないようだ。
あとはすぐに車道に降りたって、駐車場所へと下っていった。いろいろ変化に富んではいたが、山中にいたのは2時間あまりで、こんなところにすぐ遊びにいける環境はやはりいいなぁと思う。橋まで下って山を振り返ると、ウス岩キネ岩が見えた。登る前は反射板みたいなのが山頂にあるな!と思ってみていた訳なのだが、なるほどね

車の所まで戻ると、昼時のためか工事が終わったからか、通行止めではありませんでした。さて、たまに鈴鹿に登ると、また行きたくなってしまうのですが、今はそういう訳にもいかず、今度行くときはいつかなぁと思っている次第です。いつまでも変わらないでいてくれますように。

本文中の写真

  • 臼杵山より臼杵ヶ岳をのぞむ
  • 臼杵山先のコルの雑木林
  • 臼杵山の先から見る御所平



  • 記録

    日 程

    2002年3月9日(土)

    天 候

    晴れ

    コース

    0935 橋 → 0955/1000 尾根上の最初の展望 → 1030/40 臼杵山 → 1055 県境稜線 → 1100/10臼杵ヶ岳 → 1125 カモシカ高原 → 1140/45 ベンチ → 1148 安楽越 → 1230 橋

    臼杵山の先から見る仙ヶ岳


    参考図書・地図 その他のコース
    昭文社 エアリアマップ 御在所・鎌ヶ岳
    鈴鹿の山ハイキング 中日新聞社
    25000図 伊船・土山・鈴鹿峠・亀山
    50000図 亀山
    県境稜線を仙ヶ岳・御所平を経て縦走してくると、臼杵ヶ岳に達します。
    また、未確認ながら舟石林道より、臼杵ヶ岳のとなりの県境から少し外れたピークに登ってくることができるようです。
    バス
    石水渓バス停より徒歩となります。
    亀山駅前発石水渓行き(冬季は池山西行き)
    お問い合わせ 三重交通鈴鹿営業所 Tel0593-82-0014