辺室山

 650m

山域:丹沢
2004.1.31


前日に家に帰って来た頃には、すでに今日になっていました。良く晴れるという天気予報でしたので、是非とも山に出かけたいと思っていたのですが、さすがに起きられず、それでも少しでもハイキングをと、この季節しか行きそうにない三浦富士など考えていました。そのつもりで一応準備はしていましたが、さすがにもう少し登れるコースがいいなと思い直しガイドブックを見ていると、辺室山が目についたので、丁度いいか…ということで、行き先が決まりました。

本厚木駅での宮ヶ瀬行きへの乗り換えは数分といったところでした。あらかじめ時間は調べておいたので、駅から急ぎましたが、バス乗り場の位置まで確かめて来なかったのが敗因で、ウロウロしているうちに、あっと思った時はすでに遅かったということです。 それでなくても、家を出たのは9時半で、11時40分のバスに乗らないと、もう後がない!という時間です。次の12時40分に乗れば、登山口は13時半。よっぽど頑張らないと、確実に暗闇が迫ってしまいます。半原方面でもどうかと考えましたがいい案も無く、かといってタクシーをとばす気にはなれないので、ここは1時間待ちました。待ち時間に今話題の「豚どん」を試したりしたのでした。 土山峠に着いたのは13時25分。すでに下山した人がバスを待っているという時間でした。早速わき目もふらずに、急斜面をジグザグに登って行きます。植林したばかりの明るい斜面を一気に登り詰めると尾根の先端に出ました。右側の主稜線の尾根が立派で、良く目を惹きますが、今日はこちらの辺室山です。尾根に乗って若干傾斜が落ちた道を登って行くと、小さな石祠が2つある山の神です。ここからは、ゆったりとアップダウンしながら尾根を行きますが、植林は左手鹿柵の奥の方で、もっぱら尾根の右側につけられた落葉樹の下を行く楽しい道で、久しぶりに冬の近郊の低山ハイクの雰囲気を思い出していました。 やがて正面に壁のような急坂が迫ってきました。北面で斑に雪がありますが、少し泥んこになっている程度で問題はありません。これを登っている途中で団体さんとすれ違います。脇に避けてくれたので、ペースを落とすことができず、急な坂を一気に上がりました。
すれ違い終えて一息ついたあと、急坂を登りきってしまえば、あとは緩やかな尾根の登りとなります。冬枯れの木の下には、ミヤマシキミだけが青々として元気そうです。やがて、道は山頂の一角にでて、標識に従い右に折れます。ここが三角点なのですが、最初は気づかずに通り過ぎてしまいました。あとはあまり高低差のない大らかな辺室山の山頂部です。山頂も樹木に囲まれていますが、この時期ですので樹間越に回りの山々の展望が得られました。東側に宮ヶ瀬への大きな尾根があり、その向こうに見える尾根は、さすがに白くなっていました。丹沢三峰の尾根でしょうか。山頂での時間はあまりとれませんが、通り過ぎてしまった三角点を探したりと、少し歩き回っていました。
下山は物見峠へと向かいます。但し下山といっても、標高の上では登山が続きます。しばし急坂を下ったあとは、ほぼ同じくらい登り返し、次のピークへと向かいます。振り返れば辺室山が大きく見えています。このピークを過ぎると、右手の尾根がどんどん近づいてきます。いえ、むしろこちらの尾根が近づいて行くというのが正しいかもしれません。高度もさらに上げて行き、辺室山もかなり低く見えるようになると、あと僅かでとなりの尾根という所まで来ます。そのあたりが物見峠への下降点で、ここにも小さな石祠がありました。展望の良い所で、辺室山の向こうに、仏果山から高取山への尾根が見えていました。ここから物見峠まではひと下りで、遠くにバイクのような音を聞きつつ、十字路となっている物見峠へと降り立ちました。 物見峠からは北面のトラバースです。峠への下山路から見えていた道は雪で白くなっていたので、危ないかな?と思っていたのですが、これほど細くて急峻な道とは思いませんでした。急崖につけられている道は崩壊が激しい中で細く切り立っており、道の上に積もった雪がカチカチに凍っていて、滑ってしまえば怪我どころではすみません。かといってつかまるものも無いところも多く、一歩一歩慎重に行きます。アイゼンがあれば、なんということは無いのでしょうが、冬はアイゼンがなければ大山三峰の方に上がって尾根を下るべきだと思いました。途中で樹林帯の中に入ったときにはホットしました。 再び、斜面のトラバースとなりましたが、今度は細さが上部ほどではなく、捕まる所もあったりして幾分安心です。さらに慎重に行くと凍った雪も少し薄くなり、やがて大山三峰からの尾根に出ました。核心部が終わりました。 あとは、かつて登ったことのある道をどんどん勢いに任せて下っていきます。この道はあまり記憶に鮮明ではありませんが、ちょっと湿った雰囲気と、ヒルが良く上がってきた思い出があります。いくつかの鹿柵をくぐり、暗くなるのと競争のように降りて、夕暮れの人里の香りがすると集落に降り立ちました。「ここでヒルを落とすな」と書いてある看板が確かに記憶にありました。

煤ヶ谷のバス停に着いてみると、本厚木行きのバスは行ったばかりで、50分近くの時間がありました。伊勢原行きのバスはいまや運行されていないようです。今日は、バスに恵まれないなと思い時刻表をよく見ると、清川村営バスが神奈川リハビリまで運行されており、ちょうど10分後に来るようです。来たのは小さなワゴン車のバスで、リハビリまで行けばたくさんバスがあるというので乗りました。途中広沢寺や七沢を通りますが、そこで待っているハイカーは訝しげにこの小さなバスを見ていました。とりあえずリハビリまでたった一人ワゴン車にのり、そこから本厚木行きに乗り換えました。煤ヶ谷の方はちょっと不便になったみたいでした。

本文中の写真

  • 登山道脇のミヤマシキミ
  • 仏果山の稜線を望む
  • 静かな物見峠



  • 記録

    日 程

    2004年1月31日(土)

    天 候

    晴れ

    コース

    1325 土山峠 → 1420/45 辺室山 → 1520/25 物見峠 → 1545 三峰山分岐 → 1615 集落 → 1620 煤ヶ谷バス停

    辺室山山頂


    参考図書・地図 その他のコース
    エアリアマップ 丹沢
    アルペンガイド 丹沢(山と渓谷社)
    25000図 厚木
    50000図 藤沢
    辺室山へは一般道は本文の道だけですが、物見峠へは、
    札掛方面や、大山三峰から達することができます。
    バス
    神奈川中央バス
    本厚木駅発宮ヶ瀬行き。 土山峠下車。
    また、煤ヶ谷からのバスは、清川村営バスも参考にしてください。