檜洞丸

 檜洞丸 1601m 熊笹ノ峰 1523m 大笄 小笄
 山域:丹沢

記録
 山行日1997年04月29日(火)
 ルート西丹沢自然教室→東沢→檜洞丸→犬越路→用木沢出合→西丹沢自然教室
 コースタイム1000 西丹沢自然教室→1305/1400 檜洞丸→1550/1600 犬越路→1645 用木沢出合→1710西丹沢自然教室
 天候快晴

丹沢の山にはあまり登ったことが無い。千葉からなのでどうせ時間がかかるならと、甲州や北関東まで行ってしまいがちなのだ。従って何か外部らのきっかけが無い限り、私にとって足の遠のきがちな山域だが、今回は会社の先輩の誘いがあり1年半ぶりの丹沢を歩くこととなった。

会社の先輩の誘いは前日の夕方の電話だった。「明日は空いてますけど」の返事で即決である。翌日は幸い抜ける様な青空で富士山が美しい。実にタイミングの良い誘いだったのだ。予定通り新松田で先輩たちに合流し、西丹沢自然教室からつつじ新道に入った。このあたりは全く植林がなく、またゴーラ沢出合までは緩やかでのんびりした道だ。咲いているつつじを鑑賞しながら、一気に回りが明るくなってまぶしいばかりのゴーラ沢出合に到着。これからの急登に備えて休憩する。この休憩でやっと体が山になじんできたのを感じ、急遽決めた山行の不安から解放され、なんとなくほっとしたのだった。
さて本格的な登りに入る。時折トウゴクミツバツツジの鮮やかな紫が目を楽しませてくれる。それほどの急登でもなく、気持ちのいい登りだ。展望台から正面に大きな富士を眺める。さてあと標高差500m。一気に行けるかなと思ったがやはり足に疲れがたまり、もう少しで稜線というところで休憩。稜線の下のシロヤシオのツツジのトンネルはまだ時期が早く、まだつぼみは固い。ただ、麓の新緑の森から、まだ芽の出ないブナの森への変化は季節を垂直に歩いている様で面白い。稜線に出るとバイケイソウ保護の木道を歩く。茶色の地面にたくさん顔を出したバイケイソウの鮮やかな緑がよく映えている。これより程なく大きなブナとバイケイソウの群落に囲まれた山頂に到着した。
山頂からは犬越路を目指して下る。熊笹ノ頭の周辺は低い笹に黒々としたブナの幹が配置されて美しい風景を見せている。東の方には蛭ヶ岳の勇姿が見える。大コウゲ・小コウゲからの下りは非常に急峻で、鎖・ハシゴが続き、手放しでハシゴを降りていて踏み外してしまいヒヤッとした。以降は緩やかな登り下りで明るく気分のいい犬越路に到着。かなり日の傾いた犬越路は落ちついた雰囲気で、石棚山稜の稜線をゆっくりと眺めながら今日の山行を振り返った。
ここからは用木沢に沿って下山し西丹沢自然教室に戻った。丹沢の山は都会に近くではあるが自然の豊かさを実感させてくれ、コースも歩きがいのあるものが多い。ただ、ブナの若木が育たないなど、少しづつ自然が衰退していくような感じがありちょっと不安になるところである。


参考図書・地図
ヤマケイアルペンガイド 丹沢
25000図 中川
50000図 秦野

犬越路より檜洞丸を振り返る
その他のコース
・箒沢〜石棚山〜檜洞丸
・ユーシン〜同角ノ頭〜檜洞丸
・蛭ヶ岳〜臼ヶ岳〜檜洞丸
交通機関
新松田駅から西丹沢自然教室
詳細時刻については、以下のホームページを参照願います。
 富士急湘南バス


Nifty FYAMA 投稿文

檜洞丸【丹沢】

少し長い出張から帰ってきて、しばらく疲労回復にのんびり過ごそうかと思っていたところ、28日の月曜日の午後、会社の先輩から「明日の予定は?」ということで電話がありました。特にないと告げると「じゃあ天気もいい様だし、新松田の駅に9時ということで。」ということになりました。
どこへ行くかについては、良く聞かなかったのですが、犬越路という単語が耳に残っていたので、のんびり峠ハイクかなと思っていたところ、檜洞丸でした。

【日 程】97年4月29日(火)
【目 的】檜洞丸
【天 候】快晴
【コース】1000 西丹沢自然教室→1305/1400 檜洞丸→1550/1600 犬越路→
     1645 用木沢出合→1710西丹沢自然教室
【山 名】檜洞丸 1601m・熊笹ノ峰・大コウゲ・小コウゲ
【メンバー 】会社の先輩と合計4名
【山 域】丹沢
【参考書】ヤマケイ・アルペンガイド 丹沢

1.檜洞丸へ

総武横須賀線東海道線と乗り継いで小田原へ、国府津で御殿場線とも思ったが、少し時間があるので小田原に回ったのだ。小田急の社内からは素晴らしい快晴の中で富士山が美しい。それにしても前回も前々回も今にも泣き出しそうな天候だったので、今日の快晴はいつもより数倍素晴らしく感じられた。
新松田で先輩たちに合流し、自家用車で西丹沢自然教室に向かう。車内で今日の予定を聞くと檜洞丸とのこと。そこまでは心の準備は無かったのだが....
西丹沢自然教室に車を止め、つつじ新道を歩き始めた。このあたりは全く植林がなく、またゴーラ沢出合までは緩やかで気持ちのいい道だ。咲いているつつじを鑑賞しながら、一気に回りが明るくなってまぶしいばかりのゴーラ沢出合に到着。これからの急登に備えて休憩する。
ここまでは、前日の深酒と出張の疲労と思いがけないマジな部類の日帰り山行の3つの不安があったが、ここで休憩して、完全に体が山になじんできたのが わかったので、なんとなくほっとしたのだった。
さて本格的な登りに入る。時折トウゴクミツバツツジの鮮やかな紫が目を楽しませてくれる。それほどの急登でもない、気持ちのいい登りだ。途中展望台に立ち寄り、正面に大きな富士を眺める。
さてあと標高差500m。一気に行けるかなと思ったがやはりみんな足に疲れがたまってきた様で、もう少しで稜線に合流というところで休憩。稜線の下のシロヤシオのツツジのトンネルはさすがにまだ時期が早く、全くつぼみが固いようだ。しかし、登りにかかる前の新緑の森から、まだ芽の出ていないブナの森への変化は季節を垂直に歩いている様で面白い。稜線に出ると、バイケイソウ保護のための木道になる。全く茶色のままの地面にたくさん顔を出したバイケイソウの鮮やかな緑がよく映えている。程なく大きなブナとバイケイソウの群落に囲まれた山頂に到着し、さっそくビールを求めて青ヶ岳山荘を往復した。

2.犬越路

山頂から犬越路を目指して下っていく。熊笹ノ峰の周辺は、低い笹に黒々としたブナの幹が配置されて美しい風景を見せている。ただ、ブナの若木が見えないのが、一抹の不安をかきたてる。東の方には蛭ヶ岳の勇姿が見えている。大コウゲ・小コウゲからの下りは非常に急峻で、鎖・ハシゴが続き、下りが下手でおまけに疲労の見える足で歩いていた私は、手放しでハシゴを降りている途中踏み外してしまい、一瞬ヒヤッとした。下りきると大コウゲはそびえ立つような壁のようで、急峻さを実感できる。
これ以降は緩やかな登り下りで明るく気分のいい犬越路に到着した。かなり日の傾いた犬越路はとっても落ちついた雰囲気で、檜洞丸が頭を出しているのが見えた。また石棚山稜の稜線をゆっくりと眺められた。

3.下山

犬越路から堰堤がかなり埋まってしまっている用木沢に沿って下った。丹沢の山は崩壊も進んでいるみたいで、絶えず岩が落ちてきているような感じがした。今日一日は暑かったこともあって、一の沢に着くと清流をむさぼる様に飲んだ。そして、沢を何度が渡り車道に合流した。車道に沿ってはオートキャンプ場が連なっており、何組かの家族が夜への準備にかかっているところだった。



ほぼ1年半ぶりの丹沢となりました。やはり歩きがいのある山でした。また、この周辺は植林も少なく、自然が豊富で素晴らしいところだと思いました。そして、シロヤシオが咲いている時にあのトンネルをくぐってみたいものだと思いました。