先週スーパー低山を2つも歩いたので、ついに今年の山行の平均標高が800mを切ってしまいました。今週は天気もいいので、標高を少しでも回復しようと、当日の朝あれこれ考えましたが、遠出をする訳にもいかない時間帯なので、なかなか思い当たりません。そこで、昔買ったガイドブックを引っぱり出してみると、ちょうどいい山がありました。大室山に行った時に、雪に降られて行けなかった加入道山で、道志の湯も楽しみにして出かけました。
中央高速を西に向かうと、富士山の前に丹沢や道志の山々が見えてくる。今週はずっと天気が悪く、山肌にはある程度雪が積もっているようだ。2月の末に全く雪の無い丹沢を歩いたことを思えば、3月の末になって、やっと雪を踏む低山歩きができるということである。実際は、今日はかなり気温が高く、早々に溶け出すという懸念はあるのだが....。
車を道志の湯の奥にある駐車場に停め、すぐ先の登山口から山道に入る。整備された道を少し登ると、一帯は水源保護の為の広葉樹の植林地であった。道志の森を水源として利用する、神奈川の自治体名を書いたそれぞれの区画が作られ、そこに広葉樹の若木が植えられている。最後まで丁寧に世話をされて、美しい森になって欲しいと思う。
植林帯を抜けると、自然の雑木林の道となり、沢筋に添って進んでいく。しばらく進めばあずま屋があり、下から沢が上がってきていた。このあずま屋から沢を渡って進む道が、直接白石峠に登る道のようで、道型は残っているが、かなり荒廃している雰囲気であった。
標識に導かれて、あずま屋から斜面にとりつき、折り返しながら登っていく。少し登ると周囲の展望が開け、右手に遠く稜線が見えて来る。そして、ベンチのある広場に出る。ベンチに座ると正面に富士山が見える、いい休憩場所である。
再び尾根を折り返しながら登って行く。だんだん道に雪が出てくるが、シャーベット状で滑りやすい。それも高度を上げて行くと、道全体が雪に覆われ、足跡も白く残るようになった。
かなり登ったところで、道は植林地へ出入りするようになる。そしてこれを抜ければ、右側が深く切れ落ちた、斜面のトラバース道となり、慎重に進む。背後に落石の音がして驚いた。あまり気分のいいものではない。この斜面を回り込めばやがて主稜線に到達し、再び安心して歩ける道となった。
稜線に出れば山頂まではわずかであった。一旦登ると、少し平坦な場所があり、再び登って頂上である。途中で数人の人とすれ違ったが、山頂は私一人であった。すっかり雪に覆われた山頂でも、陽射しは暖かく、木のベンチに転がれば、太陽の熱に暖められて気持ちが良い。木々の間からではあるが、その先の大室山と、犬越路を挟んでの檜洞丸が見えていた。
しばらく休んでいると日が陰ってきた。肌寒くもあり、また温泉に寄るのであれば、遅くなってもいけないので、下山とする。稜線からの最初のトラバース道を慎重に歩き、あとはどんどん足任せである。但し、時間の経過と、数人の人が下った為か、雪が随分消えてしまい、途中から早くも泥んこ道となった。あずま屋まで降りて小休止のあと、登山口へと下り、その下の流れに降りて靴の泥を落とす。そして、最後はもちろん道志の湯であった。
ある程度雪が積もった山を歩いたのは、今年始めてです。GWあたりに高い山に行かなければ、これが最後かもしれません。麓では桜が咲く明るい春になっていますが、僅かな登りで雪も楽しめる。やはり春は楽しい季節ですね。
樹間越しの大室山
参考図書・地図 | その他のコース |
---|---|
エアリアマップ 丹沢 アルペンガイド 丹沢(山と渓谷社) 2時間登頂の山(山と渓谷社 1994年) 25000図 大室山 50000図 上野原 |
西丹沢自然教室の先、用木沢出合を起点に、犬越路・大室山・加入道山・白石峠と周回できます。 道志村竹之本より、前大室経由で加入道山に登る道があります。 菰釣山方面から県境の尾根の縦走で到達します。 |