葛葉川本谷

 三ノ塔 1,205.2m 二ノ塔 1140m
 横向の滝 板立の滝 富士型の滝
 山域:丹沢

記録
 山行日1997年8月23日(土)
 ルート菩提→葛葉の泉(入渓)→横向の滝→板立の滝→富士型の滝→三ノ塔尾根→三ノ塔→二ノ塔→ヤビツ峠→蓑毛
 コースタイム0743 菩提→ 0825/0835 葛葉の泉(入渓) → 0900 横向の滝 → 0920 板立の滝 → 0930/0940 林道 → 1000 富士型の滝→ 1105 三の塔尾根 → 1120/1155 三の塔 → 1205 二の塔 → 1240/1245 富士見小屋 → 1305 ヤビツ峠 → 1355 蓑毛
 天候曇り時々晴れ

たまたま書店で沢の入門書を買ってしまった。それでは今年の夏の終わらぬうちにと足回りの道具を買い揃えて、いつになく新鮮な気持ちで週末を待つこととなった。最初なのでガイドブックをいろいろ見ながら初心者が単独でも行けそうな葛葉川本谷を選んで出かけてみた。

菩提のバス停から少し細い道を直進する。やがて道は葛葉川沿いに進み、桜沢橋を渡って野外センターを越えると車道は傾斜を増す。そしてカーブを回り込んで入渓点となる葛葉の泉に着いた。
葛葉の泉を楽しんだあと準備を整え、ジャブジャブと水の中に入って水の感触を楽しむ。小滝を越えていくとゴルジュに入り、その出口の5mの滝は正面から越えてみた。この時初めて全身に水の飛沫を浴びるのを体験した。暗い谷を歩いていくと何気なく手を置いた岩がピョンと飛び跳ねてビックリ!。このあたりは蛙が多いみたいで、動きの鈍い逃げてくれない蛙を踏みつけそうにもなる。横向の滝は正面から登り、さらに小滝を越えると少し広くなって奥に板立の滝が見える。右寄りに取り付くが、ホールドを見つけられず断念する。ザイルの確保も欲しいところだ。右の岩の上を小さく巻くと、上部の落ち口のあたりで体がのりだしてしまう。巻くなら大きく巻いた方がいいようだ。さて曲滝を楽しく越えると林道の橋の下を通過しここでゆっくり休憩した。
しばらく小滝を越していくと富士型の滝が左から現れる。このあたりまでくると、水流がかなり細くなる。正面を直登しようとしたが、下段は落ち口まで手が届いたものの足があと一歩出ず断念。おまけに降りるのに苦労した。結局左から下段を登り、右に渡って上段を登った。これより上はフリクションをきかせて現れるナメを登っていく。水を飲んでみるが甘い水だった。
伏流になり日が照って暑くなってきたので、そろそろ尾根へ取り付きが無いかと踏み跡に気を配りながら行く。大きな丸い岩の表面を水が流れているところを越えて行くと左にペンキが現れたので、それに沿ってガレを登り踏み跡から尾根に取り付く。まわりを見るとまだ相当標高差がありそうだ。滑りやすい急登を頑張って登るが、さすがに途中でばてて一旦休憩。渡る風が気持ちいい。植林帯になると幾分傾斜もゆるみやがて階段状に整備された登山道に飛び出した。
登山道を辿ると程なく三ノ塔に着いた。日が照っておらず、風が涼しく気持ちいいが、展望はガスの為すっきりしない。三ノ塔からはヤビツ峠に向けて縦走する。二ノ塔は展望はいまいちで通過。峠への下りは正面の大山が大きく立派に見える。意外と長い長い下りを経てやっと富士見小屋着。岳の台越えは今日はパスして、車道を通ってヤビツ峠に向かい、さらに歩きやすい道を蓑毛へと下った。蓑毛にでるとちょうどバスが停まっているところだった。
初めての沢歩きに不安と期待をもって臨んだが、充分楽しい一日を過ごすことができたし、また新しい遊びを覚えてしまった。丹沢は山自体もそれほど登ったことがないので、これから沢も組み合わせて楽しんでみたいと思う。


参考図書・地図
YAMAKEIアドバンストガイド 沢登り入門とガイド(1996年5刷)
ヤマケイアルペンガイド 丹沢
ハイグレードハイキング東京周辺(山と渓谷社1995年改訂2刷)
東京付近の沢(白山書房1995年5版1刷)
25000図 秦野 大山
50000図 秦野

富士型の滝
交通機関
秦野駅から菩提(複数系統有)
秦野駅から蓑毛・ヤビツ峠
詳細時刻については、以下のホームページを参照願います。
 神奈川中央交通


Nifty FYAMA 投稿文

葛葉川から三の塔・ヤビツ峠・蓑毛

まだ残暑で暑い日が続きます。前回二子山でとても暑かったので、気分を変えて沢を歩いてみることにしました。でも沢といってもかつて愛知川の広い中流で水と戯れた程度の経験しかないので、参考書を買い込み研究しながら、SnowbirdさんのREPを参考にして行ってきました。

【日 程】97年8月23日(土)
【目 的】葛葉川本谷から三の塔
【天 候】曇り時々晴れ
【コース】0601 新宿=急行 0710/0728 秦野 =0743 菩提
     0743 菩提→ 0825/0835 葛葉の泉(入渓) → 0900 横向の滝 →
     0920 板立の滝 → 0930/0940 林道 → 1000 富士型の滝→
     1105 三の塔尾根 → 1120/1155 三の塔 → 1205 二の塔 →
     1240/1245 富士見小屋 → 1305 ヤビツ峠 → 1355 蓑毛
【沢 名】葛葉川本谷
【山 名】三の塔 1205.2m 二の塔
【メンバー 】単独
【山 域】丹沢
【参考書】YAMAKEIアドバンスガイド 沢登り入門とガイド
     アルペンガイド 丹沢
     ハイグレードハイキング「東京周辺」
     白山書房 東京付近の沢
2.5万図 秦野 大山

1.登山口まで

始発電車で出発する。どうやら秦野7時10分が丹沢に電車で行く最大限の早い時刻である。菩提のバス停で降り、左に曲がるバス道を見送り、少し細い道を直進する。「マス釣りセンター」とか「青少年野外センター」の標識が現れる。やがて葛葉川沿いにの車道を歩いていくようになる。今日は深くもやがかかっていて丹沢の山々は輪郭しか見えない。桜沢橋を渡り野外センターを越えると車道は傾斜を増し、カーブを回り込んで葛葉の泉に着いた。
葛葉の泉には、トラックでたくさんの水を汲みに来ている人や自家用車で来ている人。そして、中高年夫婦が一組であった。ご主人は地下足袋であるが奥さんは普通のハイキングスタイルのようだ。奥さんはとにかく水を避けて歩いていた。ここはひょっとしたら徹底的に水を避ければ濡れずに歩いていけるかもしれない。それにはそれで信念?がいると思うが。

2.葛葉川

さて、準備を整えて入渓する。小さな堰堤を越えて先行した夫婦を追い越し、ジャブジャブと水の中に入って水の感触を楽しむ。最初は暗いし、蜘蛛の巣も結構多い。小滝を越えていくとゴルジュに入り、最後の5mは正面から越えてみる。この時今日初めて全身に水を浴びた。暗い谷を歩いていくと何気なく手を置いた岩がピョンと飛び跳ねていった。ビックリ!このあたりは蛙が多いみたいで、動きの鈍い逃げてくれない蛙を踏みつけそうになる。さて、横向の滝は正面を登り、さらに小滝を越えると、少し広くなり奥に板立の滝が見える。右寄りに取り付くが、水流の中でうまくホールドを見つけられず断念。このへんがたぶん初心者ゆえのヘタクソなのである。登るならザイルの確保が欲しい。
右の岩の上を小さく巻くと、上部の落ち口のあたりで、体がのりだして宙に浮いてしまう。横着をせずに少し大きめに巻いた方がいいようだ。ちゃんとした巻道がある。さて楽しい曲滝を越えると林道に橋の下を通過し、ここで休憩する。休憩すると水をたくさん補給した。体が濡れていて良く解らないが、蒸し暑い中での登りであるのでたぶん汗がたくさんでているのだろう。
さて、しばらく小滝を越していくと富士型の滝が左から現れる。このあたりまでくると、水流がかなり細くなった。正面を直登しようとしたが、下段は落ち口まで手が届いたが、足があと一歩出ず断念。やはりヘタクソなのだ。おまけに、下ってもとに戻るのに苦労した。結局左から下段を登り、右に渡って上段を登った。ここから上はフリクションをきかせて登っていく。水を飲んでみるが甘い水だった。調子に乗ってたくさん飲む。
伏流になり暑くなってきた。そろそろ尾根へ取り付いていかないと、と思って登り口をさがす。大きな丸い岩の表面を水が流れているところを越えて行くと左にペンキが現れた。それに沿ってガレを登り踏み跡があったので取り付く。まわりを見ると尾根までは相当標高差がありそうだ。滑りやすい急登を頑張って登るが、さすがに途中でばてて休憩。渡る風が気持ちいいと思っているうちに根がはえてしまいそうだった。気を取り直して登り、植林帯になると幾分傾斜もゆるみやがて階段状に整備された登山道に飛び出した。
整備された登山道を登り、賑わう三の塔に到着。小屋の中で着替え、ハイキングスタイルに戻った。

3.下山

さて、広い三の塔で休憩する。展望はいいのだが生憎ガスがかかっており、すっきりしない。今日は相当水蒸気が多いようだ。ここからはヤビツ峠に向けて縦走する。二の塔は展望はいまいちで通過。峠への下りにかかるが正面の大山が大きい。このあたりは登山道が荒れている箇所もある。やはりオーバーユースも原因なのだろうか。意外と長い長い下りを経てやっと富士見小屋着、ここでビールを買って一気に飲み干す。岳の台を越えて行こうともともと考えていたが、そんな元気は無く車道を通ってヤビツ峠。さらに歩きやすい道を蓑毛へと下った。途中名水百選のところで水をたのしむ。葛葉川と味が違うような気がした。この沢で渓流靴などを洗濯した。
蓑毛にでるとちょうどバスが停まっており、5分で発車、ラッキーであった。



ということで、楽しく登ってきました。丹沢は山自体もほとんど登ったことがない (大山と檜洞丸しか登ったことがない)のですが、この様な沢がたくさんあるみた いなので、それらを取り入れながら楽しんでみたいと思います。